8月14日、夏の全国高校野球2回戦の鶴岡東(山形)対習志野(千葉)戦が行われた。結果は鶴岡東が9対5で習志野を下し、3回戦へ進出した。

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※画像はイメージです(以下、同じ)
 鶴岡東の2回戦について「持ち前の打力を発揮し、大会全体に強烈なインパクトを植え付けた」と分析するスポーツライターの佐藤文孝氏が掘り下げる(以下、佐藤氏の寄稿)。

鶴岡東の勢いを凝縮させた2回表の攻撃

 1回戦の高松商業戦では先制され2点のリードをひっくり返す展開となったが、この2回戦では派手な形で先手を取り、選抜準優勝校を相手に一気に主導権を握っている。

 特に2回表の5得点は今大会の鶴岡東の存在感を多くの人々の記憶に刻み付けたと言って良いだろう。

 先制点を挙げた後、ランナー1・2塁から9番・投手の影山雄貴の打席。あわやホームランかという角度、そして高々と打ち上がったボールがフェンスに当たりグラウンドに転がる。変化球が外、内、外と続いた4球目、近めに来た変化球を打ち返す。長身、懐の深い影山の引き付けて叩いたバッティングで走者2人が帰った。

 続く1番・河野宏貴の打席も4球目、外角高めに浮いた変化球を捕まえ、強い打球は三遊間を破りさらに1点を追加。2番・竹内は6球目の外の直球をレフトに打ち返した。右打者2人はいずれも外の高めのボールを見逃すことなく得点、好機に繋げる。

鶴岡東がみせた“打線の厚み”

 4対0となったところで習志野は先発の左腕山内翔太から背番号1を背負う飯塚脩人へ。しかし、3番打者・山下陽生が代わり端の初球、ここも外のストレートをはじき返しセンター前、5点目のランナーが帰った。

 この2回表、長打は1本ながら、計6本の安打を浴びせ、積み上げた得点以上の打線の厚みが伝わる繋がりをみせた鶴岡東の攻撃。特に投手・影山からの4連打は見事なまでに試合の流れを引き寄せた。

 また、この連打の前に得た先制点は四球で出塁したランナーを6番打者・森弦起が外角のスライダーを綺麗にライトへ運び、左打者7番・山路将太郎は初球を引っ張り、1・2塁間を破っての得点だった。四球を選んだ5番・丸山蓮は外の際どいボールを確実に見極め、出塁に繋げたことからこの回の大量点が始まっている。

さらなる上位進出への期待

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 試合は鶴岡東がその後も得点を重ね、9対5で習志野を下し3回戦へ。終盤の8・9回に2打席連続で本塁打を放つなど3安打の活躍をみせた丸山の試合後のコメントでは、同校の甲子園史上、記録を塗り替える2勝目について「うれしい気持ちでいっぱいであり、そして次に備えるという気持ちでもあります」と語った。

 その言葉からはチーム全体が更なる高みを目指していることはもちろん、その可能性が充分備わっていることも感じさせた。

 試合内容、そして選手の表情からも自信と充実感が窺えており、早くも今大会のベストチームに挙げられるほどの勢いをみせつけてきている。

3回戦の相手は関東第一

 内外角のボールの打ち分ける技術、四球も選び失投も見逃すことのない選球眼、また何より好球に対して、思い切りよく振っていく積極性を披露し続けている。

 豪打の打線という言葉は似合わないながら、相手を圧倒し畳みかけていく力強さはもちろん、選手たちが放つ個性は鶴岡東高校独特の迫力を生み出しており、その打線の繋がりから奏でられるリズムは我々野球ファンを存分に惹きつけている。

 ここまでの戦いぶりからは3回戦以降もさらに魅力と存在感を発揮していくだろう。3回戦8月17日、関東第一高校(東東京)と対戦する予定だ。

TEXT/佐藤文孝>

【佐藤文孝】

新潟県在住。Jリーグプロ野球大相撲サッカーW杯、オリンピックなど多くのスポーツの現場に足を運び、選手、競技から伝えられる感動を文章に綴っている

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