7月26日、東京・渋谷NHKホールにて、大黒摩季が「MUSIC MUSCLE TOUR 2019」のファイナル公演を無事終えた。これで、3月にスタートした全国ツアー34本をすべて終了させた。

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6年間におよぶ病気療養から2016年に復帰して2回目となる全国ツアーは、2018年12月に発売された8年ぶりのオリジナルアルバム『MUSIC MUSCLE』を引っ提げて開催。

今回はアルバムのテーマを持ち込んだストーリーとメッセージからなるエンターテインメントライブとなった。

オープニングは、ライブのストーリーの発端となる少女・アヤナの独白から始まる。最後の「MAKIみたいになりたい」という決めぜりふの後、スクリーン越しに浮かび上がるのは、アルバムのジャケットと同じスタイル、ポーズを決めた大黒。

1曲目はアルバムのリード楽曲になっている「LOVE MUSCLE」。2曲目にはアニメ「名探偵コナン」(日本テレビ系)のオープニングテーマにもなった「Lie, Lie, Lie,」が始まる。

途中、一気にスローダウンして、アルバムの中から癒やしの曲が続く。「Naturally」では、この日のためのゲストとして、アルバムにも参加したSPiCYSOLのKENNYとのデュエットを聞かせた。

そして、大黒自身のピアノ弾き語りによる「Mama forever」の熱唱で1部を終えた。

2部のスタートも1部同様に映像を使い、アヤナが大人になり、2039年の近未来が舞台となることを伝える。AI、BIに侵食された人類に“情緒”を取り戻そうとサイボーグとなったMAKIが立ち上がるところから始まる。

1曲目、スクリーンが上がると、全身メタリックな衣装に身を包んだ大黒が立ち、メンバーも戦闘服をイメージした衣装に身を包む。

2曲目が始まると、アルバムにも参加した元JUDY AND MARYのギタリスト・TAKUYAが同様の戦闘服で参加し、絶妙のソロを聞かせる。その後、アルバムからの曲が続いた後、間髪入れずに「熱くなれ」などヒットメドレーが続く。

Anything Goes!」が終わってMCが入ると、今回のツアーに込めた大黒の思いが語られた。

今回のライブのプランを練っている時、改元を目の前に控えて、世の中も新時代の到来と盛り上がり始め、それを感じた大黒は、“昭和世代”が新しい時代に何を残せるかをテーマにライブを考えることにしたという。

一つは、1部のアナログサウンドと2部のようなデジタルサウンドを通して、ヘッドホンではなく音楽を体感してほしいということ。

二つ目は、コンプライアンスなどで思ったことも言えなくなった時代を経て、令和の時代には、昭和世代はもう一度思ったことを言え、そしてSNSなどの言葉の暴力から令和世代を守っていきたいということ。

三つ目は、平成に多発した災害の中で、熊本では1カ月かかった段ボールの避難所が北海道では5日ほどで出来たのは、被災された方々の悲しみ、傷や努力が、実は次の災害への復旧の糧となっている。だから、誰一人、無駄な痛みなんてないんだ、ということ。

この三つをライブを通して表現したかったという。その思いを込めて歌った「FIRE」、そして「Higher↑↑Higher↑↑」で本編を終えた。

■ 定番の「ら・ら・ら」大合唱も!

アンコールでは、アルバムにも収録されている「Natural Woman」をバックに、アヤナの回想でストーリーは終わり、再び登場した大黒。「夢に向かって戦っている人は、みんな“ロッカー”です!」と語り、麗蘭のギタリスト・土屋公平と共にアルバムから「東京ロケンロー」を披露した。

定番の「ら・ら・ら」では、客席を回り、観客と大合唱し、会場が一つになって盛り上がる。

最後に、もう一度演奏された「LOVE MUSCLE」。ここで、アルバム、プロモーションビデオにも参加した元プリンセス プリンセスの渡辺敦子と富田京子がゲスト出演し、3時間にわたるライブは幕を閉じた。(ザテレビジョン

東京・渋谷NHKホールでのファイナル公演を無事終えた大黒摩季