スクウェア・エニックス2019年8月3日サービス開始から7周年を迎えたオンラインRPGドラゴンクエストX」(PC / PS4 / Nintendo Switch / Wii U / 3DS)のイベント,「ドラゴンクエスト夏祭り2019」を東京・TFTホールにて開催した。このイベントでは,ゲストを招いたステージイベントや「ドラゴンクエストX」のこれまでを振り返るギャラリーなどが設けられた。
 本稿では,会場で発表された「ドラゴンクエストX」および,9月27日リリースを控えているNintendo SwitchソフトドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」の最新情報を中心に,イベントの模様をレポートしよう。



■「ドラゴンクエストX」のメインストーリーボイス入りに

 「ドラゴンクエストX」の最新情報コーナーでは,まずVer5「いばらの巫女と滅びの神」(PC / PS4 / Nintendo Switch / Wii U)のオープニングムービーが公開され,その中で発売日が10月24日であることが明かされた。

ムービー(※4Gamerへジャンプします)

 また,映像ではキャラクターがしゃべっていることを確認できるが,Ver5より,ゲーム本編にもメインストーリーイベントムービーにはボイスが付くとのこと。会場では,以下のキャラクターキャストが公開された。

謎の女魔族:榊原良子
勇者姫アンルシア早見沙織
賢者ルシェンダ渡辺明乃
シオン:近藤 隆
ユシュカ:伊東健人
イルーシャ:茅野愛衣
魔仙卿:関 俊彦
(敬称略)


 なおシオン役の近藤 隆さんはVer1のラスボスネルゲルボイスも演じているが,とくにストーリー上の伏線はなく,両キャラクターにまったく関連はないそうだ。また,ほかのキャラクターキャストについては,順次公開していくという。


 Ver5.0では,盾島のガミルゴを舞台に,攻め入ってきた魔界の軍勢をアンルシアアストルティア軍が迎え撃つ。以降,ストーリーの進展に伴って主人公アンルシア達は魔界を冒険していくこととなる。


 Ver5.0には,新職業「デスマスター」が登場する。この職業は,呪文攻撃,回復,蘇生をこなし,武器や専用特技を併用することでオールラウンドに活躍できるという。
 大きな特徴となるのは専用特技の「死霊召喚」で,その名のとおり死霊を召喚し,命令を与えてさまざまな行動を取らせることができるのだとか。
 加えてデスマスターには,周囲の味方が倒されると溜まっていく「デスパワー」があり,それを消費して特殊な行動を取れる。


 さらにデスマスターは,新武器種「鎌」を装備できる。デスマスターはレベル50から転職可能となるので,鎌もレベル50から装備可能だ。


 Ver5.0では,新コンテンツ「万魔の塔」も登場。これは最大4人でチャレンジするバトルコンテンツで,次々と押し寄せるモンスターを倒していくこととなる。報酬には新しいアクセサリーなどを用意しているとのことだ。


 またVer5.0では,スキルシステムの大改修が行われる。現行のスキルシステムでは,スキルポイントの獲得のためだけに育てる職業がどうしても出てしまい,実際にプレイできる職業が制限されていた。スキルポイント振り直しという手間は生じるが,1職業のすべてのスキルポイントを最大にできてしまうといった課題が生じていたからだ。


 そこでVer5.0以降はそれらの課題を解消するべく,スキルポイントが職業ごとに獲得できるようになる。これは,職業クエストを1話クリアすると,その職業の全スキルラインスキルポイントが20ずつ底上げされるというものだ。つまり,全5話をクリアすれば全スキルライン100ポイント上昇する状態になる。これに加えて,レベルアップ時に得られるスキルポイントを割り振ることができるので,いろいろな職業を強化して,楽しめるようになるわけだ。
 なお,レベルアップ時に得られるスキルポイントは増加しており,すでに上がっているレベル分のスキルポイントも自動的に加算されるとのこと。


 加えて一部職業に「盾」と「かくとう」のスキルラインが追加され,さらにVer5.0では武闘家がヤリ,旅芸人がブーメランパラディン片手剣,賢者が扇をそれぞれ使えるようになる。これに伴って,新しい武器種とスキルラインも追加される。
 なお,追加される武器のスキルラインで得られる効果の一部は,ほかの職業のものとは異なるとのこと。例えば武闘家のヤリと,どうぐ使いおよびパラディンのヤリでは,上昇するステータスや特技の効果などが異なっている。





