気付いたら、フリーランス生活ウン十年。学生時代以降「夏休み」というものには縁がない。まぁ、休もうと思ったらいつでも休める立場。もちろん、休んだら休んだだけ生活が苦しく…いや、話がマズい方向に行きそうだから戯言はこれぐらいにして。

【写真を見る】幼少期より習っていたというピアノの弾き語りを披露する浜崎香帆

もともと、そんなに休みというものを欲していないのだが、今年の夏はちょっと違う。ワクワク、ウキウキ、ドキドキするような“好きが止まらない”楽しいイベントが目白押しなのだ。

8thシングル「SUPER DUPER」が発売中の6人組ガールズグループ・東京パフォーマンスドール(通称:TPD)は「SUPER DUPER SUMMER2019」と銘打ち、8月4日、11日(日)、12日(月)の3日で6つのスペシャルイベントを開催。

TPDをこよなく愛するザテレビジョンTPD班は仕事とバカンス(?)を兼ねて、4日に行われた第1弾の浜崎香帆ソロイベント「かほと夏休み」に潜入! 仕事とバカンスの配分は「1:9」の割合(どちらに比重がかかっているかはご想像にお任せ)というかなりユルユルなイベントリポをお届け。

浜崎は1997年5月2日生まれ、福岡県出身の22歳。TPDのサブリーダーにして、抜群の歌唱力を持つメインボーカルの1人。

グループとしての活動の他、不定期で「ZIP!」(日本テレビ系)のコーナー「流行ニュース キテルネ!」のリポーターを担当し、12月より上演される音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿 –case.剥離城アドラ-」に出演することも決まっている。

そんな浜崎と、ほんのひとときとはいえどんな「夏休み」を過ごすことができるのか。いつになく高いテンションでイベント会場の東京・恵比寿CreAtoに行くと、場内は香帆ファンでいっぱい。身動きを取るのもひと苦労しそうな状況だが、開演を前にみんなのボルテージも上がりっぱなし。やがて、疾走感あふれる音楽をバックにモノクロの映像が流れ始め、今回の主役がスクリーンに登場した。

客席から「おぉ~!!」という声が上がる中、どこかにお出掛けしようとしているのか洗面所で髪を整えたり、メイクをする浜崎の姿が。

準備万端の浜崎は外出。街中や歩道橋を歩く浜崎を堪能しているとやがてVTRが終わり、ステージの上に“生”の浜崎が現れ、自身のソロナンバーである「Over The Rainbow」を熱唱。

TPDの曲を歌う時よりも抑え目かつファルセットを使った歌声は暑さを忘れさせてくれる一服の清涼剤。何度聴いても気持ちが良い1曲で幕開け。

いつもの6人のステージとは勝手が違うからか、緊張している様子の浜崎は「TPDの時にソロ曲とかはやっていても、こうやってソロイベントをするのは初めて。やばいね、どうしよう…」と不安を吐露していたが、客席を見渡して「でも、黄色いペンライトしか見えんのがうれしいよね」と、自身のイメージカラーを目にしてホッとひと安心。

2曲目は、西野カナの「A型のうた」を。これは血液型がA型の女の子の取り扱い説明書のような曲で、同じA型の浜崎にとっては「歌詞が自分でしかなくて、まさに自分と思いながらいつも聴いていた」というお気に入り。

曲中に「面倒くさいなんて言わないで」という歌詞が何度か出てくるが、そのフレーズを聞くたびに「面倒くさくないですよ」とB型のライターが心の中でつぶやいていたことは内緒!? ちなみに、写真を撮っていたB型のカメラマンも同じことを思っていたとかいないとか…。きっとファンの皆さんも同じ気持ちだったんだろうなと、苦しい自己弁護をしているとトークコーナーに突入!

