2019年7月11日に発売されたNintendo Switchソフトタイニーメタル 虚構の帝国」のプレイレポートをお届けしよう。AREA 35が開発し,「ディライトワークス インディーズ」から発売されている本作は,特殊能力を持つ「コマンダー」が,デフォルメされた戦車や歩兵を率いる,昔懐かしいテイストターン制シミュレーションとなっている。


 「タイニーメタル 虚構の帝国」は,2017年に配信された「タイニーメタル」の続編だ。行方不明の兄を捜す傭兵団長代理・ヴォルフラムや,強大な力を持つ「ロストテック」の悪用を防がんとするネイサンら,個性豊かな「コマンダー」達の活躍が描かれる。

 ジャンルターン制シミュレーションゲームで,マップ上の敵ユニットを全滅させるか,「HQ」(司令部)を占領できれば勝ちとなる。歩兵系のユニットで「都市」を占領して収入を増やし,「工場」や「空港」で新たなユニットを生産して戦力を増強,一気呵成に敵HQへなだれ込む……というのが基本的な流れだ。
 登場するユニットは歩兵や戦車,飛行機から,人型兵器「メカ」までさまざま。いずれもデフォルメされたデザインになっており,マップ上を動き回って戦う様はなかなかに可愛らしい。


 キュートな見た目に相反して,システム自体はシミュレーションの基本を抑えた本格派で,適当に進軍するだけでは勝てない。森や丘といった険しい地形を先に抑え,防御を高める地形効果の恩恵を受けるのはもちろん,先制攻撃を徹底して少しでも戦闘を有利に運ぶといった戦略も重要となる。

 ユニットは1〜10機(人)が寄り集まって1部隊として編成され,HPが減少すると1機ずつ脱落していく。数が減るとそのぶんだけ攻撃力が落ちるため,最大の攻撃力を発揮するには,無傷の状態で先手を取るのが望ましいというわけだ。
 歩兵で都市やHQを占領するときは,ユニットの人数が多いほど早く占領できる。言い換えれば,歩兵ユニットの人数が直接勝敗を分けるということでもある。10人揃った「ライフルマン」なら,耐久力20の都市を2ターンで占領できるが,5人なら4ターン,2人しか残っていない場合は10ターン,最後の1人なら20ターンも掛かってしまう。減少した歩兵を「合流」させて回復したり,無傷の歩兵を兵員輸送車「アーケロン」に詰め込んでおき,隙を見て電撃作戦を仕掛けるなどの工夫が求められる。


 進撃するうえでは索敵も大切だ。マップのほとんどはブロックのようなオブジェクトで視界が閉ざされており,中に何があるかは分からない。ユニットにはそれぞれに「視界」が設定されており,ブロックに近づくと視界の分だけ取り除かれるという仕組みだ。

 ブロックの中に敵部隊が潜んでいた場合は,そこで強制的に移動が中断されるため,無茶な進軍はできない。また,ブロックが取り除かれた場所であっても,敵ユニットが視界外へ行くと,未発見と同じ扱いになり,攻撃することは不可能となる。視界に優れた偵察車「スカウト」や,広範囲をチェックできる「レーダー」といったユニットをうまく使い,敵ユニットを逃さないようにしたいところ。


 本作においては,物量の確保が重要な要素となる。1つでも多くの都市を占領して収入を増やし,戦局を見極めながら,その時に有効なユニットをじゃんじゃん生産していく。敵陣に対空兵器が少ないようであれば攻撃ヘリガンシップ」や戦闘機ファイター」で空から攻撃し,歩兵が多いなら「メタル」や「スカウト」といった戦車系,車両系を送り込む……といった具合に,相性的に有利なユニットを増産して弱点を突いてやるのだ。

 敵陣を切り崩すときは,複数部隊による「ロックオン」も活用したい。これは,複数の味方ユニットで敵1部隊に集中攻撃を掛けるというもので,うまく決まればHP満タンの敵も一気に沈められる。「複数部隊でロックオンをかけても,敵から反撃を受けるのは戦端を開いた1部隊のみ」という性質を活かせば,どうしても生かしておきたいユニットを攻撃に参加させつつ,敵からの攻撃は元気なユニットに引き受けさせるということも可能。もちろん,「HQを守る敵を何とかして退かせたい」というような火力の必要な局面にも有効だ。


 本作では「燃料」と「弾薬」の概念が導入されており,移動や戦闘するたびにこれが減少していく。そのため,強いユニットを前線に送り込んでずっと戦い続けるようなことが不可能となっている。「サプライプレーン」など,補給能力を持つユニットも忘れずに生産し,前線の維持に努めよう。
 また,人型兵器「メカ」も自軍のユニットとして使用可能となった。火力と移動力を両立した「ブリッツメカ」や,長射程の「メガメカ」はロボ好きの心をそそるものがある。そこそこお高い割に,バズーカを装備した安価な歩兵「ランサー」に弱いあたりはご愛敬だが,メタルでは入れないような地形も踏破できるので,しっかりと活用していきたいところだ。



 ユニットは,敵を倒したり都市を占領したりすると経験値を得てレベルアップする。しかし,いくら強くなっても次のマップには引き継がれない。ただ,例外となるのが「ヒーローユニット」だ。
 ヒーローユニットは,固有の名前と能力を持っており,マップ内の「通信塔」を占領するたびに1機呼び出せる。ただでさえ高い防御力がさらに高くなった戦車の「ビリー エイブラムス」や,足が速いうえに車両とも戦えるスカウトの「マリー ムーア」など,ヒーローユニットは強力なものばかり。通常のユニットとは違い,マップをまたいでもレベルが引き継がれるため,どんどん強くしていける。
 ただし,倒されるとそのマップで稼いだ経験値がすべてパーになってしまうため,危なくなったらあらゆる手段を尽くして助けよう。


 コマンダーの個性をより強く表現しているのが,新要素「コマンダーパッシブ」と「コマンダーパワー」だ。コマンダーパッシブはいわゆるパッシブスキルで,視界や燃料の増加,攻撃力アップなどの効果が自動で発動する。中にはユニットの生産費が安くなるなど強力なものもあるので,しっかりとチェックしておきたい。

 一方のコマンダーパワーは,敵ユニットを撃破したとき,もしくは自軍のユニットが撃破されたときに貯まるポイントを使って発動する。傭兵隊長のヴォルフラムならば歩兵の占領速度が上昇,死の商人であるオルジオなら生産費が最大60%引きになるなど,前作よりもコマンダーへ感情移入しやすくなっている。とくに,自由にマップユニットを選べる「スカーミッシュ」モードではコマンダーとユニットの組み合わせで大きく戦略が変化するので,いろいろと試してみるといいだろう。


 弾薬・燃料の導入により,強力なユニットだけが延々と戦い続けるようなことがなくなり,コマンダーパッシブとコマンダーパワーで,スカーミッシュではプレイヤーの戦略が色濃く出るようになるなど,順当な進化を遂げたという印象の本作。
 とくにコマンダーパワーの存在は後期「ファミコンウォーズ」を思わせるものがあり,好きな人にはたまらないだろう。古き良きシミュレーションゲームファンなら,遊んでみる価値は十分にあるはずだ。


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関連タイトル
Nintendo Switch タイニーメタル 虚構の帝国

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Switch用ソフト「タイニーメタル 虚構の帝国」プレイレポート。コマンダーの特殊能力を使い,戦局を有利に導け