「子供が生まれるから犬は不要」―そんな理由で飼い主によって動物保護施設に持ち込まれた犬がいた。里親探しのために公開されたこの犬の動画に、「こんな悲し気な表情をした犬を見たことがない」と多くの人が胸を締め付けられたようだ。『Metro』『Express』などが伝えている。

米テキサス州を拠点とする犬の譲渡会を告知しているFacebookページ「Molly Chance」に昨年8月、里親を募集するため1頭の犬の動画が投稿された。“ロコ(Rocco)”という名のこの雄のジャーマンシェパードの飼い主は、子供が生まれるという理由でロコを必要としなくなったようだ。

ダラスのアニマルシェルターに持ち込まれたロコは、突然の環境の変化に怯えた様子だった。また飼い主に捨てられたことを悟っているかのような悲し気な表情をしており、檻の中のロコはスタッフの呼びかけにも目を合わせられないほど怯え切っていた。

以前の飼い主がどのような飼育をしていたか定かではないが、通常のジャーマンシェパードの体重が85~90ポンド(約39~41キロ)であるのに対して、当時3歳だったロコの体重は60ポンド(約27キロ)しかなかった。

また、米マサチューセッツ州にあるタフツ大学カミングス獣医学部の公式サイトには「犬は突然、飼い主と離れ離れになって違う環境に置かれることで大きなストレスを感じる。さらにシェルターなどの他の犬の鳴き声が響く場所は犬にとっても大きなストレスとなる」とあり、ストレスがひどい時は反復行動を続けたり、破壊的行動が見られることもあるという。

ロコを保護した同シェルターのスタッフもその点については重々周知しているようで、里親が早く見つかるようにロコの姿を動画に収めてFacebookに投稿した。

檻の隅に座り、ガックリと肩を落としたロコの姿は多くの人の涙を誘った。「子供が生まれるからって何が問題なの? 私は息子と一緒に子犬を育てたわ」「ロコはとても悲しそうに見える」「これは胸が痛い。早く元気になってほしい」「人間はひどいよ。ここまで心を傷つけるなんて」とロコを思う悲痛なコメントが集まった。

このロコの動画は400万回以上も再生され、里親希望者が続々と現れた。そしてロコの動画を見たジャーマンシェパード専門のレスキューグループに所属するボランティアスタッフのプリーシ・ピライパッカムさん(Preethi Pillaipakkam)が、ロコの心のケアも含めて里親が見つかるまで自宅で預かることにした。

はじめは緊張していた様子のロコもプリーシさん家族の愛情を受け、愛嬌たっぷりの犬に変わっていった。また希望者が多かったことで里親はすぐに見つかり、ロコは新しい家族と一緒に暮らすこととなったのだ。

新しい家族のもとでは、先住犬と一緒に遊ぶロコの姿がある。なおアカウント名「Rocco(roccostar_gsd)」のInstagramでは、ロコの保護された当時から今の元気な姿を見ることができる。

画像は『Molly Chance 2018年8月28日付Facebook「Rocco is at Dallas Animal Services.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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