ここでは、OPの映像を浜崎自身が一人で作ったことが明らかに。ファンのどよめきに対して「スタッフさんが作ったんだろうなって思ったやろ」と楽しそうにツッコむ浜崎。何でも、最初は渋谷駅からライブ会場まで自撮りをしていたらしいのだが、人の目を気にし過ぎて失敗。結局、自宅の洗面所の鏡に携帯を貼り付けて撮影したとか。

さらに、自身が手掛けたオリジナルグッズのTシャツを着ているファンを見つけると「みんないい感じに着てくれてありがとう」とご満悦。ペンを使って裾に「かほと夏休み」という文字を筆記体で書いた点がポイントだとアピール。他にも付箋とトートバッグがあると、しっかり宣伝をして商売上手な一面をのぞかせていた。

女子力アップの秘訣

その後、フリートークの流れで始まったのは、事前にSNSで募集したファンが聞きたいことに浜崎が答えていくという質問コーナー。

女子力を上げる秘訣は?”という質問に対し、表参道乃木坂にあるおしゃれなカフェのおしゃれな料理を見せていくが、出てきたメニューが浜崎の自作ではないことを知ったファンががっかりすると「作ってないよ、作れるわけないじゃん」と謎の開き直りを。

他の質問では、本邦初公開、全世界が泣いた(?)と言われる秘蔵映像を大放出。まずは“今の仕事についたきっかけ”として、子どもの頃に出場した童謡コンクールの模様が流れた。

映像は浜崎ママからの提供で、スクリーンには“小学4年生の浜崎香帆ちゃん”が。体を揺らしながらリズムを取り、堂々と歌い上げる自分に「揺れ方よね」「姿勢いいね」とコメントしながら懐かしそうに見ていた姿が印象的。このコンクールを機に何度か出場を重ねていくうちにステージで歌う人になりたいと思ったそう。

貴重な映像は“福岡の思い出の場所は?”という質問でも飛び出し、今度はピアノのコンクール編を。結果的に、ピアノは12年間続けたらしいのだが、思い出の場所であるアクロス福岡で開催されたコンクールには何度も出場して、小6の時には「銀賞」を受賞したとういう。

映像に登場した“浜崎香帆ちゃん”は、童謡コンクールから2年後の小6。相変わらず姿勢が良い香帆ちゃんはピンと背筋を伸ばして椅子に座り、いざピアノを弾き始めるのかと思いきや、しっくりこなかったのか冷静に椅子の高さなどを自分用に調節して仕切り直し。とても小学生とは思えない美しくて巧みな指使いで大人顔負けの演奏を披露していた。

ファンから一番多かった質問は、6月から2カ月間にわたって全国各地で上演されたミュージカル「リューン~風の魔法と滅びの剣~」について。浜崎は初演同様・エルカ役で参加したが、2018年に続いての再演ということでチームワークはバッチリ。金沢公演では21世紀美術館、刈谷公演ではバッティングセンターなど、共演者と楽しく遊ぶこともできたとか。

この「リューン」つながりで、再び歌のお時間。劇中で歌うことはないが、初演の時から大好きで舞台裏でも歌っていたという主人公2人の曲「僕達の魔法」と、浜崎自身思い入れがあり、ファンからも人気がある「エルカのエコーミュージック」では聴き応えがある見事なパフォーマンスを見せた。特に「エルカ~」は、舞台で先輩女優のまりゑとダンドイ舞莉花が担当しているパート全てを浜崎が歌うオリジナルバージョンだった。

ここまで歌あり、トークありと充実した内容で「夏休み」を十分満喫していたが、浜崎のおもてなしはまだまだ終わらない。続いてはファンも参加できるゲーム企画を用意。

ゲームは至ってシンプルな輪投げ。ファンは入場の際に抽選券をもらっているため、浜崎が抽選ボックスから引いた数字の人がステージに上がり、輪投げ勝負。制限時間30秒内で、輪を多く引っ掛けた方が勝ち。ファンが勝ったら浜崎からすてきなプレゼントが。万が一負けたとしても、このコーナーから浜崎のファッションの一部と化している緑色の虫かごに入っている妙にリアルな昆虫のおもちゃがもらえるという仕組みに。

結果だけ言うと、男性ファン1人、女性ファン2人の計3人が選ばれ、浜崎は全敗。気になる虫かごの中の虫だが…。カマキリを見ても怖くないと言っていた“少年”に一匹プレゼントしただけで、他のトノサマバッタなどは必然的に浜崎が持ち帰ることに。

どうやらてんとう虫はイベントを見に来ていたTPDメンバー・脇あかりの元に行ったらしい。つぶやきを読む限り、脇はうれしそうではないようだったが、その真相は…?

