子どもの頃に夢中になった漫画やアニメの内容を大人になっても鮮明に覚えているという人は多いのではないだろうか。中国でも日本の漫画やアニメは人気だが、中国メディアの一点資迅はこのほど、「日本の漫画は世界中の子どもを救っている」と論じる記事を掲載した。

 記事は、子ども達が夢中になる漫画やアニメの主人公は少年や少女ばかりであり、読者や視聴者の世代とほぼ同世代に設定されていると指摘し、これは「子どもが容易に共感できるようにし、子どもが漫画の世界に入り込めるようにするため」であると指摘。特に日本の漫画やアニメはこの特徴が顕著であると論じた。

 日本の漫画やアニメを見て育った中国の若者は少なくないが、日本の漫画は主人公の設定だけでなくストーリー構成が深く、「漫画は子どもが楽しむもの」という概念を大きく覆してきたとも言える。ゆえに、中国の子ども達は自分が求める「共感や表現欲、将来を模索したり、人間関係を築く術」など、重要な価値観を日本の漫画から学んでいると主張した。

 そして、健全な漫画は思春期の悩みに立ち向かえるように助け、「親友を決して見放さない、有言実行、信念を貫く」などの教訓を漫画やアニメから得ているとしたほか、主人公が自分に代わって漫画の世界で繰り広げる「冒険や恋は見て楽しいだけではなく、読者自身が自分の青春をどのように過ごすかを考えさせる」ものとなってきたと分析した。

 中国での日本アニメの人気は非常に高く、近年は漫画のモデルとなった場所を訪れるために訪日する中国人観光客も少なくない。また日本と比べると、詰め込み型の教育が行われている中国ではテストの成績だけが評価の基準となっているため、学生たちは大きなストレスを抱えていると言われる。こうして見ると「日本の漫画は中国人の子ども達を救っている」という主張も過言ではないと言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

青少年は日本の漫画やアニメから「重要な価値観」を学ぶことができる=中国メディア