徴用工裁判、対韓輸出規制の厳格化などで戦後最悪とも言われる日韓関係。その影響からか、東京・新大久保コリアンタウンにもそこはかとない暗い影を落とし始めている。

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言うまでもなく、新大久保韓国料理店や韓国コスメ、韓流スターショップなどがひしめく街だ。週末ともなれば、女子高生やカップル、女性同士の客などで路上は溢れんばかりの人となる。

一部ネットなどでは、新大久保の韓流ブームは「マズゴミ」のごり押し・ねつ造で実際にはそれほどではない、という主張があるが、これははっきり言って現実を見たことも、状況を分析したこともない人たちの“妄想”あるいは“希望”だ。

好むと好まざると、女子高生を中心に韓流が大人気となっているのは「現実」である。そんなコリアンタウンでも、最近の日韓関係の悪化を受けて、女子高生客が減っているのか?

コリアンタウンを週一ペースでウォッチしている筆者が見た限りでは、ここ最近(輸出厳格化以降)においても女子高生らの足が止まったようには思えない。では、なにが変わったのかと言えば、それは店側、つまり韓国人サイドが敏感になっている、ということだ。

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街を俯瞰した感じで言うと、かつてより呼び込みの数が多くなっている。これまでは、数多くの客をさばくので精一杯、呼び込みまでする余裕はなかったワケだが、それが多くの店で呼び込みをするようになった。それも、目に見えて客足が減っているようにも見えないのに、だ。

また、日本人の客に対してより愛想をよくしていると言う感も見て取れる。そういうと語弊があるが(もともとコリアンタウンは愛想がよい)、正確に言えば、愛想というよりは日韓関係の悪化に敏感になっていて、起こり得る“なにか”に警戒しているような感じですらあるのだ。

起こり得るなにかを具体的に言えば、近いところで売り上げの低下であろうし、最悪のケースでは極右やレイシスト集団によるヘイトスピーチであろう。特に後者は、かつて多大な実害を被っており、店側が敏感になるのは仕方がない。しかも当時といまのコリアンタウンの隆盛はけた違いであるだけに、万が一、そんな暴挙が起これば地元商店街にかかる被害・負担は相当のものになるハズだ。

このように静かにではあるが、日韓関係の悪化は隆盛を誇るコリアンタウンにも影響を及ぼし始めている。

しかしながら、強硬路線を敷く安倍政権と確信犯的な左派政権である文政権の対立であるだけに、その出口は見えない。付け加えるなら、G20で来日時、文大統領在日韓国人らが日韓関係の悪化を懸念しても、どこ吹く風だった。ニューカマーのコリアンが不安を感じるのは当然だろう。

せめてもの救いは、コリアンタウンに集う日本人たちの間のある種の楽観論である。これらは、一部ネットなどなどでは「現実を知らせろ!」「非国民」などと罵るムキもあるが、民間交流が外交関係の最後の砦であるのも事実。最悪のケースを考えれば、細い糸の一本と捉えるのが賢明だろう。(文◎鈴木光司)

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