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もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★★★★
内装 ★★★★★★★★☆☆
走り ★★★★★★★★★☆
使い勝手 ★★★★★★★★★☆
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
スペック
結論 ★★★★★★★★☆☆

はじめに

奇しくも時を同じくして、オフローダーの象徴2台がモデルチェンジを果たした。1年の間に、偶然とはいえそれが重なるのはそうないことだ。オートカーのロードテストでは、4月に4代目となるジープラングラーを取り上げた。他の追随を許さないオリジナル・ジープの系譜に連なるモデルだ。しかも年内には、ランドローバーが投入する新型ディフェンダーも試乗できる見込みである。となれば大きな疑問は、今回の新型ゲレンデヴァーゲンを含め、ユーザーやエンスージアスト、そして批評家がどの高級クロカンに最高の評価を与えるのかということだ。

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そう、ゲレンデヴァーゲンである。Gワーゲンという呼び方もする。それを含めて考えれば、メルセデスのいかなる乗用モデルよりも長寿なモデルということになる。メルセデスとシュタイア・ダイムラー・プフが、オリジナルバージョンをリリースしてから40年だ。ホイールベースやボディ形状にはバリエーションが用意されたが、エンジンは156psユニットのみ。登場した1979年時点で、ランドローバーのシリーズⅠやウィリス・オーバーランドのCJジープより数十年遅れていたが、徐々に高級なライフスタイルのアイテムといった趣を強め、ジープラングラーなどと比べればオフロードアイコンという色合いは薄らいで行った。

ドイツ本国では昨年デビューした新型Gクラスだが、当初はV8ガソリンターボのみの設定。ディーゼルの追加は今年1月、286psの6気筒を積むG350dを待つこととなった。その右ハンドル仕様が英国へ上陸するのを待ったため、このタイミングでのテストとなったのだ。メルセデスいうところの歴代もっとも燃費がいいゲレンデヴァーゲンの実力は、いかなるものなのだろうか。

意匠と技術 ★★★★★★★★★★

40年もの歴史を重ねてきたGクラスだが、これまで明確に世代を区切れるような改良や刷新を経験してきたことはなかったといってもいい。しかし今回は、明らかな刷新が図られた。上部構造をはじめ、アクスルやボディパネル、エンジンやインテリアまで新設計だ。しかし、ほぼ手作業で組み上げられ、1台が完成するまでにのべ100時間を要する点は今までどおりである。

オフロードの伝統に則り、ラダーフレームにボディを載せる構造を踏襲している新型Gクラス。そのボディはアルミとスティールの混成となり、先代の最終モデルより53mm長く、121mm広いが、フレームとボディの重量は170kg軽くなったうえに、ねじり剛性はおよそ55%高められている。メルセデスAMGが開発やチューニングに参加したサスペンションは、Gクラス史上初の独立懸架をフロントに導入。そのフロントサスペンションは、ラダーフレームに直接マウントされるダブルウィッシュボーンで、タワーバーが装着される。リアは新設計のリジッドアクスルで、左右各4つのトレーリングリンクに、パナールロッドを加えて支持する。

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車高調整は備えず、コイルスプリングと調整式パッシブダンパーを装備するが、先代比でオンロードでの乗り心地やハンドリングの改善ぶりは顕著なものがあるとされる。もちろん、それがオフロード性能を犠牲にしたものではない。最低地上高は6mm増し、渡河深度は10mmのプラス。アプローチとデパーチャーのアングルも、わずかながら向上している。

エンジンは、これまでV8ツインターボのガソリンユニットのみで、G500の422ps版と、AMG G63の585psが設定されていた。これに追加されたのが、G350dの2.9ℓ直6ツインターボディーゼル。そのOM656ユニットは、286psと61.2kg-mを発生。最大トルクは、ほぼG500と変わらないが、RDE排ガス規制に適合する。トランスミッションは専用調整された9GトロニックATで、エコモードでスロットルペダルを抜くと、パワートレインとホイールの接続をカットし、コースティング走行することが可能になる。WLTPモードの混合燃費は9.2km/ℓとまずまず。われわれがテスト中に記録した燃費については、追い追い紹介しよう。

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エクステリアは、フォルムもディテールも歴代モデルの特徴を色濃く残しつつ、完璧なアップデートを果たしたといえる。剥き出しのドアヒンジや大ぶりなドアハンドル、昆虫の目のようなウインカーや外付けスペアタイヤなどは継承された。いっぽうで、パネルのフィッティングはタイトになり、バンパーやホイールアーチはボディとの一体感を増し、過去のGワーゲンには望み得なかった製造クオリティを感じさせるものとなっている。

