車線の内側、クルマのちょうど両脇にあたる箇所に、細かな白い点線が引かれていることがあります。センターラインなどと違い、道路交通法上の意味はない点線だそうですが、どのような目的で引かれているのでしょうか。

道交法上は意味を持たないが…

車線を区切るセンターラインや車線境界線とは別に、細かい白色の点線が、車線の内側両脇に引かれていることがありますが、あれは何でしょうか。

首都高速道路によると、車線内側の白い点線は道路交通法上の意味を持たない、いわゆる「法定外表示」のひとつだといいます。どのような目的で引かれているのか、同社に聞きました。

――車線内側の白い点線は、何なのでしょうか?

カーブの手前などにおいて、ドライバーに減速を促す目的で施工しています。スピードを落とさずカーブ区間に入れば、となりの車線を走るクルマと接触事故を起こす可能性が高まります。そこで、車線境界線の両脇に点線を引き、車線をあえて狭く見せることで、スピードの抑制を期待できるという視覚効果を狙ったものです。

――どれほどの効果があるのでしょうか?

当社では古くなった舗装の打ち替えとともに施工するケースが多く、これのみで安全対策の効果は測りづらいのですが、2017年に点線のみを施工した場所では、年間20件起きていた接触事故が1件まで減りました。

減速を促すだけでない、その効果

――ドライバーに減速を促す安全対策は、ほかにもあるのでしょうか?

「速度おとせ」の文字や図で注意を喚起する看板を設置する、カーブ手前の舗装を赤くする、あるいは赤い舗装と白い点線を組み合わせる、といった例があります。

※ ※ ※

この車線の内側両脇に引かれた白の点線は、首都高では「減速レーンマーク」と呼称、一般的には「減速マーク」などと呼ばれるものです。路面標示施工者の業界団体である全標協(全国道路標識・標示業協会、東京都千代田区)によると、減速マークは全国的に使用されており、速度抑制の効果が認められているといいます。

また、減速マークにはいくつかの種類があり、そのうち車線の中央部に「へ」の字を連続して書くようなものを全標協は「アロー型」と説明しています。こちらも減速を促すほか、車線の中央部で走行しようとさせる心理的効果があり、道路の線形も明確になるとしています。

ただ、減速マークのような法定外表示は、同じ種類のものでも仕様が地域で異なることから、警察庁が適用の目安について全国の都道府県警察に通達を出したり、全標協で様式の統一化を図ったりしています。たとえば、停止線の手前に書かれた「止まれ」の文字も法定外表示ですが、地域により文字の形が微妙に異なります。

【写真】注意喚起効果バツグン? 道路表示「あっ!」+減速マーク

黄色の矢印の先に、車線の内側両脇に引かれた点線の例(2019年6月、乗りものニュース編集部撮影)。