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Credit: Jack Madden/Cornell University

 天文学者の国際的研究チームによって、居住可能な惑星が発見されたそうだ。

 その惑星は地球から31光年離れたところにあるスーパーアース「グリーゼ357d」という。

 2019年初めにNASAトランジット系外惑星探索衛星(TESS)によって観測された内容が、『Astronomy & Astrophysics』(7月31日付)で発表された。

 「人類史上初となる生命を宿せるかもしれないスーパーアースです」と研究チームの一員である米コーネル大学の天文学者リサ・カルテネッガー氏はコメントする。

 グリーゼ357dは地球よりも大きい。厚い大気があれば、地球のように地表に液体の水を湛えている可能性もあるようだ。そして、もしかしたら近いうちに生命のサインすら発見できるかもしれない。

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太陽の3分の1の大きさの赤色矮星「グリーゼ357」

 その惑星が公転する「グリーゼ357(GJ 357)」は、地球から31光年先と天文学的には比較的近くにある。それはスペクトル分類2.5V型の赤色矮星で、大きさは太陽の3分の1程度しかない。

 今年2月にTESSによって、その周囲を3つの惑星が公転していることが確認され、それぞれ「グリーゼ357b(GJ 357b)」「グリーゼ357c(GJ 357c)」「グリーゼ357d(GJ 357d)」と命名された。

 グリーゼ357bは地球よりも22パーセント大きいが、公転周期はたったの3.9日。いわゆる「ホットアース」で、表面温度は252度と推定されている。

 またグリーゼ357cも地球より3.4倍以上重く、温度は126度と煮えたぎっている。


TESS Helps Reveal Multiple Planets, Including Promising World

生命の発見が期待できるグリーゼ357d

 それらは灼熱の世界であるが、一番外側にあるグリーゼ357dは、生命が居住可能とされる「ハビタブルゾーン(ゴルディロックス・ゾーン)」の範囲内にある。

 地球と太陽の5分の1の距離に相当するところを55.7日で公転しており、条件は地球のそれと似ているという。

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 恒星からの距離が太陽と火星とのそれに似ていることから、温度はマイナス53度と推定される。それでも、大気があれば、熱を蓄積できるために、水が液体のまま存在している可能性もあるそうだ。

 「もし本当にグリーゼ357dから生命のサインが見つかれば、一番人気の目的地になることでしょう。そして、私たちは宇宙で孤独な存在なのか? という1000年来の問いに答えが出ることになります」とカルテネッガー氏は話す。

References:TESS satellite uncovers 'first nearby super-Earth'/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52277959.html
 

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