働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は水木麻耶さん(仮名・メーカー勤務・34歳)からの質問です。

「同僚が次々結婚して妊娠し始めたと思ったら、ついに部下まで妊娠して、私の周りでは出産ラッシュになっています。出産後に育児休暇を取る予定の子もいますが、出産直前まで働いて退社する人もいます。そういった場合、出産祝いってどうするのでしょうか。みんなでお金を出し合って、ベビー服でも購入しようかという話も出ています。何が喜ばれるのか、贈るタイミングやNGがあれば教えてください」

出産祝いとは、文字通り出産のお祝い。もともとは夫の家に嫁いだ妻の実家が、生まれた子供がお宮参りに着ていく服を贈ったしきたりのようです。今でも、お宮参りの衣装は妻の実家が用意するという家が多いですよね。親や親族は出産祝いに現金を贈ったりすることもありますが、職場の出産祝いといえば、お誕生日結婚式のお祝いのようにギフトを贈るのが一般的です。しかし、そこにもマナーが必要です。出産直後の女性はナーバスになっていることもあり、不用意な態度は傷つけてしまう要因にも。そこで今回は、贈るタイミングやギフトの選択などを含め、職場の出産祝いに関するマナーを鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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出産祝いは生まれてから送るもの

まず、出産祝いを贈るタイミングですが、これは「生まれてから」です。最近では、臨月の妊婦さんをお友達などでお祝いするベビーシャワーが流行っていて、そこで生まれてくるお子さんのためにとグッズプレゼントされたりということが多いようですが、これらは出産祝いとは言いませんし、出産祝いだと思っていたらマナー違反です。

出産前にお祝いするのはかまいませんが、出産祝いは、母子の健康を確認した上で送るのが常識。出産が終わってからというのが、正しいタイミングです。またお祝いは、出産後7日の「お七夜」の日から1か月後の「お宮参り」の時期がベストと言われています。個人で送る場合には、先方の内祝い(出産祝いをいただいた人にも送るギフト)の用意もありますので、早めは早めがいいとされていますが、基本的に予備を用意していることが多いので焦ることもないでしょう。

また、出産後とくに初めての出産直後は、気持ち的にも物理的にも慌ただしく客人の対応も難しいことが多いでしょう。職場の人に複数人でお金を出し合ってギフトを購入するなどの場合には、たとえば出産入院の退院後の時期を聞き、お祝いの言葉をしたためたお手紙をそえてご自宅に送る、などでもマナー違反ではありません。むしろそのほうが、受け取った側も助かると思うケースも多いです。とくに男性社員にお子さんが生まれたという場合には、自分の子供を見せたくてお祝いにお伺いすることを喜んでいるのは夫だけ、ということも少なくありません。奥様の出産をねぎらう意味でも、あえてお邪魔せずにプレゼントのみ旦那様に渡すというのもマナーといえるでしょう。

職場の出産祝いのNGは?

出産祝いのNGは基本的にありません。生まれたお子さんのお名前を伺ったうえで、名前いりのタオルスタイ、おくるみなどの定番品も喜ばれますし、カタログギフトや商品券など本人が欲しいものを選べ、かさばらないギフトも人気です。また、本人に直接何がほしいか聞くのもアリでしょう。ただし、高級ベビーカーを指定されたという人もいるので、予算はいくらということはしっかり伝えなければいけませんね。

出産祝いにNGのメッセージは?

とにかく、出産直後はナーバスになりがちです。お祝いの言葉は、ちょっとでももやもやさせるような言葉は排除しましょう。たとえば「大きくなったら美人さんになるね」などは、「今はかわいくないってこと?」と受け取れかねませんし、早く仕事に復帰したいと思っている人に、「〇〇さんの席は残してあるから今は育児に専念してね」などと書けば、「え?××さんの席はもうないってこと!」と思ってしまったりということも笑い話ではないのです。「元気な女の子と聞いています。旦那様はメロメロでしょうね」というメッセージに、「義母から男の子を生まないと意味がないと言われ続けていたので、うちの事情を何も知らないくせにと涙がボロボロとこぼれた」という人もいます。想像でものを書くのはやめましょう。

出産した人から赤ちゃんの写真や名前が送られてきたら、

ご出産おめでとうございます。お写真拝見いたしました。〇〇ちゃんの誕生、職場のみんなも大喜びしています。パパ(ママ)似のかわいい男(女)の子ですね。3人家族となり、ますます幸せいっぱいのご家族になりますように。

このくらいがもっともシンプルで、もっとも賢明なメッセージといえます。

出産祝いの相場はいくら?

30代も中盤になると、上司の立場で部下に出産祝いを贈るケースもあるでしょう。相場としては、5,000円~1万円程度でしょう。本人との関係の深さなどがあるとは思いますが、上司が部下に対するお祝いとして一律にすることがポイントです。一方、部下から上司に送る場合にも5,000円が相場といえます。

同僚の場合にも、5,000円~1万円といったところ。職場の全員でまとめて贈る場合には、出産報告があったのち、職場でお祝いするかどうかを相談しましょう。職場で規定があれば、それに従うのがいちばんです。毎月1人ずつから集めている慶弔の積立金があり、そこから出すケースもあれば、都度集金するケースもあるでしょう。

それを現金で送るか、品物にするかも、規定があればそれに従い、なければ本人と相談してもいいでしょう。

職場で有志を募る場合には、強制ではありませんから、参加したくない場合には「私は今回、スキップで」などとやんわり断るだけで十分です。一方、贈る場合には、有志が誰であるか受け取り主にちゃんとわかるよう、全員の名前を明記しましょう。お礼をするのに困りますし、せっかく参加したのに受け取り主が気づかないのは、残念すぎますよね。

出産祝いは、「出産」祝い。お子さんの誕生とともに、産んだ母をねぎらうことを忘れずに。

賢人のまとめ

職場での出産祝いの相場は、5000円~1万円くらいです。品物のNGはありませんが、メッセージには慎重に。また、本人に欲しいものを聞くのもマナー違反ではありません。

プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションインストクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/

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