ボイス導入の裏話が語られた「ドラゴンクエストX」開発者座談会

 開発者座談会には,「ドラゴンクエストXチームからプロデューサーの青山公士氏,ディレクターの安西 崇氏,ムービーディレクターの佐藤十蔵氏,シナリオチーフの成田篤史氏が登壇し,Ver5で追加されるキャラクターボイスにまつわるエピソードを披露した。


 安西氏によると,ボイスを追加するアイデアはVer4の段階からあったとのこと。しかし,スケジュール調整など乗り越えなければならない課題が多数あり,Ver4では諦めざるを得なかった。Ver5でも当初はボイス追加の提案を却下したが,その一方では「何とか実現できないものか」と考えていたのだとか。
 そうこうしているうちに,Ver5のリリースが当初の予定より遅れることとなったため,「それなボイスも何とかなるのでは」と思い,さっそく成田氏に相談したことを明かした。


 成田氏は,「ドラゴンクエストシリーズセリフについて,堀井雄二氏の「セリフビジュアルの1つである」という教えに基づき,「画面で見たときに美しい配置になるよう,単語やスペースの場所,かなと漢字の使い分けなどを意識している。実際に声に出すと,話し言葉とは少し違った感じになる」と説明。今回のボイス収録の現場では,声優陣がスペースの場所に合わせて間を取ってしまうので,話し言葉として調整しなければならなかったと話していた。

 また,プレイヤーが任意に主人公の名前を変更できるボイス付きのゲームだと,ほかのキャラクター主人公に呼びかけるときに「あなた」や「キミ」といった二人称を使うケースもある。しかし本作ではあえてその手法を使わず,ボイスが入るシーンでは二人称を使わないようにセリフを修正したエピソードも披露された。

 キャスティングに関しては,安西氏とシナリオ班で決めていったとのこと。すでにボイス付きの「ドラゴンクエストシリーズタイトルがいくつかあるため,依頼する声優ができるだけ被らないように議論を重ねたそうだ。
 今後のキャスティングは,基本的にキャラクターに合っている声優であることを最優先して選出していくので,キャストが被ることもあり得るとのこと。最終判断は堀井氏に委ねられるそうだ。

 佐藤氏は,本作のムービー制作について「もともとボイスが入ることを想定していない」と説明。今回の件を相談された2018年11月頃の時点では,すでにいくつかのVer5.0用のムービー制作に着手していたそうだが,「ボイスが入ればムービーも確実に良くなる」というイメージがあったので,やってみたいと思ったという。

 苦労したポイントとしては,まずセリフテキストで読む時間と,実際にボイスとして聴く時間を比較すると,後者のほうが長くなるため,従来の開発ツールで対応できるかどうか確認する必要があったという。
 また映像とセリフの尺を合わせるため,ボイスの本収録前に「ドラゴンクエストXチームスタッフで仮収録を行ったそうだ。


 このようにセリフの修正や映像との尺合わせなど,ボイスを追加するにあたって調整が必要となるため,安西氏は1か月ほどスケジュールの延長が必要だと考えた。しかし,青山氏の「お客さんを待たせるのはどうか」という判断により,ボイス入りのVer5は当初の発売日を踏まえたスケジュールで開発が進められたという。
 なお本作のボイスは設定でOFFにできるほか,最後まで聴かなくともボタンを押せば次に送ることが可能な仕様になっているとのこと。


 安西氏によると,Ver5は「個と個」ではなく「集団と集団」のバトルを描く構想があったそうだ。しかしそれをインゲームリアルタイムに表現するのは難しいので,オープニングムービーで表現することにしたという。


 しかし成田氏は,舞台が盾島という小さい場所なので,どうすれば集団の戦いを描けるのか戸惑ったとのこと。そこで,謎の女魔族が巨大な氷の橋を作り出すシーンを追加し,集団戦闘の場を生み出したのだとか。
 ちなみに女魔族が氷魔法を使うという設定はそのとき生まれたとのことで,成田氏は「おかげで彼女のキャラクターも,以前より立つようになった」と話していた。

