80年代を中心とする名作映画への愛にあふれた「ストレンジャー・シングス 未知の世界」。現在配信中のシーズン1~3全25話からオマージュの元ネタとなる作品と名シーンをピックアップ!

【写真を見る】デヴィッド・クローネンバーグの名を一気にしらしめたSFホラー

 

■ 『スキャナーズ』(81)|超能力者の兵器利用は今も昔も変わらず

超能力者を集めた研究施設で、その能力を兵器に利用しようとしている設定は、デヴィッドクローネンバーグ監督作と酷似。エルが念力を使える超能力者というのも、マイケルアイアンサイド演じる裏のスキャナー、レボックに通じるものがある。なお同監督作『ビデオドローム』('82)の影響も。

 

■ 『エイリアン』(79)|防護服が酷似! 極秘任務の男ポール・ライザー参戦

シーズン1で研究所の面々が防護服を装着して“裏側の世界”を捜索するシーンは、リドリー・スコット監督作から。防護服も装備もオマージュを捧げられた。また第2作でエイリアンを持ち帰る極秘任務を帯びた男を演じたポール・ライザーがシーズン2から参加。似た立場のオーエンズ博士を演じる。

 

■ 『レオン 完全版』(94)|ホッパーとエルの関係はレオンマチルダが手本

シーズン2でホッパーの家にかくまわれるエル。父親のように面倒を見てくれる彼に反発しながらも頼りにしている姿は、本作でナタリー・ポートマン扮するマチルダジャン・レノ演じるレオンが見せた疑似親子の関係と重なる。

 

■ 『エクスプロラーズ』(85)|ジョーダンテへの愛をトランシーバーに込めて

主人公がオタク集団という点はジョーダンテ監督作と共通。ルーカスがベッドに寝転がったままトランシーバーマイクと会話するシーズン1の場面も同じ。マイクがエルをかくまう際のルールは同監督作『グレムリン』(84)から。

 

■ 『初体験 リッジモンド・ハイ』(82)|シーズン3のモールは本作のイメージ

シーズン3で“裏側の世界”の入口となるのが、スティーブが働くアイスクリーム店があるモールで、エイミー・ヘッカリング監督作からの影響大。彼がレンタルビデオ店のバイトの面接を受けるシーンでは、同作でフィービー・ケイツが演じたリンダの水着看板も登場。

 

■ 『エルム街の悪夢』(84)|フレディが炎で焼かれる場面から発想

80'sホラーを牽引したウェス・クレイヴン的恐怖も盛り込まれている。シーズン2でジョナサンナンシーが怪物デモゴルゴンを炎で撃退しようとするシーンは、狭い通路などシチュエーションも酷似。「フレディが罠にかけられて火あぶりにされる場面にインスパイアされた」と監督も公言している。

 

■ 『遊星からの物体X』(82)|本編をそのまま使用し、その他のカーペンター作品の引用も

シーズン1で化学教師が観ていたのがジョン・カーペンター監督の名作ホラー。シーズン2のスティーブビリーの格闘シーンは『ゼイリブ』(88)。意思をもつ車の恐怖を描いた『クリスティーン』(83)を彷彿とさせる描写がシーズン3に登場するなど、同監督作からの引用多数。音楽もカーペンター的。

 

■ 『死霊のはらわた』(81)|シーズン1の冒頭が酷似! ジョナサンの部屋にポスターも

ウィルが森の中でデモゴルゴンに捕まって物語が始まるのは、森に封じ込められていた悪霊を解き放ったことから恐怖が始まる本作に似ているなど、サム・ライミ作品のテイストも随所に。ジョナサンの部屋には、本作のポスターが貼られている。

 

■ 『マトリックス』(99)|粘膜に包まれたエルの姿が救世主ネオに重なる

“裏側の世界”に行ったエルが膜を破ってこちら側の世界に戻って来るシーズン2の場面は、本作を彷彿とさせる。キアヌ・リーヴス演じるネオが仮想空間から現実世界に戻る時にねっとりした膜を突き破って出てくる不気味なシーンだ。

■ 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)|エルの念力はフォース!? シーズン3にはR2-D2が!

シーズン2でエルが念力で敵の首を絞めるシーンはダース・ベイダーが相手の首を締め上げる場面を思わせる。またエルがトレーラーを持ち上げるのは、ヨーダが沼に沈んだXウィングをフォースで持ち上げるシーンに通じる。シーズン3ではR2-D2オモチャも登場。

 

■ 『ゴーストバスターズ』(84)|コスプレも披露! 怪物退治に気分はバスター

シーズン2で、ハロウィンマイクたちが仮装しているのがゴーストバスターズウィルを救う彼らにぴったりだ。ちなみに、マイク役のフィン・ヴォルフハルトは、2020年夏に全米公開予定の『ゴーストバスターズ』最新作への出演も決定している。

■ 『ターミネーター』(84)|シュワもびっくり! シーズン3にT-800降臨!?

シーズン1では町の映画館に本作の文字が。極めつけはシーズン3。ホッパーを追跡する謎の男がアーノルド・シュワルツェネッガー演じたT-800風なのだ。シーズン1で怪物と戦うため、ルーカスらが武器を装着する場面はシュワ主演の『コマンドー』(85)から引用。

 

■ 映画以外にも80's愛が爆発!

ウィルジョナサンにプレゼントされるミックス・テープはクラッシュザ・スミスなど80年代の名曲が満載。マイクたちが夢中になっているボードゲームダンジョンズ&ドラゴンズ」やトランシーバーアマチュア無線など懐かしのアイテムが続々登場する。(Movie Walker・文/前田かおり【DVD&動画配信でーた】)

シーズン3の主な舞台となるショッピング・モールにも数々の作品のオマージュが!