安全で楽しい夏の思い出作りができるよう、海水浴をするにあたって気をつけておきたい事項を確認しておきましょう。

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■お盆って毎年いつ頃のことを言うの?

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まずはお盆の基本知識についてご紹介しましょう。

・そもそもお盆の意味って何?
お盆とは、ご先祖様や亡くなった人たちが、浄土から一時的に帰ってくると言われています。ご先祖様の精霊をお出迎えし、供養する期間のことを「お盆」と呼ぶようになりました。これは、海外にはない日本ならでは思考とされています。

・いつからいつまでがお盆なの?
お盆の時期は地域によって異なりますが、だいたい8月13~16日ごろが一般的です。もともとは、7月15日がお盆とされていましたが、明治ごろに暦の国際基準化を目的として実施された改暦によって30日遅れとなったと言われています。

■お盆に海に入ってはいけない理由
昔からお盆に海に入ってはダメとよく言ったもの。しかし、この詳しい理由について知らない人も多いのでは?なぜ、お盆に海に入るのはよくないと言われるようになったのでしょうか。

クラゲが大量発生するため

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もともとくらげは季節に関わらず、海に年中生息しているものですが、お盆に大量発生する理由は、くらげの成長する過程に隠されています。くらげは6月下旬ごろまではまだ卵から生まれて間もない時期。この頃は、岩場にくっついて生息していますが、7月下旬ごろから海で泳ぎ始めるようになります。そして、お盆の時期にかけてすくすくと成長し出すようになり、それが大量発生したように見えると言われているようです。比較的あたたかい気候の沖縄であっても、8月になるとくらげが多く見られます。8月に沖縄へ旅行に出かける人も多いですが、マリンスポーツや海水浴を楽しむ場合には注意が必要です。




・土用波という海が荒れる時期のため

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土用波とは、7月下旬ごろから8月上旬ごろに発生する大波のこと。日本の南の方で発生した台風によって、波が大きくうねる様子が見られますが、この波によって沖合にいるくらげが沿岸部に流されてきてしまうように。そのため、お盆時期には沿岸部でもたくさんくらげが浮遊しているのです。また土用波によって波が高くなるため、水の事故にも注意しなければなりません。




・昔からの言い伝えがあるため

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昔からの言い伝えでは、お盆に帰ってきた霊は海に帰っていくと言われています。そのため、この時期に海に入るといっしょに浄土に連れていかれてしまうと考えられていました。また、水難事故にあった人の霊が海に集まり、海水浴を楽しんでいる人たちを引きこもうとしているからという言い伝えもあるようです。

■日本の海にいるくらげの種類と対応策
お盆時期に日本で見られるくらげにはいくつかの種類があります。そのなかには、刺されると注意が必要なものも。ここではどんなくらげが見られるのかその種類や、万が一刺されてしまった場合の処置方法などについて確認しておきましょう。

・どんなくらげの種類が日本にはいるの?

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日本で最もポピュラーなのは、「ミズクラゲ」と呼ばれる種類のもの。丸い形をした半透明の傘が特徴で、サイズは約15cm~。大きなものでは30cmほどのものもいます。刺されると痒みがありますが、痛みはないため気づかない人も多いようです。また、「アンドンクラゲ」も日本ではよく見られる種類のひとつ。傘は3cm前後ですが、触手が約20cmと長いのが特徴です。この触手に触れ刺されてしまうとピリピリと激痛が走るとされていて、刺されたあとはミミズ腫れとなってしまうことも。このピリピリとした激痛が、まるで電気が走ったような感覚に似ていることから「電気くらげ」とも呼ばれています。そのほか、赤っぽい色の傘をした「アカクラゲ」もよく見られますが、このアカクラゲは毒性が強いことから注意が必要。刺されると非常に強い痛みを伴い、ミミズ腫れや水膨れとなってしまうことも。そのため、白ではなく赤い傘のくらげを見かけたらすみやかに海から出るようにしましょう。




くらげの予防策について知りたい

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くらげ対策として有効なのは、ラッシュガードを着用することです。肌の露出部分が多い水着やゆったりとしたシルエットの水着はくらげに刺されてしまう可能性が高くなるため、ラッシュガードで肌をカバーするようにしましょう。また、もうひとつ有効なのが、市販のくらげ除けローションを使用することです。使用することで100%刺されなくなるというものではないため、ラッシュガードと併用してしっかり対策するようにしましょう。




・刺されたらどうしたらいい?

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万が一、くらげに刺されてしまった場合、患部は擦らないようにしてください。擦ることで皮膚に残った刺胞を押し込んでしまうことが多いそう。また刺された部位は素手で触れないようにし、海水でよく洗い流すようにしましょう。この時も擦らないようにし、流してもまだくらげの触手が残っている場合は、手袋を着用したうえで、ピンセットで取り除いてから洗い流します。真水で流すのも、海水に暮らすくらげの刺胞が浸透圧の関係で刺激され、毒針が出る可能性があるので、やめましょう。また、以前くらげに刺された経験のある人は、アナフィラキシーショックを起こす可能性も。自分でできる最低限の処理をしたら、病院で診てもらうことをおすすめします。

■お盆の海水浴で気をつけること
くらげや高波などの危険があるお盆時期の海水浴ですが、絶対海に入ってはいけないというわけではありません。なかには、お盆時期でも営業している海水浴場もあります。また、人が少ないため、穴場であることからこの時期に海水浴を楽しむ人も。もし、お盆時期に海水浴を楽しむのであれば、次のことに気をつけるようにしましょう。

・子どもだけで遊ばせない、目を離さない

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子どももいっしょに海水浴場に行く場合は、子どもたちだけで遊ばせないようにしましょう。万が一のことがあった際にもすぐに対応できるように、目の行き届く範囲内のところで遊ばせることが大切です。




・遠くまで行かないように気をつける

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先ほども紹介したように、お盆時期には土用波が発生しやすく、急に高い波が起こる場合があります。そのため、遠くには行かず、できるだけ浅瀬の沿岸あたりで楽しむようにしましょう。




・体調不良のときは入らないようにする

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体調不良のときに万が一くらげに刺されてしまうと、刺された箇所が悪化したり具合が悪くなってしまうこともあるかもしれません。体調がいつもと違うなと感じたら、無理をしないようにしましょう。




・天候を確認すること

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天気が曇りだったり、風が強く拭いていたりすると、急に海が荒れだすこともあるかもしれません。そのため、天候が怪しい場合は海に入るのを控えるようにしましょう。また、夕方から夜になると、視界が悪くなり水難事故の危険性も高くなります。天候だけでなく、時間帯も気をつけるようにしましょう。

■安心・安全に夏の海水浴を楽しもう!
お盆時期の海水浴を楽しむには、危険が伴うこともあるため、正しい知識と対策法についてしっかり学んでおくことが大切。また、万が一の際にも慌てないで済むようにシュミレーションしておくと安心ですね。ぜひ、夏を安全に楽しんで、素敵な思い出を残してくださいね。
(mamagirl
掲載:M-ON! Press