内装 ★★★★★★★★☆☆

よほど背が高くなければ、Gクラスに乗るのは、よじ登ると表現するのがふさわしいだろう。しかし、ありがたいことにサイドステップが標準装備されている。地上高が高いので、そのぶん頭上が狭いのではないかと予想するかもしれないが、乗り込んでみるとそんなことはない。室内の居住スペースは、前席の肘周りが約70mm、後席のレッグルームが約150mm、それぞれ拡大されている。過去のモデルにはなかった、高級SUVにふさわしい広さを得た。

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英国仕様のGクラスには、インフォテイメントシステムのコマンド・オンラインと、ワイド画面のデジタル計器盤が標準装備される。ステアリングホイールにはさまざまなスイッチが据え付けられ、数十年にわたって慣れ親しんだGクラスのシンプルさは影を潜めた。メーターディスプレイは鮮明で表示の調整ができ、インフォテイメントシステムの使い勝手は実にすばらしいが、これは入力や操作の方法の選択が的確だからだ。

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目新しく豪華なデジタルテクノロジーを別にしても、インテリアで目を引く箇所は多い。マットクローム仕上げの送風口や、ダッシュボード上に据えられるフロントのウインカーに似せた形状のスピーカーグリル、センタークラスター中央に配置された3つのデフロックの操作スイッチなどだ。そのスイッチの目立ちぶりは、使用頻度を考えると重要さを誇張しているように思えるが、たしかにその機能は、Gクラスのキャラクターとは切っても切り離せないものでもある。

質感は、メルセデスマテリアルのリッチな手触りやフィッティングには明白な要素だが、このクルマのそれはほんのわずかだが、最新の10万ポンド(約1500万円)級のクルマに期待するより低い。ただし、多くのひとびとは気づかない程度の小さな差だ。対して、実用性の支障になるのが、横ヒンジのバックドアだ。サイズの大きいスペアタイヤを取り付けるには必要だが、狭い駐車スペースで開くには大きすぎる。誰もが、常にこのサイズのクルマを探しているというわけではない。

走り ★★★★★★★★★☆

2.5トンもあるクルマだが、1200rpmでピークトルクを発生するエンジンは、優れたパフォーマンスとドライバビリティをもたらす。Gクラスが速くないかといえば、それは議論の余地がある。

0-97km/h加速タイムは、2017年にテストしたランドローバーディスカバリーTD6を1秒以上凌ぎ、高速道路でも市街地の速度域でも、追い越しにも回転を上げてパワーを引き出す必要がない。9段のギアボックスは明らかに強力な牽引力を引き出し、最初に適切なギアをうまく選ぶと、状況に合わせて適宜シフトチェンジを続ける。シフトパドルでの手動変速もできるが、その必要性は滅多に感じない。ギアボックスとエンジンのマッチングが、効率面でもレスポンス面でも優れている証拠だ。そして、このクルマの目的の性質にも、それは合っている。

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ヘヴィデューティな牽引や極低速での過酷な悪路走行をするなら、G350dはその備えがバッチリされている。スロットルペダル踏みはじめのプログレッシブなレスポンスは、望むままの穏やかでスムースな動き出しを容易にする。もちろんそれは、トランスミッションがハイレンジでも可能だ。低速で勢いを維持しコントロールするのはきわめてイージー。それを抑えるのも、良好なブレーキペダルのフィールゆえにこれまたイージーだ。

機械的な洗練度はこの上なく、これまでのディーゼルエンジンを積んだGワーゲンでは望めなかったほど。それは燃費にもいえることで、テストでの平均値は8.8km/ℓとメーカー公表のWLTP値よりやや低いが、ツーリング燃費では長距離を走れば11 km/ℓも超えることができることがわかった。ドライの舗装路におけるブレーキングでは、車重の影響とダイブの傾向を示すが、それでも制動性能は十分以上だった。

オフロード

新世代のGクラスはついに、フロントサスペンションが独立懸架となった。しかし、AMGマウント位置を高く設計したので、ホイールの可動域はこれまでどおりか、むしろ改善されている。アプローチ/デパーチャー/ブレークオーバーの各アングルはいずれも数度ながら増しており、100mm深くなった700mmの渡河深度はクラストップクラスだ。

