女児maroke/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

児童・生徒の最後の砦として、多くの職員が必死に職務遂行している児童相談所。以前、福岡の児童相談所でも事件が発生していたが、また同様の事件が起きた。しらべぇ取材班は、宮城県警、仙台市児童相談所に詳しく話を聞いた。

■勤務中にわいせつ行為

宮城県警は1日、未就学の女児にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの疑いで仙台市児童相談所職員の男(30)を逮捕した。

容疑は今年2月下旬から3月下旬までの間に、同市青葉区の児相内で勤務中に女児にわいせつな行為をしたとしている。事件当時、女児は児相に一時保護されていた。

4月下旬に女児の保護者から「娘がお昼寝の時間に職員からわいせつな行為を受けたようだ」児相に情報提供があり、事件が発覚したという。調べに対し男は「間違いない」と容疑を認めている。

関連記事:児童を保護しようとした職員を父が暴行 命がけで職務を執行した姿勢に賞賛の声

■保育士の資格を持っていた

仙台市児童相談所によると、男は一時保護係に所属し、保育士の資格を持った児童指導員だった。

犯行は一時保護施設内で、13時から14時までの児童の昼寝の時間に行われたという。男は1人で、被害を受けた女の子を含む複数の子どもに対して、添い寝をするなどして昼寝の面倒をみていた。児相の職員数は全体で114名いるが、この業務に複数名を配置することは困難だという。

4月22日に保護者から通報があり、児相は男から2度聞き取りを行った。その際は「身に覚えがない」と犯行を否認したという。4月26日に警察に相談し、その後児童と接する業務から外し、事務補助に変更していたという。

■信じられない…

児相の職員は、しらべぇ編集部の取材に対して以下のように語った。

「まさかの事態で信じられない。まじめな職員で同僚の評判も良かった。今回の事件で、児相への信頼が失われたことが残念でならない。児童を保護する際に、今回の件を理由に拒否される懸念がある。他の職員の職務への影響も計り知れない。信頼回復に全力で取り組みたい」

■最後の頼みの綱なのに…

児相がこんな状態だと、どこに相談すればいいのかという声があがっている。

「相談の電話をしたら『程度が軽いからまだ大丈夫そうですね。何かあったらまた電話してください』って言われた」

こんなところを最後の頼みの綱だと思っていたことが恐ろしい」

「子どもたちが安心できる場所は、日本にはないのかもしれない」

「児相の職員の人がどんなに頑張っても、たった1人の過ちで全て台無しにになる」

他県では、暴行を受けながらも職務を遂行した立派な職員もいる。危険を伴う現場もあり、ギリギリの人数で頑張っている職員にとっても、今回の事件は無念だろう。

・合わせて読みたい→ゴルフクラブや平手打ち、数々の虐待事件に悲しみ相次ぐ 「子供を救ってあげて…」

(文/しらべぇ編集部・おのっち

児相職員がわいせつ行為で逮捕 取材に「まさかの事態で信じられない」