 佐藤氏は,海上戦で魔界の軍勢を迎え撃つアストルティア軍を表現するにあたり,新たに船を描くことになったエピソードを披露。ムービーの制作に入った2018年8月頃は,まだVer5のシナリオや魔族のデザインも固まっておらず,またアストルティアにはウェディの拠点以外に海軍を所持しているような地域もないため,かなり困難だったようだ。

 また,これまでのオープニングムービーとは異なり,今回はメインストーリーの一部が描かれていることもポイントの1つとなる。Ver5では,「後半」と呼ばれるオープニングムービーがもう1つ用意されており,こちらでは従来のように追加される要素が紹介されていくとのことだ。

 Ver5の舞台となる魔界について,成田氏は「『ドラゴンクエストX』のシナリオを作り始めてからずっと,いつかは魔界に行くものだと考えていた。ようやく到達できた」とコメント。「これまでのシリーズでは,魔族がどういう存在なのか明らかにされてこなかったので,今回は魔界での生活や魔族の生き様を描くことに注力しています」と続けた。
 また魔界にはいくつかの国があり,それぞれ文化や背景が異なるそうで,Ver5では氏の描き分けも見どころになるという。成田氏は「アストルティアを描いてきた今までとは異なる,ハードな世界観。国同士の諍いや差別問題などダークな部分を意識している」と話していた。
 そのほか安西氏によると,魔界のクエスト中は,アストルティアでは起きなかったようなことも起きるそうだ。



体験版配信やコラボ情報が発表された「ドラゴンクエストXI S」ミニステージ

 「ドラゴンクエストXI S」の最新情報コーナーでは,まず本作の2Dモードに「『ドラゴンクエストX』の世界」が追加されたことが紹介された。堀井氏によると,「もし『ドラゴンクエストX』がスーパーファミコンプレイできたらこんな感じ」というグラフィックスで,音楽も8ビットチューンになっている。会場では,実際に映像が公開された。


 また本作の体験版が配信されることも発表された。配信日は後日改めて公開されるが,会場では体験版セーブデータを製品版に引き継げることや,体験版プレイすると製品版でアイテムスキルの種」をもらえることが紹介された。


 次に,「ドラゴンクエストライバルズ」(iOS / Android / PC / Nintendo Switch)とのコラボレーションが発表された。このコラボでは,「ドラゴンクエスト XI S」の体験版プレイすると「ドラゴンクエストライバルズ」内で英雄カード「ロトの血を引くもの【S】」がプレゼントされる。


 「ロトの血を引くもの【S】」は,従来の英雄カード「ロトの血を引くもの」と基本的に同じ性能だ。変更点はイラストのほか,レベル2のヒーロースキルが「仲間救出」となり,使用時のスペシャル演出も「ドラゴンクエストXI S」の仲間1体をランダムで救出するものになっている。




 さて,「ドラゴンクエストシリーズタイトルの新バージョンと言えば,主人公達に新たな仲間が加わることも少なくない。しかし,本作のディレクターを務める岡本北斗氏によると,「ドラゴンクエストXI S」では,仲間になるキャラクターの追加はないとのこと。
 と言うのも,「『ドラゴンクエストXI』で好きなキャラクターは?」といったアンケートを取ったところ,想像以上にさまざまなキャラクターの名前が挙がり,誰かを仲間に追加すると「なぜこのキャラクターは仲間にならないのか」といった疑問が挙がることを容易にイメージできたからだという。
 とくにホメロスに関しては,「もし仲間にするなら」というアンケートで1位を取っているが,仮に仲間になってしまうとシナリオの前提が崩れてしまいかねないとのこと。
 そうした理由から,今回は新たに仲間を加えるのではなく,従来の仲間達のエピソードを加えることにしたという。その中でホメロスエピソードも描かれていくそうだ。






リンク「ドラゴンクエストX」公式サイト
リンク「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」公式サイト
リンク「ドラゴンクエストライバルズ」公式サイト


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記事URLhttps://www.4gamer.net/games/222/G022239/20190805098/
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