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 以前、ダイバーに近づき絡みついた釣り糸を解いてもらったマンタのお話をお伝えしたが、やはり彼らにはある種の知性があり人間に親しみを持っているのかもしれない。

 最近オーストラリアでも同様の出来事が起きた。目の下に魚の釣り針が刺さってしまったマンタは、地元のダイバーのまわりを泳ぎ回り、明らかに助けを求める様子で何度も体をひっくり返して見せたという。

 その動きで、マンタの体をよく見ることができたダイバーは、深く埋まった釣り針を発見し、釣り針を抜くことで苦痛の除去に成功したのだ。

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Marine Animal - Manta encounter off Ningaloo, rescued by Snorkelers

地元のダイバーに近づいてきたマンタ

 これは今年6月、西オーストラリア州パースの北約1200kmに位置する珊瑚礁ニンガルーリーフで起きたマンタ(オニイトマキエイ)の救助の様子だ。

 この日、地元のダイバーで海洋生物のガイドをしているジェイクさんが数名のお客を連れてシュノーケリングをしていると1匹のマンタがそばに寄ってきた。

 それは地元で親しまれているマンタだったが、ジェイクさんに近づいてきてそのそばを行き来しながら離れようとしなかったという。

深く刺さった釣り針を発見!急いで外すことに

 そのマンタは何かを必死に訴えているようで、ジェイクさんに向かって何度も体をひるがえし、全身を見せているようだった。

 はからずも腹側を眺めることになった彼は、マンタの目のあたりの異物に気が付いた。なんと、右目のすぐ下に釣り針が刺さって埋まっていたのだ。

スクリーンショット-(1688)

 そうか、これを取って欲しかったんだ!驚いたジェイクさんはすぐにその針をとってやろうと奮闘を始めた。

 その作業は決してすんなりとはいかなかったが、何度目かの挑戦でようやく針が外れたという。

ジェイクさんに助けを求めていたマンタ

 お客の一人だった写真家のモンティ・ホールズさんはフェイスブックでこうコメントしている。

 「早いうちにあのマンタに出会えて本当によかった!一緒にすごせてうれしかったよ。あのマンタはガイドをしていたジェイクにそこを何回も見せてたんだ」

 「絶対に思い込みなんかじゃない。何度も何度も戻ってきてはひっくり返り、水中にとどまっては助けを求めてた」

モンティ・ホールズさんが投稿した動画

マンタはこの人なら助けてくれるとわかっていた?

 幸いにもペンチを入手できたジェイクさんは、マンタが行きつ戻りつしながら目を見せるたびに針を外そうとした。

 取り損ねた時もマンタはちゃんと戻ってきてジェイクさんにやり直しをうながしていたという。

 「マンタは見るからに痛そうでしたが、ジェイクも頑張ってた。やっとのことで針が取れた時は海底にすっと沈みこんで落ち着きを取り戻したようだった」

 その後のマンタはすぐには帰らず、彼らと共に少しの間一緒に過ごしていたという。

 「この30分間は途方もなく素晴らしかった。その短いひとときで、これらの動物が知性、信頼、そして敬意を持って、救おうとする人々と強い絆を築くことが明らかになったんだ」

スクリーンショット-(1696)

 また、ホールズさんは、このマンタが以前会ったことがあるジェイクさんをちゃんと認識していたと語っている。

 マンタの苦しみの元である釣り針は人間によってもたらされたものだ。それでも人間を頼ってくれるということはうれしいことである。

 マンタはニンガルーリーフに生息する無数の生き物のうちの一種だ。世界遺産に登録されているこの場所は、近海サンゴ礁の中でも世界最長を誇る。

 胸ビレの幅が6m以上にもなるマンタはエイとは違い、人間に害を及ぼすことはできない。それどころか付近のダイバーにあいさつをすることさえあるという。

References:7news / youtube / facebookなど /written by D/ edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52277357.html
 

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