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ロータスCEO語る 超高価格帯モデル投入のワケ
新セグメントへ進出計画 2交代制で1万台
デザイン・ディレクター語る ロータスらしさ

ロータスCEO語る 超高価格帯モデル投入のワケ

ロータスが合計最高出力2000psという電動ハイパーカーエヴァイヤ」を発表した。同社によれば、これは「世界で最もパワフルな量産車」であるという。

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その発表イベントで、AUTOCARはフィル・ポパムCEOから話を聞いた。同CEOはエヴァイアの背景にある思想と、このアイコニックなスポーツカー・ブランドが目指す次のステップについて説明してくれた。

――なぜ、これほど特別で高価なクルマを作ることにしたのですか?

「波紋を起こそうと思ったら一石を投じなければならない。名前を残そうと思ったら何かを成し遂げなければならない。われわれはそう信じています」

「このクルマは、ロータスの将来における可能性を表しています。われわれの成し得ることを表し、そして将来の明確なロータス車のヴィジョンに向けた道を切り開きます」

――これに続く超高額なハイパーカーを構想しているという意味ですか?

「まず第一に、われわれがヴィション80と呼んでいる10年計画には、『ドライバーのため』のクルマを作るということが含まれています。後にも先にもそれがすべてです。ロータスのクルマは常に、ドライバーが関与し、楽しめるということが核心にあります」

「現在のラインナップは5万ポンド(約670万円)台の半ばから10万ポンド(約1340万円)を超えるあたりですが、将来的にもわれわれの中心的モデルは、新型ハイパーカーは別として、引き続きその価格帯になるでしょう。とはいえ、ロータス・ブランドは常に現在の先へ行く公平性を持っているとわれわれは信じています。しかし、それは当面の戦略ではありません」

――当面の戦略は?

「まずは130台のハイパーカーを生産し、それからわれわれの主力製品であるスポーツカーのラインナップを刷新することに集中します。来年の終わり頃には、新しい内燃エンジンのスポーツカーを発表できるでしょう。そして翌年には販売を開始します。そのクルマの後には、すべてのロータス車に、どのセグメントも、完全電動バージョンを設定することになります」

――電動化に向けたお話を聞いていると、ハイブリッドは一気に超越してしまうつもりのように聞こえるのですが……。

「それも確かに1つの選択肢です」

新セグメントへ進出計画 2交代制で1万台

――その10年計画で、どれだけの成長が見込めますか?

「最初から見ていきましょう。昨年、われわれは1700台のクルマを生産しました。しかし、現在ヘセルの工場ではシングルシフトで5000台以上のクルマを生産可能です。2交代制にすれば1万台以上ということです」

「現在の工場を大きく変えずに、ヘセルをさらに成長させることができると考えています。そこで、われわれは新たなセグメントへ進出する野心的な計画を持っています」

――ヘセルを成長させたら何をしようというのですか?

「ヘセルで何か革新的なことをするのも、あるいは別の場所へ移るのも、どちらも可能です。ただ、言っておかなければならないのは、別の場所でクルマを生産することになっても、ロータスのDNAは変わらないだろうということです」

「われわれが作るクルマは、1:利益が出ること、2:真のロータスと呼べること。この2点を満たすものだけです。また、別の場所で同じクルマを作ることもないでしょう」

――「ドライバーのために」というスローガンは、期間限定ではありませんか? われわれは間違いなく、完全自動運転の時代に近づいているのではないでしょうか?

「それが期限切れになるとはまったく思いません。これからの時代に向け、他のもっと大きな自動車会社は、モビリティとクルマを所有することに集中しようとしています。クルマを日用品のようなものにしようとしているのです。しかし、常にロータスは、オーナーが自由な時間に乗って楽しむためのクルマを作り続けていくでしょう。しかし、われわれも未来の素晴らしい技術のいくつかは、確かに利用していくつもりです」

――英国の欧州連合離脱は、ロータスにどれくらい影響があると思いますか?

「過去3年以上にわたり、われわれが政府に送り続けてきたメッセージは変わっていません。合意なき離脱は避けなければならないということです。そして今のところ、上手くいきそうに見えます」

「それでも、もし合意なしに離脱するのであれば、新たな取り決めが結ばれることになると、われわれは信じています。英国は過去何百年にもわたり、国際的な貿易が生活を助けてきた歴史があります。一方でロータスでは、短期的な不測の事態にも備えています。混乱に対処する計画を立てています。しかし、EU離脱がわれわれの中心的戦略を変えることは一切ないでしょう」

デザイン・ディレクター語る ロータスらしさ

次にロータスのデザイン・ディレクターを務めるラッセル・カーに訊いてみた。

――クルマの周りの空気の流れをどうデザインしましたか?

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ロータスらしさを残しながら、新次元のエアロダイナミクスを追求しました。歴史的にわれわれが追い求め続けてきたことです。1960年代にはウイングをいち早く導入、70年代にはグラウンド・エフェクトにも注目しはじめました」

「このクルマでは、ボディ周りの整流だけでなく、ボディ内部の流れにも気を使っていま

す。これに着目したのはわれわれが最初ではありませんが、彫刻的に取り入れることによって見た目にも良い印象を与えるようにしています」

――それが見た目にどう影響しますか?

「外から見たときに、見慣れたボリューム感と美しいスタイルを求めました。第一印象で美しいと感じることは重要です。そしてクルマの細部を見るうちに、空気が中を通過するための開口部に気づくでしょう」

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「先ほども申し上げた通り、これが他とは違ったルックスを作り出します。クルマ全体を見渡した時に、躍動感あふれる印象を与えるのです」


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