カスティージャの一員として3部レオネサ戦フル出場、前半の決定機を生かし切れず

 レアル・マドリードの日本代表MF久保建英は現地時間14日、カスティージャ(Bチーム)の一員として3部クルトゥラル・レオネサとのテストマッチ(0-3)にフル出場した。随所で高いテクニックを発揮した一方、トップチーム昇格に向けて課題も露呈している。

 今夏、FC東京からレアルに移籍した久保はフベニールA(U-19)に登録。ジネディーヌ・ジダン監督は久保について、トップチームの練習に参加させながら、カスティージャで試合に出場させる方針を打ち出している。

 その久保はカスティージャの一員として、レオネサとのテストマッチに出場。4-4-2の右MFで先発すると序盤から積極的な姿勢を見せ、前半11分にはドリブルで中央突破を図る。相手に一度ブロックされたものの、こぼれ球を拾った味方から再びパスを受けると、相手をかわして強烈なシュートを放ってゴールに迫った。

 また前半17分には、右サイドでパスを受けた久保が相手と対峙。相手の重心を見極めながら、左足首でくいっとスペースにボールを押し出して軽やかに抜き去り、味方のシュートチャンスを演出した。後半には股抜きで相手を翻弄したかと思えば、軽やかなジャンプでタックルを回避するなど、久保のスキルと動きは間違いなく際立っていたと言えるだろう。

 その一方、この試合でトップチーム昇格に向けて改善点が見えたのも確かだ。前半40分、左サイドから崩してエリア内の久保へラストパスが渡る。フリーの状態で、利き足の左足を振り抜いた久保だが、シュートは精度を欠いて相手GKの正面を突き、決定機を逃している。

後半、立て続けに好機到来も… 天を仰ぐ仕草が物語るチャンスの大きさ

 また後半にも立て続けにチャンスが訪れた。後半19分、味方が左サイドを深くえぐってマイナスのパスを送り、最後は久保が左足シュートを放つもミートが甘く仕留めきれず。さらに直後の同20分、スルーパスに抜け出した久保が右足シュートを放ったが、コースが甘くなり、相手GKのセーブに阻まれた。

 久保は最終的に三度のゴールチャンスを逃す形となったが、トップチーム昇格を目指すなか、“限られたチャンスで仕留め切る力”は不可欠な要素と言える。この日のチャンスを迎えた場面を考えれば、少なくとも1ゴールは決めて目に見える結果を残したかったところだ。とりわけ最初のチャンス後、久保は天を仰ぐ仕草を見せており、それがチャンスの大きさを物語っている。

 カスティージャは18日のテストマッチ・3部ブルゴス戦を経て、25日に3部リーグ開幕戦のラス・ロサス戦を迎える。首脳陣にアピールするうえで、ゴールに直結する働きが求められるなか、久保はゴールやアシストで存在感を高められるだろうか。(Football ZONE web編集部)

レアル・マドリードMF久保建英は課題も指摘されている【写真:Yukihito Taguchi】