テレビ視聴中の3きょうだいの様子を描いた漫画がSNS上で話題となっています。子ども向けのお笑い番組で芸人のネタを見て笑う長男。すると、長男を見た次男が「笑うところだな」と考えて笑い、さらには…という内容で「すてきな光景」「癒やされます」「それぞれがかわいい」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

常に繊細、微妙な関係の長男と次男

 この漫画を描いたのは、ツルリンゴスター(ペンネーム)さんです。3人の子どもの子育て漫画をインスタグラムツイッター、ブログ「日曜学校 『新月堂』」で発表しています。また、子育て情報サイト「ninaru -baby-」で漫画を連載中です。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

ツルリンゴスターさん「大学生の時にバイトしていたカフェで、店の感想ノートに4コマ漫画を連載し始めたのが最初です。店長や常連さんから、『なんかいい』と言われたのがうれしくて、感想ノートなのに店員の私がほぼ漫画で埋めていました。

その後、長男が生まれ、初めて歯が生えたことに感動して漫画を描き、ブログを開設して載せました。以来6年間、ずっと育児漫画を描いています」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

ツルリンゴスターさん「この漫画を描いた時、子どもは5歳、3歳、0歳でした。5歳の長男は、アニメを脱してバラエティー番組のネタを理解できるようになってきた頃で、対して3歳の次男は、まだネタの言葉の流れを理解できません。ぎりぎり年子の長男と次男は常に繊細、微妙な関係で、次男にとって長男は憧れであり、親友であり、ライバル。次男は長男が笑うと、自分も理解していると装ってワンテンポ遅れて笑ってみせます。

末っ子の長女は、この頃やっとリアクションにバリエーションが出てきた頃で、目が合うとよく笑うようになっていました。先を行く長男と必死で追いかける次男、よく分からないけど楽しそうな雰囲気でうれしい末っ子。食後のちょっとしたひと時ですが、それぞれの成長と関係性が面白くて、描き残しておきたくなりました」

Q.「笑い」以外に、まねをしたり、似たような反応をしたりすることはあるのですか。

ツルリンゴスターさん「長男がストローでジュースを飲めば、次男もストローで飲む、長男がばんそうこうを貼っていると、次男も無傷なのに貼りたがるなど、普段の生活の中で兄弟で連鎖することはたくさんあります。次男は憧れたものに真っすぐ向かう性格なので、尊敬する長男がやっていることをよく見ています」

Q.最後に「チラ」と見ているところが面白いです。次男ならではの、場を読む力のようなものがあるのでしょうか。

ツルリンゴスターさん「私は自分の子しか育てていないので、『次男ならでは』なのかはよく分かりません。空気を読むというより、純粋に兄と同じことをしたがっているように見えますが、それは家族の中にいるときが多いと思います。

たくさんの人がいる中では、逆に兄とは違う方向にわざと自分を向けることがあります。例えば、テーマパークのアトラクションで長男が前のめりで楽しんでいると、次男はツンとつまらなそうにしたり。やっぱり兄弟は繊細、微妙な関係ですね」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

ツルリンゴスターさん「『あるあるですね』と共感の声を多く頂いた他、『この年齢になるとバラエティー番組が見られるようになるんですね、今から楽しみです!』と、小さなお子さまがいる親御さんからメッセージを頂きました。うれしかったです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

ツルリンゴスターさん「変わらず、日常であった出来事をそのまま描いていきたいです。どんな方法であれ一生、絵を描いていくと思うので、子育て以外でも自分が感動したものをできるだけ描いていけたらと思っています。それが仕事にリンクできるタイミングがあれば、喜んで飛び込みます。イラストも漫画も仕事の成果も自分の中にあるものからしか生まれないと分かったので、自分の幅と深さを広げていきたいです」

オトナンサー編集部

テレビ視聴中の3きょうだいの様子を描いた漫画のカット=ツルリンゴスター(tsururingostar)さん提供