客の横暴がますますエスカレートしている。産業別労働組合の「UAゼンセン」が、タクシーやホテル、病院などで働く従業員ら約3万人にアンケートを取ったところ、約7割が客や患者からの「悪質クレーム」に悩んでいると回答したそう。
そんな中、北海道でモンスタークレーマーによる事件が起きた。
■クレーマーの驚くべき要求
北海道警は、路線バスに乗っていたアルバイト従業員の男(52)が、運転手が起こさなかったことに腹を立て、謝罪を求めて土下座させたとして強要の疑いで25日逮捕した。
警察によると、男は6月9日、路線バスが終点に到着した際に「なぜ起こさなかったんだ」と激高し、「降りる予定だったバス停まで送れ」と強要。
バスは男の自宅の最寄りのバス停を目指して来た道を戻った。その後、バスを止めさせ運転手に土下座させて「ちゃんと謝れ」と強要。運転者はここで「警察を呼びます」と男に伝えたところ、バスを降りて逃げていったという。
調べに対して男は「相手の小ばかにした言動に頭にきた。謝罪はさせたが、土下座させたのは知らない」などと容疑を一部否認している。
■他の業種でも…
本件以外にも、UAゼンセンが取ったアンケートには「出汁がぬるく、交換を提案したところ、『水を入れて飲め、豚』とののしられた」「客が完食後に『まずかったからタダにしろ』と言われ、断ったら怒鳴られた」など従業員の悲鳴がつづられていた。
また、調査によると、悪質クレームを受けたことがあると回答したのは約3万人中、約2万2400人。最も多かった行為(複数回答)は「暴言」が約1万4千件。
「威嚇や脅迫」(約1万2千件)、「何回も同じ内容を繰り返す」(約8,500件)が続き、「土下座の強要」も約1,200件あった。様々な業種で悪質クレーマーに悩まされている実態が浮かびあがっている。
■理不尽なクレームに怒りの声
ネット上では、「警察へすぐに連絡したほうがいい」という意見もあがっている。
「こういうのを野放しにしてはいけないと思うんだけど」
「お客様は神様ではありません」
「バスはタクシーと違うんですけどねー」
「客と従業員は対等の立場である。おかしな奴はすぐに警察に突き出してやればいい」
これだけの実態が明らかになっている以上、悪質クレーマーに対する法規制も必要になってくるだろう。
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