17-18シーズン決勝のレアル戦前のエピソードをワイナルドゥムが明かす

 リバプールオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムが、ユルゲン・クロップ監督との関係について語り、2017-18シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝前に同監督がチームをリラックスさせようとユニークな方法を採ったことを明かした。米メディア「ジ・アスレチック」に語った内容を、英衛星放送「スカイ・スポーツ」などが伝えている。

 ウクライナキエフで行われたレアル・マドリードとのCL決勝を前に、リバプールロッカールームにはピリピリした空気が流れていた。大会2連覇中のレアルを相手に、選手たちは自分たちがチャレンジャーであることを認識しており、大一番を前にした最後のミーティングでクロップ監督が何を語るのか、緊張した面持ちで見つめていたという。

 すると、指揮官はいったん自分のシャツをたくし上げたかと思うと、それをズボンの中にしまうと思いきや、履いていたボクサーパンツの中にイン。選手たちは当惑して互いに顔を見合わせながら、クロップ監督を見つめ、それからそのパンツが当時レアル・マドリードのエースだったFWクリスティアーノ・ロナウド(現ユベントス)のブランド“CR7”のパンツであることに気づいた。ワイナルドゥムは、その時のことをこう振り返る。

「監督がクリスティアーノ・ロナウドボクサーパンツを履いていたのをみんな見たよ。彼は“CR7”のパンツの中に、シャツを入れたままミーティングをやったんだ。ロッカールームが爆笑の渦に包まれた。あれで緊張がほぐれたね。ああいう状況では誰もが真剣になり、集中している。でも、彼はリラックスしていて僕らを笑わせたんだ」

 ワイナルドゥムは「彼は今までもこの手のジョークを山ほど見せてきた。監督が自信に満ち、リラックスしていると、それが選手にも伝わる」とコメントし、クロップ監督の“ギャグ”やボディーランゲージのおかげで、選手はプレッシャーから解放されると証言した。

「僕にとって本当に特別な人。監督以上の、本当にいい友だちなんだ」

 あいにくこの試合でレアルを倒すことができなかったリバプールだが、翌18-19シーズンのCL決勝ではトットナムとのイングランド勢対決を2-0で制し、14年ぶり6度目のCL制覇を達成。チームを欧州王者に導く偉業を達成したクロップ監督だが、ワイナルドゥムにとっては友人的存在だという。

「何か困ったことがあると、いつも監督のところに行くんだ。この間もメールで、時間を取ってもらえるか尋ねたよ。『悪いこと? 良いこと? 何があった?』と、いつも気にしてくれる。彼は常に相手の気持ちを理解しようとしてくれるし、僕にとって本当に特別な人だ。監督以上の、本当にいい友だちという感じだね」

 タッチライン際で鬼の形相を見せることもあるが、ジョークで選手の緊張を解く術も心得ているクロップ監督。同監督の下、リバプールは14日のUEFAスーパーカップで昨季ヨーロッパリーグ(EL)王者チェルシーと対戦し、PK戦の末に優勝を飾る好スタートを切っている。(Football ZONE web編集部)

リバプールのMFワイナルドゥム、クロップ監督【写真:Getty Images】