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コアラの主食として有名なユーカリの葉ですが、オーストラリアの国立科学機関CISROの研究者らが、その中から信じられない物質を発見しました。

なんと、コアラたちがおいしそうに口に含むその葉から、紛れもない本物の「金」が検出されたのです。研究は2013年に「The Nature Communications journal」で掲載されています。

Natural gold particles in Eucalyptus leaves and their relevance to exploration for buried gold deposits

https://www.nature.com/articles/ncomms3614

「金のなる木」が実在した?

メルヴィン・リンテーン氏率いる研究チームは、以前にユーカリの葉から金を検出していましたが、それが単に風に吹かれてやってきたものなのか、それともユーカリが本当の「金のなる木」なのかは明らかになっていませんでした。

1オンス(約28グラム)で1300ドル以上の価値がある金のこと、採掘者たちはこの発見に興味しんしん。それもそのはず世界的な金の採掘量は、過去10年間(2013年時点)でおよそ45%も減少していたのです。

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研究チームは、ウェスタン・オーストラリアの金の採掘が見込まれる場所で育つユーカリの葉と、そこからおよそ800メートル離れた場所で育つユーカリの葉の比較作業をおこないました。

さらに彼らは温室にて、金を含んだ土壌と含まない土壌の両方でユーカリの木を育てました。ちなみにユーカリの木は、水を求めて地下およそ40メートルほどにまで根を伸ばすことがあります。

そして研究の結果、ユーカリの葉や樹皮から、地下の鉱脈や土壌に存在するものと同じ金の粒子が検出され、ユーカリが地中の根から金を吸い上げていることが分かったのです。

含まれる金は「超微小」なもの

とはいえ、葉が蓄えている金は非常に微小なものであり、平均すると8マイクロメートル(100万分の8メートル)の大きさだったとのこと。研究者はこの要因について、「おそらく金は植物にとって毒であるため、有害な化学反応を抑制するために、その末端(たとえば葉)あるいは細胞内の特別なゾーンへと移動したのでしょう」と結論づけています。

しかし、早まってユーカリの葉集めに奔走するのはやめておきましょう。葉の中の金の濃度はわずか「46/1,000,000,000」程度であり、これはパーセンテージに換算すると「0.000005%」にしかなりません。これではどんなに頑張って大量にユーカリの葉を抱え込んだとしても、割に合う作業ではないでしょう。

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とはいえ、この発見は金の採掘者たちにとって無益なものではありません。これまでドリルテストで見落とされていたような小さなエリアについても、ユーカリの葉を調査することで、その地下にある未開の金の鉱脈が発見されることも考えられるのです。

ユーカリ自身が金を生み出しているわけではないので、これは「金のなるユーカリ」とはいえませんが、この「金を吸い上げるユーカリ」は、今後新たな金鉱脈発見に大いに貢献してくれるのかもしれません。

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reference: nationalgeographic / written by なかしー
「金のなる木」を豪州で発見? 金採掘者たちも驚愕