スマホRattankun Thongbun/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

スマートフォン向けゲームアプリ『ポケモンGO』。これが絡んだ事件や事故があれだけ起きていたというのに、まだこんなコトをしているとは…。

■運転席周辺に並ぶスマホ8台

シアトルの南に位置する米国ワシントン州キング郡のべリアン市で13日、危険運転の可能性のある1人の男が警察官に注意を受けた。なんとスマホ8台を同時に操りながら、『ポケモンGO』を楽しんでいたのだ。

現場はべリアン市の東部から東に走る州道518号線。路肩に停車している1台の車両を見つけた州警察の交通パトロール隊員はトラブルであれば助けたいとして運転手に声をかけた。これによりその仰天の事実が発覚したという。

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■通勤途中にもかかわらず…

「通勤途中です」と言いながら、車を停止させてポケモンGOに興じていたその男。隊員が問い詰めると、「運転中はさすがにゲームはしません。やりたくなった時に車をこうして止めています」と主張した。

隊員も危険運転の現場を捉えたわけではないため、この運転手に対して道路交通法違反のキップを切るわけにはいかなかった。

そんな理由で車を高速道路の路肩に停車させてはならないことを男に説明し、運転中はすべてのスマホを後部座席に置くべきだと告げると、隊員はその場を去るしかなかったという。

■ゲームに夢中になりすぎた人々

ポケモンGOに関しては日本でもさまざまな報道がなされた。事故の話題に眉をひそめた人はやはり多く、それはアメリカでも同様だ。

・2016年7月、カリフォルニア州サンディエゴ近郊で20代前半の男性2名が立ち入り禁止の表示があるフェンスの中に入り、崖から転落して負傷。

・2016年7月、ペンシルベニア州の交通量の多い幹線道路に侵入した少女が車にはねられる。どうしても欲しいアイテムをゲットするべく夢中で横断してしまったという。

・2016年7月、ニューヨーク州オーバーン市で1台の乗用車が木に激突して大破。ポケモンGOに興じていた28歳の男性が足を骨折し、病院に救急搬送された。「命を落とさなかったのは奇跡」だと報じられる。

■親の不安は尽きない

もちろんポケモンGO絡みの事件も多数起きている。また、ゲームのためうろうろする子供たちが小児性愛者のターゲットにならないよう、行政も動いて話題になった。

・フロリダ州のパームコーストで2016年7月の深夜、ある民家の庭にティーン2名が侵入。はしゃいでいる様子に気づいた家主が銃を構え、威嚇のため彼らが乗ってきた車に向け発砲した。

この事件について、「夢中になると他人の私有地でもつい侵入してしまう」と告白する少年少女が多いことも話題になった。

・2016年7月、世界で初めてポケモンGO絡みの殺人事件がグアテマラで発生。人通りの少ない路上でゲームをしていた2名が銃で撃たれ、18歳の男性が死亡。いとこが足に重傷を負う。犯人は2人からスマホを強奪しようとしていた。

・ゲームに夢中になり、どこまでも出かけてしまう子どもたちに小児性愛者が親しげに声をかけ、誘拐する危険性があることを親たちが強く案じるように。

ニューヨーク州知事は2016年8月、「性犯罪者ポケモンGO利用を禁じたい」としてナイアンティックNiantic)社に協力を要請した。

完全にブームが去ったという人もいれば、むしろ「やり易くなった」と言う声もあり、今なお人気のポケモンGO。わが身の安全を守るためにも、周囲が見えなくなるほど溺れ込んでしまわないよう気をつけてほしいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

運転席にスマホ8台 ポケモンGOに興じていた男が逮捕されなかった理由は…