7月26日、「EXILE CUP 2019」中国大会が鳥取県東伯郡湯梨浜町の東郷運動公園で開催された。中国大会が鳥取県で開催されるのは昨年に続いて2回目で、今回は中国地方5県の48チームが参加した。前日に梅雨明けした快晴の厳しい暑さの中、選手たちは大粒の汗を流しながら、9月に愛媛県今治市で行われる決勝大会を目指して熱戦を繰り広げた。

 開会式では、劇団EXILEの秋山真太郎(あきやま しんたろう)さんと小野塚勇人(おのづか はやと)さんが応援に駆け付け、秋山さんは「大会を楽しんで試合を頑張ってください」、小野塚さんは「皆さんのプレーを全力で応援します」と声援を送った。その後、EXILE ÜSAさん(大会スペシャルサポーター)が考案した「ダンス体操」を参加選手全員で踊って、試合に向けてウォーミングアップした。

 予選リーグは4チームずつ12ブロックに分かれて総当たり戦で行われ、各ブロックの1位チームと、各ブロックの2位チームの中から成績上位の4チーム、合計16チームが決勝トーナメントに進出する。6つのコートで同時進行で行われ、ホイッスルが鳴ると各コートで激しい戦いが繰り広げられた。

 予選リーグで活躍したのは、2年前の決勝大会で3位に入ったIブロックのオオタフットボールクラブ(岡山)と、前年の中国大会で優勝したGブロックのLesbleus(広島)。共に他チームを寄せ付けない強さで決勝トーナメント進出を決めた。また、昨年の中国大会で決勝まで勝ち残ったAブロックのFAREIA鳥取/SONHO(鳥取)も全勝で予選通過を果たした。

 決勝トーナメント一回戦から強豪対決となったオオタフットボールクラブとLesbleusの試合では、オオタフットボールクラブが圧倒的な力を見せつけて5-0で勝利。敗れたLesbleusの佐々木瑛(ささき ひで)キャプテンは「何もできずに負けてしまって悔しい。相手のプレスが速い時の自陣からの抜け出し方など、チームの弱点を練習で克服して次につなげたい」と気持ちを引き締めた。

 FAREIA鳥取/SONHOは、1回戦でアヴァンサールFC(岡山)に1-3で敗れ、ベスト8進出を逃した。先行される中、後半に1点を返した秦野徠臥(はたの らいが)君は「1点を返してみんなの気持ちを立て直せるかと思ったけど、落ち着けなかった。次は押されても気持ちを切り替えて試合に集中できるようにしたい」と悔しさをにじませた。

 決勝戦は、決勝トーナメントでも全試合3点以上を挙げたオオタフットボールクラブと、準決勝で大庭JEC(島根)とのPK戦を制した総社北サッカークラブ(岡山)の岡山県勢の対戦となった。

 高い個人技を持つ選手がそろうオオタフットボールクラブに対し、粘り強いディフェンスを見せる総社北サッカークラブという展開の中、先手を取ったのはオオタフットボールクラブだった。前半2分、ゴールクリアランスから右サイドをドリブルで駆け上がり、中央へパスを送ると、ファーサイドで合わせてゴール。ここからオオタフットボールクラブのゴールラッシュが幕を開ける。華麗なドリブルでチャンスメイクして前半に4点を入れると、後半にはさらに出足を良くし、総社北サッカークラブに攻める機会を与えない。メンバーを入れ替えたことでさらに勢い付き、正確なボール回しと出足の早さで相手を圧倒。多彩なシュートで後半も3点を決め、7-0でオオタフットボールクラブが2年ぶりの優勝を果たした。

 自身も前半に1点を決め、個人技で何度もゴールをアシストする活躍を見せた末宗寛士郎(すえむね かんしろう)君は「体をぶつけながらドリブルで突破できたのが良かった」と笑顔で話し、佐々木悠太(ささき ゆうた)キャプテンは「みんなで一致団結して試合に臨めて最高の大会だった。決勝大会では絶対に優勝します」と決意を新たにした。大田修平(おおた しゅうへい)監督は「ドリブル中心のオオタらしいサッカーを見せてくれた。決勝大会でも、これまでやってきたことに自信を持って、オオタらしいサッカーで日本一を目指したい」と選手を労い、「最後まで頑張って粘り強く試合をされた」と相手チームの健闘を称えた。

 優勝したオオタフットボールクラブは、この日戦った47チームの思いを受けて決勝大会に挑む。

文=井田裕子 写真=藤田和俊

EXILE CUP 2019 中国大会を制したオオタフットボール