短いオフロード試乗では、前進を脅かされることがなかった。深い泥道でも、3つのデフロックをひとつも使う必要がないほど十分なトラクションがあり、轍や軽い岩場では、ステアリングのアキュラシーは失われず、破綻することはない。

唯一の疑問は、1500万円級の価格となると、オフロード走行でサイドシルを擦らないかと慎重になってしまうのではないかということだ。ジープラングラーのようなロックレールは用意されていないし、後付けしようと思ったらコストがかさみそうだ。

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最大渡河深度:700mm
最低地上高:241mm

発進加速

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テストトラック条件:乾燥路面/気温16℃
0-402m発進加速:15.8秒(到達速度:142.1km/h)
0-1000m発進加速:29.2秒(到達速度:175.3km/h)

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ランドローバーディスカバリーTD6 HSEラグジュアリー(2017年)
テストトラック条件:乾燥路面/気温10℃
0-402m発進加速:16.8秒(到達速度:133.9km/h)
0-1000m発進加速:31.0秒(到達速度:167.0km/h)

制動距離

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テスト条件:乾燥路面/気温16℃
97-0km/h制動時間:3.40秒

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ランドローバーディスカバリーTD6 HSEラグジュアリー(2017年)
テスト条件:乾燥路面/気温10℃

使い勝手 ★★★★★★★★★☆

インフォテインメント

英国仕様は廉価グレードを設定せず、装備内容は豪華なものになっており、インフォテイメントと計器盤の2面に12.3インチディスプレイを標準装備している。

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マルチメディアシステムのコマンド・オンラインはこれまでになく働きがよく、中央のタッチ式ディスプレイや触覚スクローラー、ステアリングホイールのタッチパッドなどを用いた操作系によりアクセスもしやすい。ほとんどのテスターはステアリングホイールのパッドでのシンプルなプロセスで操作できたが、音声認識の出来もいい。

スマートフォン連携機構は、AppleとAndroidの双方に対応するものを標準装備。オプションのプレミアムパッケージでは、ブルメスターの16スピーカーサラウンドオーディオが含まれる。出力は590Wで、ミュージックビデオに出てくるクルマのようなクオリティを求めるヒップホップ好きも満足させるはずだ。

駐車

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燈火類

LEDヘッドライトが標準装備で、テスト車に装備されていたLEDアダプティブライトはオプションのプレミアムパッケージに含まれる。今回はテストする機会がなかった。

ステアリングとペダル

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足元は広く、いかつい登山靴でも楽に運転できる。ペダル配置はエルゴノミクス的に適切で、ステアリングコラムの調整幅は豊富だ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

Gクラスはこれまで、ある意味で時代錯誤のハンドリングに固執してきた。それにより、粗いクルマだと思わされたことだろう。舵の重さ、甘いスプリンググリップレベルの低さ、そして旧式のリサーキュレーティングボールゆえに欠如したセルフセンタリングやフィール、中立でのスタビリティにより、現代的なSUVのようなイージードライブは叶わないからだ。

新型は、まったく異なるものだ。新採用の電動ステアリングとサスペンションは、オンロードでいかなる大型四駆とも変わりない操縦性をもたらすハンドリングのアキュラシーや横グリップ、高速スタビリティを生む。必要とあればそれなりに速く容易に2地点を結べるが、いっぽうで高級車らしいキャラクターを最高に演出する、リラックスしつつも安全なモードも備え、前席からの見晴らしも楽しめるというわけだ。

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扱いやすい速さでほどほどの手応え、予測しやすさは、ステアリングをすばらしく付き合いやすいものにし、同じく高さ以上に幅が増したこのクルマを、狭い道でも安心できるほど精密だと感じさせる。

このG350dは徐々にロールするが、選んだコーナリングラインをきわめて忠実に守り、オン/オフ共にこなす二面性を備えたどんな大型SUVにも劣らぬハンドリングレスポンスとグリップを持ち、ジャンクションや駐車場でも十分に敏捷で取り回しに優れるが、回転半径はもっとタイトにできたはずだ。

絶対的にはハンドリングのダイナミズムを示さず、なににも増してゆったりとしたペースを好むことがはっきりわかるため、Gクラスのキャラクターはそのままだと感じられる。それでもこのクルマは、いかなる速度域でも運転が楽しめて、粗雑さや扱いにくさ、スタビリティの欠如とは無縁だ。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆

