今では懐かしい名前となったかもしれない。マクラーレンで2度、F1王者に輝いたミカ・ハッキネンが日本でレーシングドライバーとして復帰する。御年50。三重県鈴鹿サーキットで8月23~25日に開催される鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10H)に参戦することになった。

F1のチャンピオン経験者で、F1を退いた後に完全にレーシングスーツを脱いだ人は少ない。2006年に現役引退を宣言したミハエル・シューマッハー(ドイツ)ですら2010年にF1復帰。3シーズンを戦った。最近では2016年チャンピオンとなってその年のオフに電撃引退したニコ・ロズベルグドイツ)は欧州のF1中継の解説者として生計を立てているが、いつかカムバックするだろうという声が多い。

鈴鹿10Hでタッグを組むハッキネン(左)とチームオーナー兼選手の久保田克昭

ハッキネンが引退してから


  ハッキネンはF1で1998、99年と連続チャンピオンに輝き、2001年にF1引退を発表。一時は悠々自適な生活を過ごすも結果的には競技生活に戻り、母国フィンランドラリー競技に参加したり、ドイツツーリングカー選手権DTM)にメルセデスの一員として通年参戦したりした。それでも2013年に中国・珠海で開催されたGTアジアに出場したのを最後にレースから遠ざかっていた。

昨年10月に鈴鹿で開催された日本GPでオールドF1カーのデモランを行ったが、現役復帰に色気が出たのはまさにその時だ。「もう一度レースをしようかなとたびたび考えるようにはなっていた」。鈴鹿10Hの話も一度は断ったようだが、最終的には快諾したという。

ピットに戻ってきたハッキネンが乗る「マクラーレン720S GT3」

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一念発起、トレーニングを再開

ヘルメットデザインは現役時代と同じ

 8月6、7日には本番で使用するハコ車の「マクラーレン720S・GT3」の走行テストを鈴鹿で行った。日本のサーキットをレーシングスピードで走行するのは2001年のF1日本GP以来、18年ぶりだ。

印象的だったのは体がかなり絞られていたこと。デモ走行時は、スリムだったF1時代とは打って変わってかっぷくのいい中年体形だったが、鈴鹿10Hに参戦することを決断するや一念発起してトレーニングを再開したという。ぽっこりとしていたおなかも幾分か引っ込んでいた。

圧巻だったのはその走りだ。久々に鈴鹿のコースを走ったものの、昔取ったきねづかとはまさにこのことで、一瞬にして当時の記憶を呼び起こし、完璧なライン取りを披露。ミスらしいミスは全くなかった。

コースについてはよく知っているので、ベストレコードラインも分かっているつもりだ。初めて走るコースのように、どこでブレーキを踏んで、どうやってコーナーを攻めるかをいちいち学習する必要もない。だから、クルマのことにだけ集中することができた」と言いのけるほどだ。

鈴鹿10Hでは3人組のチームで出場する。1994年に事故死したアイルトン・セナの後にシューマッハーとともにF1をけん引した男。現役時代に「フライングフィン」(飛んでるフィンランド人)の異名を取ったシャープな走りで、新旧のモータースポーツファンを大いに沸かせそうだ。

運転席に収まるハッキネン

[文/東京中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

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ハッキネンが復帰!久々の鈴鹿も完璧なライン取り「レコードラインを覚えている」