■ 出演決定時、うれしさと同時に緊張や責任もかなり感じました

【写真を見る】田中圭&吉田鋼太郎とのシーンは「想像もつかないほどめちゃくちゃおかしなシーンに」

8月23日(金)に公開される「劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜」に、山田正義(ジャスティス)役で出演する志尊淳。ドラマが放送されていた当時、彼はこんな気持ちで作品を見ていたという。

「初めてドラマを見たときから、すごく純粋で、無垢なラブストーリーだなと思っておりました。その上で、登場人物の会話のテンポや撮り方がすごく新鮮で。また、役者としては、どこまでが台本で、どこからがアドリブなんだろうって思うくらいで、演じるのがすごく楽しそうというか。

この世界に入ってみたいなという願望は、正直そのときから持っていました。ただ、いざ劇場版への出演が決まったときは、うれしさと同時に緊張や責任もかなり感じました」

今回、彼が演じるジャスティスは、春田(田中圭)が所属する天空不動産東京第二営業所に配属された陽気な新入社員。本社に異動した牧(林遣都)が不在の中、直属の上司である春田と行動を共にするが、予告編には2人が見詰め合う場面も収められており、その関係性が注目されるところだ。

本作で描かれる"五角関係”の一角を担う立場として、どんな役作りをして撮影に臨んだのだろうか。

「基本的にテンションは高めなんですけど、それが彼の本質的な高さなのか、何かバックグラウンドがあって意識的に高くしているのかというところは考えました。

その差異を、したたかにならないように表現することに関して、瑠東(東一郎)監督ともかなり細かく相談させていただいて。表面的に捉えただけでは、この作品は成立しないことを皆さんの演技から強く感じたので、そこは徹底的にこだわりを持って演じました。

でも、それ以上に大事にしていたのが、春田さんとジャスティスの関係性であり、圭さんと僕の関係性です。圭さんって、ものすごく引き出してくださるんですよ。

例えば、春田さんとジャスティスがじゃれ合うようなシーンも、僕ら2人の関係性から自然と生まれることもあったりして。なので、役の上ではもちろん、カメラが回っていないところでの圭さんとの関係性というのも気にしていました」

■ 一つの方向に向かうときのエネルギーが本当にすごい現場

そんな田中とは、忘れられないエピソードがあるという。

「撮影初日のことなんですけど、ドラマからのキャストの皆さんは、それぞれキャラクターが出来上がっているのに対し、僕はやっぱり、どこか探り探り演じている部分があって…。多分、それが顔に出てしまっていたと思うんですけど、それを見た圭さんが、その日の撮影終わりにご飯に誘ってくださったんです。

それが僕の中ですごく救いになったというか。そのとき、圭さんは『何も気にすることなく、好きなことをやれ』って、僕の背中を押してくださったんです。それをきっかけに、自分でも分かるくらい変わったと思います」

ドラマのときから「あの世界に入ってみたい」と憧れていた本作の現場。実際に経験してみて、どんなことを感じたのだろうか。

「とにかくとてもメリハリがある現場でした。基本の熱量は変わらないんですけど、明るいシーンと、そうでないシーンの差であったり、一つの方向に向かうときのエネルギーが本当にすごいなと感じました。で、そのかじを切っているのは、やっぱり圭さんなんです」

田中や林、黒澤部長役の吉田鋼太郎といったレギュラー陣はそのままに、新たに加わった志尊、そして沢村一樹(狸穴迅役)を含め、ドラマ以上に個性豊かな登場人物がそろう本作。連日のように壮絶な"芝居合戦”が繰り広げられる中でも、特に手応えを感じたシーンがクランクアップ直前にあったという。

「それまではほとんど圭さんと2人のシーンだったんです。もちろん他のキャストの方と同じシーンになることはありましたが、直接絡むことはなくて。それが、その日は圭さんと鋼太郎さんと3人のシーンということで、鋼太郎さんとの対峙はどんな感じになるんだろう…と思っていたんです。

それが、いざテストが始まると、ずっと関わってきたような距離感でお芝居をしてくださって。撮影中は、鋼太郎さんが仕掛けてくるものに対して、とにかく僕は本気で反応している感じだったんですけど、それが、台本からは想像もつかないほどめちゃくちゃおかしなシーンになったというか。

それまで、本番中は絶対に笑わなかった圭さんも、そのシーンでは思わず噴き出しちゃったくらい(笑)。そういうお芝居ができたのも、本当、鋼太郎さんが引き出してくださったからだと思います。

でも、撮影を終えた後に圭さんが、『鋼太郎さんも志尊のことを認めてないとああいうことはしないから』って言ってくださって…。すごくうれしかったですし、僕の中で、一番面白いシーンになっていると思います!」

田中圭のここがすごかった!

「圭さんはとにかく引っ張ってくれるし、引き出してくださる方。撮影中もすごく助けていただいたほか、昨日も『あしたの取材よろしくな!』ってわざわざ連絡をくださって。本当にすてきな方です」

吉田鋼太郎のここがすごかった!

「すごいという言葉では足りないほど、深み、存在感、経験値…全てに圧倒されました。お芝居以外のところでもダンディーですし、色っぽいですし。役者としても、大人としても憧れる存在です」

林遣都のここがすごかった!

「劇場版から参加した僕を、連続ドラマでの自分の境遇と似ていると言って、すごく気に掛けてくださいました。一緒になるシーンは少なかったですが、人としてすごく好きな方です」(ザテレビジョン・取材・文=片貝久美子)

8月23日(金)公開の映画「劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜」で山田正義(ジャスティス)役で出演する志尊淳