ブラック企業の過酷な実態

「ここはブラック企業だ」と事前に分かれば回避できる。それでも入社してからではないと実態がわからないのが現実だ。キャリコネニュース読者から寄せられたブラック企業体験談を紹介する。

新卒社員として技術職に就いた10代男性は、過酷な研修内容を吐露した。

「毎日ある研修テストと翌朝に提出必須のレポートで、睡眠時間は平均2~3時間です。レポート内容が悪ければ、直して上司に再提出しなければなりません」

さらに上司は、「レポートや提出物が君たちの仕事であり真面目に取り組まないなら給与は減る」とさらなるプレッシャーをかけた。勤務後に書くレポートも持ち帰り残業なのに残業代の支給はなく、「やって当たり前のように思っています」という。

唯一の休日も1人での外出は許されず、研修テストの成績が悪いと外出すら禁止された。「行く場所、行く時間、帰る時間などを上司へ伝えます。許可制です」といい、求人票にはこのような研修があるとは書いてなかったという。

社員が自腹購入して育てている花だけど「社長が手入れしている体でになっている」

技術職の30代男性の元勤務先は、昭和の時代にタイムスリップしたようなコンプライアンスのかけらもない会社だった。

「社長はデータを信じず、精神論ばかり。24時を過ぎても働かされていたのに残業代は出ません。『ボケ、カス、死ね』などの上司の暴言、労災の隠蔽」

管理・事務職として働く30代男性は、社長の異様な言動を語った。「自社ホームページに毎日、社長のいいエピソードがアップされ、それを見ることが義務化しています」という。さらに、

「社内の花壇に苗を植えてあるのですが、それは私たちが自腹で購入し、日頃から業務時間外に手入れや水やりまでしています。それなのに来客者には、いかにも社長がお金をだして手入れしている体で言わなくてはいけないのです」

と明かした。

「殴られる、工具を投げつけられる…。上司に相談をしても『自己責任で、無能だな』」

技術職の30代男性は過去に、従業員が必ず2年未満で離職する一族経営のブラック企業に勤めた。業界を代表する半世紀以上の歴史を持つ会社だったが、「歴代の定年退職者は役員以外に存在しなかった」という。

「入社したての人が怒鳴り声上げては2週間で人が突然いなくなるなど、ものすごい職場でした。なんでも入社した人が無視されまくりで全く仕事をさせてもらえなかったとのこと」

新入社員は決して若い人ばかりが入社しているわけでなく、技術を持ったベテランや大手役員クラスの人もいた。男性は「どこからどう見ても尋常ではない環境」と語り、側近として脇を固める上層部に相談しても無駄だった。

「経営陣は好き嫌いが激しい人たちだったので、壮絶なパワハラが始まり、自分も殴られかけたり、工具を投げつけられたり、陰口を延々と隣で聞かされたりなど…。上司に相談をしても『自己責任で、無能だな』の一言。 さらに『人事に言ってもムダだから』と典型的なブラックのやり口でした」

そんな大手ブラック企業も、現在は上場しているようだが、転職情報サイトでは相変わらず酷い口コミが目立つとのことだ。

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