粗くて騒々しく、ムラのあるこれまでのGクラスのオンロードにおけるマナーに馴染んでいるならば、このクルマで経験したことが信じられないのではないだろうか。ディーゼルエンジンは振動もなく回りはじめ、アイドリングは高級サルーン並みに静かだ。

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負荷をかけるとわずかに音は高まるがスムースさは損なわれず、回転を上げても息切れせずに回る。113km/h巡航時の室内ノイズは65dB。これはディーゼルエンジンを積む1500万円級のいかなる高級車とも勝負になる騒音レベルだ。ボディ形状やドアミラーのサイズゆえに、高速道路で多少の風切り音を生じるのが避けがたく、それは実際に感じ取れるが、煩わしいほどではない。

いっぽうで乗り心地は、リジッドアクスルのクルマに予想されるよりクッションが効き、静粛で、洗練されたもの。だが、ほとんどすべての大型高級四駆が、十年以上も前にモノコックと四輪独立懸架への移行を図った事実を忘れてはならない。このGクラスとて、そのしなやかさやバンプを越える際の巧みさで、完全に期待に沿うものではない。しかし、問題はない。大きな入力があった際には、時としてリアアクスルの動きの神経質さがわずかながら感じられ、なにに乗っているかを思い出させるが、快適な乗り心地を乱すものではない。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

Gクラスは、メルセデスSUVヒエラルキーにおいて頂点に位置する。そのミッションは、ジープラングラーだけでなくレンジローバーのライバルにもなることだ。それが、たとえばランドローバー・ディフェンダーとは異なる点で、いきおい価格も驚くほど高くなることを意味する。

以前のGクラスなら、そのポジションを正当化するのは苦しかったが、新型は高級車としての走りを一変させ、見直されたインテリアは1500万円近い価格に信憑性を持たせるものとなった。実際のところ、もし外から眺めただけで新型Gクラスが高すぎると思ったなら、乗ってみれば再考する材料を見出すはずだ。

英国仕様にはフルデジタルの計器盤やレザーの使用範囲を拡大したインテリア、デザインの特徴でもあるLEDヘッドライト、3ゾーン式エアコン、発光色が変更できるアンビエントライト、アダプティクルーズコントロールや20インチアルミホイールが標準装備。もちろん、4WDはスタンダードだが、下回りのプロテクター追加は有償となる。

価値の推移

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G350dの残価予想は、ポルシェやレンジローバーのライバルを上回る。

スペック

レイアウト

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フロントに縦置きされる直6ディーゼルメルセデスのOM656系ユニットで、9速ATといずれも100%ロックできる3つのディファレンシャルを介して四輪を駆動。サスペンションはフロントが独立懸架のダブルウィッシュボーンで、リアはリジッドアクスルのマルチリンクを採用する。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:直列6気筒2925ccツインターボディーゼル
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ82.0×92.3mm
圧縮比:15.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:286ps/3400-4600rpm
最大トルク:61.2kg-m/1200-3200rpm
許容回転数:4600rpm
馬力荷重比:116.6ps/トン
トルク荷重比:25.0kg-m/トン
エンジン比出力:97ps/トン

シャシー/ボディ

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構造:アルミ/スティールボディ・オン・フレーム
車両重量:2451kg(公称値)
抗力係数:0.53
ホイール前/後:8.5Jx20
タイヤ前/後:275/50R20 113V
ピレリスコーピオンゼロ
スペアタイヤ:フルサイズ

変速機

形式:9速トルクコンバーターAT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
①5.36/8.4②3.25/13.8③2.26/20.0
④1.64/27.5⑤1.22/37.0⑥1.00/45.1
⑦0.87/51.8⑧0.72/62.6⑨0.61/74.0
最終減速比:3.27:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:8.8km/ℓ
ツーリング:11.1km/ℓ
動力性能計測時:6.7km/ℓ

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):7.4km/ℓ
中速(郊外):9.5km/ℓ
高速(高速道路):10.6-10.9km/ℓ
超高速:8.2-8.6km/ℓ
混合:8.9-9.2km/ℓ

燃料タンク容量:100ℓ
現実的な航続距離:882km
CO2排出量:252g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーンコイルスプリング、セレクティブダンパー
後:マルチリンク、リジッドアクスル、アダプティダンパー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.6回転
最小回転直径:13.6m

