明治安田生命J1リーグ第23節の湘南ベルマーレvsサガン鳥栖が17日にShonan BMWスタジアム平塚で行われ、3-2で鳥栖が勝利した。

ここまで9勝2分け11敗で11位に位置する湘南(勝ち点29)と、6勝3分け13敗で16位に沈む鳥栖(勝ち点16)が激突した。前節のジュビロ磐田戦を3-2で勝利して連勝の湘南だが、パワハラ疑惑問題が浮上したチョウ・キジェ監督が調査終了まで活動自粛となり、高橋健二コーチが監督代行として指揮。前節と同様のメンバーを先発起用して3連勝を狙った。

対して、前節のセレッソ大阪戦を2-1で逆転勝利を飾り、自動降格圏を脱出した鳥栖。残留争いから脱するべく、今節も勝利を積み重ねたい一戦となる。その今節に向け、三丸や小林、フェルナンド・トーレスに代えて、松岡や金崎、15日に名古屋グランパスから加入した金井を起用した。

アウェイの鳥栖は5分、安庸佑が仕掛けてボックス右に侵攻し、クロスを送ると、こぼれ球に原川が反応。そのまま右足を振り抜こうとしたが、齊藤に阻まれてしまう。すると、齊藤との接触で右足を痛めた原川がプレー続行不可能に。鳥栖は福田をスクランブル投入する事態に見舞われる。

序盤から気持ちの入ったプレーを見せる湘南は12分、ボックス手前でパスを受けた山崎がミドルシュート。しかし、これはわずかにクロスバーの上に外れた。さらに16分、山崎のポストプレーでパスを受けた野田がハーフウェイライン付近からロングシュート。これがゴール方向に飛ぶも、クロスバーに嫌われてしまい、先制点とはならない。

立て続けにヒヤリとする場面を作られた鳥栖だが、25分に先制点。スローインの流れからボックス右外の原がボックス内の金崎にボールを預け、ボックス右に走り込む。ゴール前にリターンすると、最後はイサッククエンカが合わせ、これがGK秋元に触られながらもゴールに吸い込まれた。

先制点を奪われた湘南はすぐさま攻勢を強める。しかし、鳥栖がこの反撃を耐え続けて追加点。41分、ボックス左手前で金崎とパス交換した金森がキープから右サイドに展開する。これを原が中央をよく見てダイレクトでクロスを送り、フリーで走り込んだイサッククエンカがプッシュした。

2点ビハインドと苦しい戦いを強いられる湘南。それでも43分、右サイドの小林のクロスがゴール前で混戦になると、ボックス左でボールを拾った野田の2度のシュートは阻まれるも、中央にこぼれたボールを松田が詰める。シュートは相手DFに当たったが、ゴールライン付近で待ち構えていた高橋秀人の伸ばした右足をかわしてゴールラインを割った。

後半、1点を追いかける湘南が猛攻に出る。51分、右サイドからの横パスを山崎が触って左サイドに流れると、野田がボックス左からカットインシュート。右足で巻いたシュートは惜しくもクロスバーの上を通過した。それでも57分、松田が自身の蹴った左CKの跳ね返りを拾い、ファーサイドにクロスを供給。坂のヘディングシュートはギリギリのところで金井にクリアされるも、こぼれ球を古林が頭で押し込み、同点に追いついた。

スコアが2-2となり、両者の攻防は激しさを増す。そんな中、湘南は68分に野田を下げてクリスラン、74分に小林を下げて岡本を投入する。

すると74分、湘南は投入されたばかりの岡本が右サイドを突破してクロス。山崎がゴール前に飛び込んだが、原の寄せもあり、ボールを枠に飛ばすことができない。さらに78分、ゴール前の浮き球をクリスランがオーバーヘッド。逆転ゴールを目指し、気迫こもったプレーを見せたが、クリスランがこのプレーで右腕を負傷。湘南は山田を投入して交代カードを使い切る。

試合は2-2のまま進み、このままドローで終わるかに思われたが、試合終了間際に劇的な形で決着が着く。鳥栖はアディショナルタイム5分、ボックス右外でボールを収めた小野がクロス。中央で豊田が頭で触ると、ゴール前左に流れたボールを走り込んでいた金井が押し込んでゴールネットを揺らした。

これが決勝点となり、鳥栖は3-2で勝利して連勝を飾った。対する湘南は連勝が止まり、3試合ぶり黒星を喫している。

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