どの地域にも1つや2つは存在する心霊スポット

 実際にオバケが出るのかどうかは別として、こうした場所に友人たちと肝試しに行ったことがある人も多いのではないだろうか。

◆お盆休みに友人と“最恐スポット”と名高い廃病院を探索

「若いころ、心霊スポットや廃墟にハマっていた時期があり、マニア向けのサイトなどで情報を集めては毎週のように友達と出かけていました。地元のスポットはほぼ制覇してしまい、旅行を兼ねて地方にもよく遠征していました」

 そう語るのは、運送会社社員の西川成樹さん(仮名・32歳)。いわゆる霊感などと呼ばれるものはなかったそうだが、一度だけ“強烈な体験”をしたことがあるとか。

「就職して初めて迎えた20歳のお盆休みに中学時代の友人2人と山奥の廃病院に行ったときの話です。そこは誰も住んでいない閉山になった炭鉱街にあって、ネット上でも最恐スポットのひとつに挙げられている場所でした。ほかにも廃墟がいくつも残っていることを知り、その旅で一番楽しみにしていました」

 ただし、訪れたのは夜中ではなく昼間。同行した友人が廃墟を撮影するのが好きで、写真を撮りやすい日中を希望したからだ。

 廃病院には宿泊先のホテルから車で1時間ほどで到着。最盛期には1万2000人が暮らしていたとは思えないほどの静寂に包まれ、民家もまったくなかったそうだ。

「車では中まで入れなかったので手前に停めて、歩いていきました。しばらくすると巨大な煙突をはじめ、映画館スーパーだったとされる建物、炭鉱関連の施設などが見えてきました。ここまでいろんな建造物が集まっているある廃墟は珍しく、その迫力に友人も私も興奮していました」

廃病院から戻ると、自分や友人たちに次々と災いが

 そのまま奥に進むとお目当ての廃病院に到着。正面入口から中に入ると、ロビーの壁は落書きなどで埋め尽くされていたという。

落書きはどの廃墟でも見かけるので気にはなりませんでしたが、中に入ってすぐの受付らしきカウンターに千羽鶴があったんです。しかも、比較的新しいものだったので誰かが持ってきたのだと思いますが、それが意味深に思えて気味が悪かったです」

 2階建てながら建物はかなり大きく、水没していた地下を除いて廃墟内をくまなく探索。心ゆくまで堪能できて満足できたが地元に戻ると、西川さんは体調を崩して寝込んでしまう。

廃病院から地元まで車で8時間くらいかけて戻ったんですけど、途中で頭痛と寒気がして着くころにはフラフラでした。結局、お盆休みの後半はずっと寝てすごすハメになったのですが、そのときは夏風邪をひいたと思ってたんです」

 休み明けには熱も下がり、いつも通りに仕事をしていたそうだが体調は悪いまま。特に右肩が異様に重く感じていたそうだ。

「地元に戻ってから連絡を取っていなかった友達にメールでそのことを伝えると、そいつも自分と同じように寝込んでいたと返信してきたんです。しかも、一緒に行ったもう1人の友人は、戻ってから2日後のフットサル中に骨折。冗談半分で『祟りじゃないか?』とは言いましたが、私も友人もそのときはただの偶然にしか捉えていませんでした」

◆お祓いを受けて事なきを得るも住職は何も教えてくれず

 しかし、その後も西川さんの肩の重さは消えず、それどころか今度は運転中に追突事故に遭ってしまう。友人たちも婚約目前の彼女に突然フラれたり、財布など身の回りのものを失くすなど不自然なくらい災いが次々と襲いかかる。

「さすがにヤバいんじゃないかと思い始めていた矢先、骨折したほうの友人から『お祓いに行かないか?』と誘われ、そいつの実家が檀家に入っているお寺でお祓いをしてもらったんです」

 その友人によると、実家に戻った際に祖母から物凄い剣幕で「すぐにお祓いに行きなさい!」と怒られたとのこと。それで廃病院に行ってきたことを話すと「友達も一緒に受けたほうがいい」と言われ、慌てて連絡してきたそうだ。

「お寺の住職の方は詳しいことを教えてくれませんでしたが、お祓いしてもらった後に『連れてきちゃったみたいだね。でも、もう大丈夫だから』と言われました。正直、半信半疑でしたけど、確かに右肩の重さも感じなくなり、体調もウソみたいに良くなりました」

 それから自分や友人たちの身に何かが襲いかかるようなことはなかったが、心霊スポットや廃墟に行くのはやめてしまった。

たまたまだと思いたいですけど、それだけじゃ理解しきれないことが起きていたのも事実です。オバケを見たわけじゃないし、実際のところはわかりませんがこんな目に遭ってまで行きたくないですからね」

 ちなみに廃病院がある一帯は現在立入禁止。祟りについては正直わからないが、場所によっては不法侵入で最悪捕まる可能性もある。そのため、肝試し心霊スポットや廃墟を訪れる際はその辺をちゃんと確認しておくようにしよう。<TEXT/トシタカマサ>
― シリーズ・夏の悲惨な思い出 ―

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

一帯にはこうした廃墟がいくつもあるとか※西川さん提供