パクリ大国という不名誉な称号を与えられていた中国。最近ではかなり改善されてきたかと思いきや、やはり根本的には変わっていないようだ。中国メディアの今日頭条は25日、新たに日本ブランドのりんご「千雪(ちゆき)」について日本から知的財産権侵害を訴えられていると伝え、反省を促す記事を掲載した。

 青森県で開発されたこの「千雪」は、酸味を抑えて甘味が強く、切ったりすりおろしたりしても変色しないのが特徴だという。記事は、県の産業技術センターがすでに中国での品種登録の手続きを済ませているにもかかわらず、中国のECサイトで千雪と明示したりんごの苗が無許可で販売されていたと紹介している。

 日本はこれまで、日本で開発された農作物の中国や韓国などへの流出に悩まされてきた。記事は、「中国が注意を受けたのはこれが最初ではない」と指摘。過去にも、シャインマスカットをはじめ、いちごやメロンなどでも多くの品種が流出し、何年もかけて開発してきた技術を横取りされる事態が起きてきた。

 記事は、中国で栽培すれば同じ品種でもずっと安く購入できるので、合理的で中国人には大好評だとしならも、「長期的に見るとどうなのだろう」と疑問を呈している。それは、安易に他から「こっそりと苗を持ち込む」ことは、研究開発の時間や費用、エネルギーを節約できる利点はあるものの、それでは「中国の研究開発が進歩しない」と指摘。登録されたものに関しては「違法になること」もついでに付け加えている。

 筆者は、知的財産権の侵害は「間違っている」と反省を促しているものの、あくまで自分の利益中心で、やはりというべきか主な理由はモラルゆえではないようだ。価値観の違う中国に、権利の侵害を理解させることが無理なのかもしれない。

 これは多くの中国人の理解を表しているようだ。多くの人は、良くないことだとは思うと前置きしながらも、「日本のりんごももとはといえば他から種を持ってきたのではないか」、権利というなら「さくらはどうなるのか」、「漢方薬も中国由来」、「漢字を使うごとに使用権を払ってほしい」など、本質を理解してないコメントが並んだ。また、この問題自体中国ではあまり問題視されていないのか、この文章を読んで初めて知ったという人も少なくなかった。隣国の知的財産権に対する認識を改めるのは難しく、現時点では自衛に徹するしかなさそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本の農作物の品種が中国で流通、やはりパクリの本質は変わっていない