中国にももちろんエスカレーターは各所に存在するが、日本と違って「我先に乗り込もう」とする人は少なくない。こうした光景に慣れている中国人からすれば、日本では誰もが一様にエスカレーターの片側に乗る様子は驚き以外の何物でもなく、まるで「訓練を受けた」のかと訝る人もいるようだ。

 中国メディアの今日頭条は25日、日本におけるエスカレーター文化を紹介する記事を掲載し、日本では誰もがエスカレーターの片側に寄って立つが、「右側に立つのか左側に立つのかはエリアによって違いがある」と伝えた。

 記事はまず、日本ではエスカレーターを利用する際、大阪では右側に立って左側を急いでいる人が歩くことができるように空けておき、東京では左側に立って右側を空けておくのが慣習となっていると紹介した。

 東京で右側に立つ慣習があるのには諸説あるとしながらも、「武士の文化」の影響であるという説があると紹介。武士は刀を腰の左側に差していて、命と同じくらい大切な刀と刀が触れ合うことは「決闘」に繋がるゆえ、お互いに触れ合わないように左側を歩いた名残であると紹介した。

 だが、最近ではエスカレーターを歩くことは危険であることが指摘されていると紹介したほか、両側に乗ったほうが輸送効率が上がるといった理由から、片側を空けないように提唱されているものの、前の人に合わせて同じように行動する習慣があったり、隣に見知らぬ人が来ることを嫌う日本人は今も片側を空けてエスカレーターを使用していると伝え、ここに日本人の国民性が表れていると論じた。

 中国でも都市部では片側を空けてエスカレーターを利用する習慣が見られるようになっているが、多くの場合は周囲を気にすることなく我先に乗り込もうとする人が多い。これはエレベーターでも電車の乗降でも同じであり、「人に遅れを取ることは損」と考える中国人の国民性を表す行動と言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

エスカレーターの乗り方から、日本人の国民性が見て取れる=中国メディア