大分DF岩田と競り合い、イニエスタが左手を突き出して応戦し一触即発

 ヴィッセル神戸は10日のJ1リーグ第22節、敵地での大分トリニータ戦で1-1と引き分けて15位と苦戦が続く。低迷するチームにあって、神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが「怒った」と母国スペインメディアも衝撃を受ける場面が起きた。

 試合は前半32分、イニエスタ好プレーが先制ゴールを呼び込む。敵陣でイニエスタがドリブルを仕掛けて守備網を突破し、相手ペナルティーエリア手前まで侵入して横パス。これを受けたFW古橋亨梧が巧みな反転から豪快な右足シュートを叩き込むと、キャプテンマークを巻いたイニエスタも両腕を突き上げてガッツポーズを披露している。

 しかし後半3分、自陣でボールを奪われた神戸は速攻を食らい、相手FWオナイウ阿道に被弾。1-1のまま終盤までもつれ込み、後半41分のワンプレーが注目を集めている。

 大分の日本代表DF岩田智輝が右サイドでボールをキープした際、イニエスタがマーク。ボール奪取を図るイニエスタが岩田の背後から足を伸ばしたが、勢い余って岩田の足ごとキックする形となった。苦悶の表情を浮かべた岩田は、ファウルをアピールするようにボールを抱え込みながら倒れたが、すぐさま再開すべく立ち上がる。

 ところが、密着マークしていたイニエスタの勢いは止まらず、そのまま岩田と再接触。これに感情をむき出しにした岩田が詰め寄ると、イニエスタも左手を突き出して岩田を小突き応戦。その場はあわやもみ合いという一触即発のムードが漂った。

スペイン紙も驚き「いつもは冷静なイニエスタが…」「イニエスタの隠れた一面」

 普段は冷静沈着なプレーを見せるイニエスタの激高ぶりに注目したのが、母国スペインメディアだ。

 スペイン紙「AS」は2人が詰め寄り、イニエスタが思わず手を出した決定的瞬間を紹介。「怒ったイニエスタが、J1リーグの試合で対戦相手と対峙」と報じた。「土曜日に大分トリニータヴィッセル神戸引き分けたが、いつもは冷静なイニエスタが、岩田智輝に対して平静を失った」と驚きをもって記している。

 またスペイン紙「マルカ」も、「日本はイニエスタの隠れた一面を目撃:彼のフラストレーションを示している」と言及。現在チームが15位と苦戦を強いられている現状を受けて、「降格のプレッシャーイニエスタガードを緩め、大分に対してフラストレーションを垣間見せた」と続けている。

 温厚な性格のイニエスタが試合中に怒りを露わにする場面は珍しく、手を出してあわやもみ合い寸前という出来事にスペインでも驚きが広がっているようだ。(Football ZONE web編集部)

神戸のMFイニエスタ【写真:Getty Images】