女の子・血(Image Source/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

真夏日」は「猛暑日」へと変わり、気温が35℃を超えることに、いささか慣れてきてしまった感がある近年の日本。亜熱帯化が広く進めば、さまざまなことに注意が必要になる。

■幼い女の子のオムツが…

今まさに熱帯性モンスーン気候の最中にあるタイ。湿った空気を含む季節風が5月から9月までインド洋から吹きこむ雨季になると、この国では「恐怖の吸血性ヒル」の話題が出てくるという。

7月27日、ある女性が自分の幼い娘の身に起きた恐ろしい症例について、写真を添えてFacebookに投稿した。オムツがあちこち血塗られたようになっていることに驚き病院へ急いだところ、吸血ヒルの仕業であることが判明。しかも医師からは、思わぬところに侵入していたことを告げられた。

女性は今、子育て中の家庭に向けて「幼い女の子にこの時期そうした現象が起きたら、吸血性ヒルが忍び込んだことを疑う必要があります」と警告している。

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■思わぬ場所から体内に侵入

このたびの話題についてアジアのメディア『Asia One』では、タイでは過去に5~10歳の女児ばかり10名に同様の症例が確認されたと報じている。いずれのケースにおいてもヒルが入り込んだのは「膣」からだったとし、出血量が多かった1名は輸血すら必要としたという。

原因については、川や池に入って泳いだケースもあれば、いつ侵入したのかがわからないケースも。洗濯後の下着を干す場所が草に近かったというケースもあるようだ。

これは何もこの夏だけの現象ではない。バンコクにあるチュラロンコン大学の産科婦人科は、吸血性ヒルに関連する女児の股間の出血は亜熱帯・熱帯諸国に特有の問題であるという論文を2003年に発表していた。

■モルヒネ様の物質を出しながら吸血

肌と下着のちょっとした隙間から入り込むことがわかっている吸血ヒル。人は出血に驚くが、毒性はなく傷口も数日で治ることだけは幸いだ。

このたびFacebookに投稿された女児の例では、血だらけになったヒルが自ら体外に出てきたが、吸血性ヒルの唾液にモルヒネ様の麻酔成分が含まれているため、吸血の最中に人はその刺激にまず気付かない。

少し後になってアリに噛まれているような気がする、あるいはかゆいと訴えていた女の子もいるが、やはり下着に付着した血に驚いて親に報告するケースが多いとのこと。漂う悪臭で異変に気づかれた例もあったが、それを「吸血性ヒルのせい」と考える親はまずいないのが現状だという。

■日本の南国には「ハナビル」が

日本にも奄美大島や九州南部を中心に、体内に潜り込んで吸血するハナビルが存在する。しかし連日の猛暑が示す通り、列島をあげての亜熱帯化がますます進んでいるとあれば、その分布は徐々に広がりを見せることだろう。

これまで患者が確認されなかった亜熱帯諸国に独特の感染症ほか、思わぬ病気が増えてくる心配がある日本。日ごろの健康管理や住環境の衛生管理には、今以上の注意が必要になりそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)

日本も亜熱帯化が進めば… 幼女を血だらけにする恐怖の生き物