トラウマ・ホラーの代名詞『マーターズ』を手掛けた、フランス出身の鬼才パスカル・ロジェ監督による新作『ゴーストランドの惨劇』より、本編映像が解禁。車に乗った母と双子の姉妹が不気味なキャンディ・カーに煽られるという、スティーヴン・スピルバーグ監督のサスペンス映画『激突!』(1973)を彷彿とさせる冒頭映像が収められている。

【写真】不気味なキャンディ・カーに中指を立てるヴェラ

 本作は、ロジェ監督が2012年の『トールマン』以来、6年ぶりに撮り上げた長編作品。絶望的な惨劇に巻き込まれる姉妹の物語を、全編に張り巡らせた伏線と罠で、観る者を巧みに翻弄しながら描いていく。

 解禁された本編映像は、映画冒頭、母親と双子の姉妹が新しい家に向かう道中を映した数分を切り取ったもの。車中で母ポリーンと談笑する妹のベスと、ひとり音楽を聴いている姉のヴェラ。突然鳴り響いた謎の音に驚いて確認すると、3人が乗る車の真後ろには薄汚れたピンク色キャンディ・カーが尾けており、大きくクラクションを鳴らしている。

 「何のつもり?」とイラつきを露わにする短気なヴェラをよそに、横につけてきたキャンディ・カーの中から手を振る人物に笑顔で応じるベスとポリーン。ヴェラはついに中指まで立てて母親に注意されるが、キャンディ・カーは気にした風もなく颯爽と3人の車を追い抜いて行ってしまう。

 悪夢のような惨劇に見舞われる前の3人を映した同映像は、後ろをついてくる大型トラックの恐怖にさいなまれる主人公を描いた、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『激突!』を彷彿とさせる。後の惨劇を予感させ、さらなる恐怖への期待を高める不穏な映像となっている。

 人里離れた叔母の家を相続し、そこに移り住むことになったシングルマザーポリーンと双子の娘ヴェラとベス。姉のヴェラは、奔放で現代的な少女である一方、妹のベスは、ラヴクラフトを崇拝する内向的な少女。新居に到着したその日の夜、2人の暴漢が家に押し入り、娘を守ろうとする母は姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにする。その惨劇から16年後、ベスは小説家として成功したが、ヴェラは精神を病み、今もあの家で母と暮らしていた。久しぶりに実家に戻ったベスに対し、地下室に閉じこもるヴェラは、ベスに向かって衝撃の言葉をつぶやく…。

 映画『ゴーストランドの惨劇』は8月9日より全国順次公開。

映画『ゴーストランドの惨劇』場面写真(C) 2017 ‐ 5656 FILMS ‐INCIDENT PRODUCTIONS ‐MARS FILMS ‐LOGICAL PICTURES