自動車は現代社会においてなくてはならない存在である一方、多すぎる自動車による「交通渋滞」は時間的な損失や経済損失をもたらすものだ。中国の都市部では慢性的な交通渋滞が発生していて、社会問題となっている。中国メディアの今日頭条は9日付で「東京はなぜ深刻な渋滞が起きないのか」と題する記事を掲載、その理由は「とても考えさせられる」と論じた。

 記事は東京圏の人口は北京よりも多く、また人口密度や自動車保有台数も北京を上回っているにも関わらず、東京で深刻な渋滞が発生しているという話はめったに聞かないと紹介。また東京の優れた交通状況は決して自然に生じたわけではなく、政府とドライバーの協力と努力の結果であると指摘した。

 この努力には東京都の主導による商業貨物配送の共同化、また記事が「とても便利」と絶賛してやまない東京の地下鉄、さらに地下駐車場や立体駐車場の建設に加えて、駐車監視員を導入したことによる違反駐車の減少、渋滞距離及び渋滞時間の短縮の点で大きな効果が見られたことなどが含まれると紹介。また交通違反の罰金の高さのほか、歩行者と運転者に交通ルールを十分に遵守する意識を育ませたことも、渋滞減少に大きく寄与していると指摘した。
 
 また記事は日本の多くの都市では自動車の走行速度が一定かつスムーズで、それは歩行者が信号の指示をよく遵守し、信号無視をする人が少ないからだと指摘している。中国では歩行者も電動バイクも自動車も信号を無視することに慣れているため、ドライバーは事故を回避するために車をゆっくり走らせている。

 交通ルールの不徹底も中国で交通渋滞を招く一因だと言えるが、ある中国人ネットユーザーは車の強引な車線割り込みも交通渋滞の原因であるとし「中国のドライバーは自分勝手過ぎる」とコメントしたが、このコメントに最も多くの支持が集まっていた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

深刻な渋滞が起きない東京、その背後にある努力に「考えさせられる」=中国メディア