世界2冠の堀口恭司に日本格闘技界の明日を担う朝倉海が挑む大一番がメインとなる『RIZIN.18』。だが、もちろん見どころはそれだけにとどまらない。堀口と並ぶ女王の参戦、再び頂点を目指す浅倉カンナの再始動、堀口を頂点とするバンタム級ウォーズの激化、男子ストロー級最高峰の一戦とエキサイティングなカードが並ぶ。

■女子スーパーアトム級世界最強王者・浜崎朱加

浜崎朱加 vs. アム・ザ・ロケット

浜崎朱加 vs. アム・ザ・ロケット

現在RIZINスーパーアトム級王者に君臨する浜崎朱加は高校・大学・実業団と柔道を経験した後MMAを開始。柔道で培ったテイクダウンからの極めを武器とし連戦連勝で進み、JEWELS初代ライト級(52㎏)王者となる(2010年)。

その後はアメリカの女子団体Invictaに参戦し、ストロー級(52.2kg)からアトム級(47.6kg)へ階級を下げ、王座を戴冠(2015年)。同王座は2度防衛を果たした後で返上し、18年5月から戦いの場をRIZINへ移す。

そこから2連勝を決めた浜崎は3戦目の大晦日RIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦で浅倉カンナと対戦し、アームバーで貫録の勝利を果たし初代王者の座に就いた。

■ムエタイ世界王者を迎撃

同王座は4月、浜崎の返上したInvictaアトム級王座を巻くジン・ユ・フレイを相手に迎え、判定で勝利し初防衛に成功。続いて今回はタイからの強豪アム・ザ・ロケットが相手となる。

アムはムエタイで80戦以上の戦績を持ち、WPMFとWMCの王座も持つファイター。一方で柔術でも黒帯を持ち、17年のアジア選手権を制しているほか、19年3月のDEEP JEWELSでもチョークで一本勝ちするなど、“立ってよし寝てよし”のオールラウンドな強さを見せている。

浜崎が王者に君臨するRIZIN女子スーパーアトム級は次期挑戦者を巡り山本美憂vsハム・ソヒ戦が決定的となるなど、現在動きが活発になってきている。しかしアトム級およびスーパーアトム級では名実ともに世界一の呼び声が高い浜崎だけに、得意のテイクダウンからの極めで仕留め、王者の強さを見せたいところ。女王・浜崎の圧勝劇が期待される。

■浅倉カンナ、復活の舞台へ

浅倉カンナ vs. アリーシャ・ザペテラ

浅倉カンナ vs. アリーシャ・ザペテラ

浅倉カンナは17年に行われたRIZIN女子スーパーアトムトーナメントで勝ち上がり、決勝でそれまでRIZIN女子を牽引する存在であったRENAにチョークで一本勝ちして優勝。ニューヒロインとして2018年を迎える。

追う立場から追われる立場となった昨年の浅倉はRENAのリベンジを退け(7月)、大晦日の浜崎戦へと駒を進めるが、一本負けでRIZIN女子スーパーアトム級王座戴冠ならず。19年は出直しの戦いとなる。

しかし6月のRIZIN.16では山本美憂と対戦し、同じレスリングを強みとする山本に上回られて判定負け。今回が再起戦と現在苦しい立ち位置にある。

■カンナに迫るレスリングエリート

そんな中、今回浅倉の対戦相手となるのがアリーシャ・ザペテラ。山本と同じくレスリング出身で全米選手権の常連、オリンピック最終選考にも残るほどのレスリングエリートである。

浅倉は浜崎、山本とテイクダウンに長けた相手にRIZINで連敗。自身の持ち味であるテイクダウンを今回もアリーシャ相手に封じられる可能性があり、そうなった場合別の展開を持ってくることができるか。対するアリーシャも前戦では打ち合いで敗北を喫しており、くしくも両者はともに再起を懸ける一戦。スーパーアトム級再浮上を期する浅倉と、逆に切り込みを狙うアリーシャ。レスラー対決、勝つのはどちらで、いかなる戦いとなるか。