そんなこんなで、楽しく盛り上がったゲームコーナーも終わり、エンディング。子どもの頃の夏休みもそうだったが、休みの時間が残り少なくなってきたと分かると妙に切なくなったものだ。大人になってもそれは変わらない。

浜崎との楽しい、楽しい「夏休み」も残すところあと一曲に。その前に、イベントの感想を語った浜崎のコメントを紹介。

「初めてのソロイベントということで、この一週間ぐらいは緊張しっぱなしだったんですけど、無事にチケットも完売してたくさんの方に来ていただけてホントに、ホントにうれしいです。いつものよくばり香帆が出ちゃって『これも自分でやります。これも自分でやります』って言っちゃって寝不足気味の時もあったんですけど、達成感もあるし、今までも、そして今も支えてくださっているスタッフさんへの感謝の気持ちが本当に強くなったのでイベントをやってよかったなと思うし、ファンの皆さんがこうやってグッズを身に着けてくれていたりするとホントにうれしいです。また、できるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!」。

もう、これだけで涙腺崩壊なのだが、ラストの曲に行く前に語ったデビュー当時のエピソードがさらにダメ押し。

「15歳で上京してきて、中学卒業と共に親元を離れたんですけど、最初は本当にがむしゃらでした。東京だけではなく、芸能界のことも舞台のことも分からない。毎日必死に頑張っていました。実は、他のメンバーがホームシックになっている時も私は特に寂しいと感じなかったんです。何でだろうなってずっと思っていたんですけど、ふと一人になった時にホームシックになっちゃって。普通の15歳に戻った時に初めてホームシックを実感しました。

それだけがむしゃらだったんだなと痛感しました。皆さんにも夢があると思います。私にもまだまだ夢はたくさんあります。目指しているゴールは違っても、向かっている思いや悩みはみんな一緒だと思うので、これからも少しでも皆さんの支えになれたらいいなと思うし、もっともっと笑顔を届けていけるように頑張っていきたいと思います」

このメッセージの後に歌うのは、アンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ~」。しかも、ピアノの弾き語りで。浜崎にとっては小6の頃から合唱などでよく歌っていた思い出の曲らしい。弾き語りを前に緊張しないようにと、浜崎が何やらしゃべりながらセッティングを開始。マイクの取り付けに手間取っている姿にちょっとクスっとなり、いざ弾き始めるのかと思いきや、おもむろに椅子の位置を微調整。うん? この光景、どこかで見たことがあるような…。そう“小6の浜崎香帆ちゃん”も演奏前に同じことをやっていた。“三つ子の魂百まで”というには小6だと育ち過ぎたのかもしれないが、幼い頃の性格は年齢を重ねても変わらないものなのかも。

ちょっと面白いリンクだったが、果たしてこれは計算か、それとも天然か。涙の後に笑いあり。これぞ真のエンターテインメントだ。

そして、浜崎香帆版の「手紙~拝啓十五の君へ~」。今さら改めて言うことではないが、声の張りと伸び、しっとりと歌う時の表現力。小4の時のように体は揺れていなかったが、聴く者の心を“揺らす”歌唱力は間違いなく本物だ。

最後の曲を歌い終わった浜崎は何度も大きく息を吐き「もう全部出たって感じ(笑)。皆さん、今日は1日? 半日? 違う1時間か。でも、香帆にとってはもう1日よ(笑)。皆さん約1時間のイベントでしたけど、いかがでしたか? 8年のブランクはありましたけど、12年間やっていたピアノに大好きな歌が加わると、さらにもっと楽しい! ここで終わらず、これからまた武器にしていけるよう頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」と、最後も元気よくあいさつ。

アンコールはなかったが、浜崎いわく「特典会までが一大イベント。特典会でお会いしましょう! グッズも買ってね(笑)」と、しっかりアピール。

こんなに充実した「夏休み」はいつ以来だろう。次は「○○休み」で会えるのか。秋かな、冬かな、それとも春? いっそのこと、TPDメンバー全員がそれぞれいろんな休みのソロイベントをやってくれたら一年中休めるのに!? と、けしからん妄想を膨らませたひと夏の思い出

香帆さんと過ごした楽しい時間は“家宝”にして、代々大切に残していきたい。(ザテレビジョン・取材・文=月山武桜)

浜崎香帆がソロイベント「かほと夏休み」を行った