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昨日7月23日に東京・新木場STUDIO COASTで行われたナターシャ主催のライブイベント「ライブナタリー201907」に、ザ・クロマニヨンズSUPER BEAVERが出演した。

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「ライブナタリー」シリーズの初回となったこの日は、ザ・クロマニヨンズとSUPER BEAVERの初対バンが実現。会場に詰めかけた満員のオーディエンスは、世代の異なる2組の熱気あふれるツーマンライブを楽しんだ。

先攻のSUPER BEAVERは渋谷龍太(Vo)が「15年目のインディーズバンド、SUPER BEAVER」と恒例の挨拶をしたあと、「15年という言葉の重みがこんなにない対バンはひさびさでございます。ただ負い目引け目は一切ございません。本日俺たち前座じゃないです。対バンです。よろしくお願いします」と息巻いてから幕を開けた。彼らはオープニングナンバー「証明」を堂々とパフォーマンスして勢いをつけると、「閃光」「青い春」をエネルギッシュに届ける。序盤から気迫に満ちた熱演を繰り広げて一気に場内をヒートアップさせた。ここで渋谷は自身のバンドについて“踊れないロックバンド”だと形容したのち、「本日に限り、あなたと一緒にここをダンスホールに変えたいと思いますがよろしいでしょうか?」と観客に問いかける。そして演奏されたのはSUPER BEAVERのメンバーがロックンロールナンバーを聴いて作った楽曲だという「irony」。渋谷が自由に体を動かす様子や柳沢亮太(G)がロカビリー調のメロディを奏でながら器用に踊る様子に触発され、観客も笑顔で体を揺らしていた。

この日は人気曲やライブ定番曲を中心に届けていった彼ら。上杉研太(B)と藤原“31才”広明(Dr)がノリのいいビートを刻んだあとには、カンテレ / フジテレビ系ドラマ「僕らは奇跡でできている」の主題歌「予感」を爽やかに奏でた。MCでは渋谷がザ ・クロマニヨンズについて、「俺の人生で、ダントツのヒーローのフロントマン率いるザ ・クロマニヨンズと対バンできて本当によかったです。背中を見せてもらっちゃったからね。ただ、追いかけ続けるだけじゃつまらないので、自分たちも少しは背中を見せられるような存在になっていきたいと思います」と語った。4人は深々とフロアに向かってお辞儀したあと、「ありがとう」をラストナンバーとしてセレクト。丁寧に音を重ねて、会場を温かなムードで満たしてアクトを締めくくった。

約1時間のライブの中でほぼMCを挟むことなく、力強く17曲を届けたザ ・クロマニヨンズは、最新アルバム「レインボーサンダー」の収録曲を披露しつつ、シングル表題曲や人気曲も多く届けてファンを喜ばせた。ライブはステージの幕が下りて4人が定位置についたあと、甲本ヒロト(Vo)の「OK、ロックンロール」という叫びを合図にスタート。ザ ・クロマニヨンズは曲中に甲本が「クロマニヨン」と何度も叫ぶ人気曲「クロマニヨン・ストンプ」を自己紹介のように激しく演奏する。甲本はさっそく着ていたTシャツを脱ぎ去り、アグレッシブなパフォーマンスで観客のテンションを一気に引き上げた。

その後も彼らは日本テレビ系ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」の主題歌「生きる」、2009年発売のシングル表題曲「グリセリン・クイーン」など人気曲を惜しみなく並べ、ストレートなロックサウンドで会場を沸かせ続ける。アルバム「ラッキー&ヘブン」の収録曲「どん底」では、真島昌利(G)が巧妙なギターソロを披露して会場を盛り上げた。甲本は「SUPER BEAVERありがとう。あいつらすごい。8曲でみんなを満足させた。我々もう10曲やったのに、足りないような気がする」とSUPER BEAVERを称える。続けてザ ・クロマニヨンズのライブでおなじみとなっているファンとの掛け合いで場内を温め、その熱量を保ったまま、桐田勝治(Dr)の猛烈なドラムロールから始まる「ペテン師ロック」でライブを再開。「エルビス(仮)」では真島と小林勝(B)がフロアに身を乗り出して笑顔でギターやベースをかき鳴らし、オーディエンスを熱狂させた。

ザ ・クロマニヨンズのグッズであるタオルを掲げながらステージに再登場した彼らは、アンコール定番曲「タリホー」、ショートチューン「ナンバーワン野郎」で再び場内の温度を上昇させる。そして甲本が「またやりたいよ。またやらせてください。ロックンロール!」と笑顔を見せてライブの幕を下ろした。

ザ・クロマニヨンズ (撮影:柴田恵理)