SaaS型のCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールを提供するCircleCIが日本市場への投資を強化している。ジム・ローズCEOは「CI/CDツールのマーケット自体が急速に拡大している中で、CircleCIは毎年2倍以上の売上拡大を継続している。日本は米国に次ぐ世界で2番目に大きな市場であり、日本への投資をさらに進めることでグローバルの成長に拍車をかけたい」と強調する。

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 CI/CDは、アプリケーションのコード変更を自動的にテストして本番環境にリリースできるようにする開発手法で、アプリケーションに変更を加える際の開発・導入の負担を低減できる。アジャイル開発の浸透などによりCI/CDツールの需要は近年急速に拡大しているという。

 2011年創業のCircleCIは、こうした市場の盛り上がりを追い風に業績を伸ばし、今年7月には5600万ドルを資金調達し、これまでの資金調達額の累計は1億1550万ドルに達している。ローズCEOはその背景について、「アプリケーションがクラウドネイティブになってサービス型で提供されるケースが多くなっており、プロセスとしてのCI/CDの重要性が高まっている」と説明する。

 日本には昨年6月に米国以外では初の拠点を設置。「CircleCIは世界中の開発者を対象にマーケティングしてきたが、米国に次いで利用が多かったのが日本のユーザーで、ローカルのサポートを充実させてさらに顧客基盤を拡大したい」(ローズCEO)と考えたからだ。

 現在、日本市場ではウェブサービス系のスタートアップから大手企業まで幅広く使われているほか、「伝統的な大企業がスタートアップのイノベーションのスピードについていこうとして導入するケースも増えている」(森本健介・カントリーマネージャー)という。市場開拓のための取り組みとしては、幅広いユーザーの知見を共有できるユーザーコミュニティーの拡大に注力している。(本多和幸)

ジム・ローズCEO(左)と森本健介・カントリーマネージャー