どうしてもハンターの血が騒いでしまうのか、自分が狩ってきた小動物を家に持ち帰り、飼い主の目の前に置きがちなのが猫の性分。
愛猫からのせっかくのプレゼントだが、こればっかりはありがたくうけとれない。そんな飼い主も多いことだろう。
アメリカに住む猫飼い男性も同じ事情を抱えていた。メトリックという名の愛猫が、真夜中に死んだ小動物を持ち帰ってくるのが日課となっていたそうだ。
そのたびに安眠を妨げられ、なんなら完全覚醒もしちゃってた男性は、特殊な猫ドアを考案した。AIの機械学習を利用し、メトリックが獲物を持参してる時のみロックで閉め出すドアを作ったのだ。
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狩りが得意な愛猫に悩んでたベン・ハム
今年6月、アメリカのシアトルで開催された多様なアイディアの発表会Ignite Seattleで、ベン・ハムが自作のドアを説明した。
Amazonのプロダクトマネージャーである彼は、狩りが得意な愛猫メトリックにまつわる悩みを抱えていた。
メトリックは愛らしい上に家の中のネズミを駆除してくれる素晴らしい猫だ。
だが、真夜中に死んだ動物や瀕死の動物をおみやげにするメトリックの習慣は、かねてからベンの眠りを妨害し、すっかり目覚めさせることもあった。
猫動物の持ち込みを防ぐドアをAIで
それは10日に1度の割合だったが、持参するのはたいてい午前3時だ。どうにかして死んだ動物の持ち込みを防がなければ・・・
愛猫を一日中閉じ込めることもできた。が、メトリックはほとんど外でしか用を足さず猫用トイレをめったに使わない。
そこでベンは、メトリックが本能に従うことをやめさせるため、AIの高度な学習機能を使った猫用ドアを作ることにした。
AIに望み通りの検知をさせるには?
彼は、フラップ式猫用ドアに、Arduinoというマイコンで作った鍵を制御するシステムを接続した。
これに深層学習(Deep Learning)対応の画像認識機能を持つAIビデオカメラ(AmazonのDeepLens)を接続すれば、ドアの外の映像にAIが判断を下し、ロックできるようになるだろう。
だがそのためには、AIにメトリックの状態を認識させる必要があった。
ベンは当初、エンジニアを雇ってこれらの作業を任せたいと思っていた。しかし専門知識のある知人に「自分で勉強しろよ。やり方だけは教えてやるから」と言われ、しかたなく自力でやることにしたという。
2万枚以上の画像を集めて分類
そこで彼は数カ月かけて訓練用の画像を23,000枚も用意。
メトリックがドアの前に来る・来ない、ドアに向かっている・いない、獲物をくわえている、などの状況をラベル付けして分類した。それはすべて手作業だ。
それをオンラインの機械学習サービスに入力し、検知用モデルを作製した。
獲物をもつ猫をブロックするドア完成!
こうして彼は自身の望むマシンビジョンAIアルゴリズムを得た。
これによってメトリックが獲物を口にくわえてるかどうかを判断するドアがついに完成。
もし答えが「はい」の場合、ドアは15分間ロックされ、ベンに画像付きのメッセージが送られる。
またこの確認が取れると、ベンの口座から全米オーデュボン協会(野鳥などの保護活動を行う団体)への寄付金が自動送金されるようになっている。
これは愛猫の犠牲になった動物への哀悼とせめてもの償いとしてベン自身が付け加えた機能らしい。
日常の問題も解決?AIの有用性を提示
ベンによると、これまでの5週間のうちメトリックが何も持たずに帰宅したのが180回、そのうち1回は獲物無し、つまり冤罪で閉め出されている。
また獲物を持ってきたのは6回だったが、うち1回はブロック無しで帰宅できたらしい。
てことでベンの発表はAIの日常的な有用性を完璧に説明するものだった。
にしてもこの仕掛けでメトリックは狩りの習慣をやめてくれるんだろうか?閉め出しもなんだか気の毒な気がするけど、みんなはどう思う?
References:theverge / geekologieなど /written by D/ edited by parumo
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