Point

■体内の浮き袋の病気で泳げなくなった金魚に、遊泳補助のための「車椅子」を作成

■「水泳気胞疾患」にかかると、身体が逆さまにひっくり返ったり、底に沈んで浮かび上がらなくなる

水槽内にもバリアフリーの波が来ているようです。

病気で泳げなくなった金魚のために、飼い主が遊泳補助のための「車椅子」を作ってあげたという心温まるニュースが届きました。

飼い主はソウル在住のファッションデザイナー、ヘンリー・キムさん(32)。キムさんは大の熱帯魚好きで、ソウルの自宅に3台の水槽を所有して20匹以上の金魚を飼っています。

金魚は日本でも一般的な「琉金」という種。海外でも人気が高く、「ファンテイルゴールドフィッシュ」という英名が付けられるほどです。

そんな金魚を可愛がっていたキムさんですが、ある日、飼っていた金魚の数匹が「swim bladder disease(水泳気胞疾患)」という病気にかかり死んでしまいました

Credit: kaiyodai

この病気は水槽魚に主に見られる疾患で、体内にある浮き袋の故障で発症します。浮袋はガスを満たした体内器官で、浮力をコントロールすることで無駄なエネルギー消費を抑え、効率的に遊泳する役割を持っています。

しかしこの浮き袋に障害があると、金魚は逆さまにひっくり返ったり、水槽の底に沈んで浮かび上がることができなくなってしまいます。

疾患の原因は様々ですが、餌の食べ過ぎや不衛生な水槽環境であることが多いようです。

Credit:laughingsquid

特にゴールドフィッシュの餌は質的に悪いものが多く、便秘を引き起こすことも多いそう。また餌は水槽の表面にずっと浮き続けているので過食の原因ともなりますし、金魚が表面に浮かび上がってくることで余分な空気を吸い込み、浮き袋にガスが溜まってしまうのです。

通常、この疾患にかかってしまえば、金魚は2〜3ヶ月以内に死んでしまいます。

愛する金魚を救え!水槽にもバリアフリーを

そこでキムさんは、まだ生き残っている金魚の命を救うため、独自に勉強して金魚のための補助遊泳具を作成。これをキムさんは「車椅子(wheelchair)」と呼んでいます。

疾患にかかってからすでに5ヶ月が経過したものの、車椅子を装着した金魚はひっくり返ることも沈むこともなく泳ぐことができるようになりました。

今後、金魚の容態が回復して車椅子なしでも泳げる日が来ることを祈りましょう。

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