■バンタム級ウォーズにニューカマー

ビクター・ヘンリー vs. トレント・ガーダム

ビクターヘンリー vs. トレント・ガーダム

現在堀口を頂点とするRIZINバンタム級。石渡伸太郎・扇久保博正・佐々木憂流迦・元谷友貴とバンタム級四天王がその首を狙い、今大会では朝倉海が挑むが、激化は止まらない。さらにニューカマーが追加となる。

まずジョシュ・バーネットを師匠とするビクターヘンリー。これまで所英男、上田将勝、大塚隆史、元谷友貴と降してきた“日本人キラー”でもあるビクターは立っても寝てもKO・一本を狙いにいくアグレッシブスタイルで、日本のファンからも支持を集めてきた。今年3月には元谷を降してDEEPバンタム級王者となり、堀口の首そしてRIZINの頂点を狙い満を持して参戦を果たす。

対するトレント・ガーダムはMMAで13戦、ムエタイで20戦をこなす二刀流ファイター。日本の大会に参戦するのは今回が2度目となり、初来日は昨年11月シュートボクシング『S-cup 65kg 世界 TOURNAMENT 2018』。出場選手の負傷により急遽参戦しトーナメントに臨むと、日本屈指の実力者・健太と渡り合い判定負けを喫した。MMAでは今年に入り2連勝、現在までMMAでは11勝2敗の戦績でムエタイの打撃とチョークを武器に、バンタム級外国人エースの座をビクターと争う。

■日本人UFC記録を持つレジェンド・水垣偉弥

マネル・ケイプ vs. 水垣偉弥

マネル・ケイプ vs. 水垣偉弥

またUFCにおいて日本選手の記録となる5連勝を飾っている軽量級のレジェンド・水垣偉弥が初参戦。2005年に修斗でプロデビューした水垣は、その後主戦場としたCAGE FORCEでバンタム級王座を獲得。その後、アメリカWECに参戦するとバンタム級王座に挑戦するも、これは惜しくも判定負けで戴冠ならず(09年)。その後11年からはUFCに参戦を始め、14試合を行い8勝6敗。ランキングにも名を連ねた。

UFC離脱後はロシアのACBを経て、今年5月日本に帰還。DEEPで昇侍を相手に判定勝利を上げ、今回“アンゴラの暴走王”マネル・ケイプとの対戦が決まった。ケイプは堀口恭司、朝倉海、佐々木憂流迦には敗れるも、いずれも際どい勝負を演じており、山本アーセン、イアン・マッコール、中村優作、伊藤盛一郎を降した爆発力は特筆される。はたしてそのパワーと勢いで水垣も飲み込んでしまうのか、あるいは水垣が経験に裏打ちされたインサイドワークでケイプを手玉に取るのか。両者にとって、勝てばバンタム級上位グループ、負ければ下位グループ行きとなる分け目の一戦だ。

■ストロー級最高峰の決戦

越智晴雄 vs. ジャレッド・ブルックス

越智晴雄 vs. ジャレッドブルック

ストロー級で実現する最高峰の戦いにも注目。DEEPストロー級王者・越智晴雄は昨年RIZINパンクラスの砂辺光久と王者対決に臨むと、サッカーボールキックで3R KOで撃破。国内ストロー級最強の座に立った。

しかし今回迎えるジャレッドブルックスは、軽量級離れした強打と相手を弱らせてのチョークを得意とする“北米最強のストローファイター”とも言うべき男。どちらも殺傷力ある選手だけにスリリングな一戦が予想される。越智かジャレッドか、RIZINストロー級を切り開く戦いとなるかもしれない。

そのほか、秋に開幕するライト級GPをにらんだ上迫博仁vs元ブレイクダンサーという異色の経歴を持つイーブス・ランドゥー戦、6月のRIZIN.16で鮮烈なKOデビューを果たした征矢貴の再登場、格闘代理戦争から無敗で進む新鋭・あいの第4戦と、見どころ多数。真夏の名古屋がさらに熱く燃え上がる。

(文:長谷川 亮)

『RIZIN.18』は8月18日(日)開催