ブレーキ

前:354mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク

静粛性

アイドリング:43dB
最高回転時:75dB(4速)
48km/h走行時:55dB
80km/h走行時:62dB
113km/h走行時:65dB

安全装備

ABS/BAS/ESP/ASR/LKA/HSA/ブラインドスポットアシスト
Euro N CAP:5つ星(350d、左ハンドル、2019年)
乗員保護性能:成人90%/子供83%
歩行者保護性能:78%
安全補助装置性能:72%

発進加速

実測車速mph(km/h)
30(48) 2.6
40(64) 3.9
50(80) 5.5
60(97) 7.5
70(113 9.8
80(129 12.8
90(145 16.6
100(161) 22.4
110(177) 30.5
120(193)
130(209
140(225)
150(241)
160(257)

中間加速〈秒〉

中間加速mph(km/h) 2速 3速 4速 5速 6速 7速 8速 9速
20-40(32-64) 2.5 2.9 4.4
30-50(48-80) 3.1 3.9 5.4
40-60(64-97) 4.1 5.5 6.5 7.9
50-70(80-113 4.6 5.8 6.8 8.3 10.9 15.0
60-80(97-129) 6.1 7.3 9.0 11.7 17.2
70-90(113-145 6.9 8.0 10.0 13.4 20.6
80-100(129-161) 9.2 9.3 11.9 17.5
90-110(145-177) 12.5
100-120(161-193)
110-130(177-209
120-140(193-225)
130-150(209-241)
140-160(193-257)
150-170(241-274

各ギアの最高速

1速 39km/h 4600rpm
2速 64km/h 4600rpm
3速 92km/h 4600rpm
4速 127km/h 4600rpm
5速 171km/h 4600rpm
6速 200km/h 4423rpm
7速 200km/h 3848rpm
8速 200km/h 3184rpm
8速(公称値) 200km/h 2698rpm
9速・113km/h/129km/h:1523rpm/1741rpm

結論 ★★★★★★★★☆☆

「これまで通りの性能と魅力、個性に、21世紀のラグジュアリーさが加わった」

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メルセデスがオンロードでの走りを一新しようとしなかったなら、新型Gクラスのようなクルマには、それがはじめて構造的な完全性やAMGが磨いたサスペンションを備えながらも、アダプティブエンジンマウントを装備しようとはきっと考えなかっただろう。それがまさしく、この新型ゲレンデヴァーゲンにおける彼らの成果だ。

タフな状況ではどんなオフローダーにも劣らぬ高性能を発揮し続けてきた歴史を持ついっぽうで、日常使いできる高級SUVとしてアピールできるものではなかったゲレンデヴァーゲン。最近では、ミリタリーチックなルックスを好む富裕層に向けたクルマ造りを試みてきたが、このタイムレスなクロカン四駆を大幅に再定義するまでには至らなかった。

今回のG350dはいまや、このクラスのほかのSUVと同様に、広さやドライバビリティ、燃費効率、高級感ある良好なマナーを備えている。それでも走らせれば特別なクルマだと感じられ、魅力満載で、場をわきまえた使い方もできる。もちろん、ほかの高級SUVとは一線を画する四駆性能は失われていない。また、運転しやすくなったのとともに、不思議なくらい見栄えも穏やかになり、日常使いもしやすいはずだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

運転席はシートに高さがあるので、それほど多くのレッグルームを必要とはしないが、脚が今より長くなくてよかったと思った。自分の身長は190cmほどだが、それより背が高くてもヘッドルームに不足は感じないだろう。

サイモン・デイヴィス

G63のエンジンは途轍もないが、それでももしGクラスを手に入れる財力があったならG350dを選びたい。このディーゼルユニットは実に洗練されていて、V8よりずっとGクラスのキャラクターに合っている。

オプション追加のアドバイス

G63に大枚をはたくというのでなければ、G350d AMGラインを選ぶこととなる。5995ポンド(約89.9万円)のプレミアムパッケージは装備したいが、1700ポンド(約25.5万円)のナイトパッケージは不要だ。もしオフロード走行を考えているなら、255ポンド(約3.8万円)のアンダーガード装着を。ライトブラウンの高輝度ウッドパネルに360ポンド(約5.4万円)支払えば、インテリアの質感が高まる。

改善してほしいポイント

・ホイールの動きが損なわれないのであれば、ボディコントロールを改善してほしい。
・G500の導入など、バリエーション拡大を。ところで、プラグインハイブリッドの設定はいつになるのだろうか。
オフロード走破性を高めるべく、プロテクター類などのアクセサリーを拡充してほしい。


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