―[老親のお金を守れ!]―

 必死に働いて築いた親世代の資産。総務省データによれば70歳以上の人の平均貯蓄額は2249万円に上り、その多くはいずれ子供や孫に相続されることになるだろう。しかし、何もせずにいると、親の資産は失うリスクを伴う。老親のお金を守るのは子供の役目。今こそ親の資産を守る方法を学ぶべし!

スマホが凶器に変貌! 増加するデジタル遺品

 個人情報から現金まで、あらゆるデータデジタルでやりとりされる現在。親を看取った子どもには、ウェブ上の情報や、スマホパソコンといった「デジタル遺品」への対応も求められる。終活事情に詳しいライターの古田雄介氏に話を聞いた。

デジタル遺品は遺族からは見えにくく、かつ業界のサポート体制も整い切っていないので、気づかれずに放置される可能性が高いです。実際にメインバンクにしていたネット口座が塩漬けになったり、動画配信サービスや電子版新聞の引き落としが死後数か月にわたって続くといったことも起きています。また、仮想通貨パスワードがないと売買できませんが、パスワード不明でも相続税の対象になることが’18年3月の国会答弁で明言されています」

 特に厄介なのは、スマホが開けなくなってしまうケースだ。

パソコンならHDDを取り出したり、セーフモードで中身を確認するなど、まだ対処法はありますが、スマホは本当に難攻不落です。対応するデジタル遺品会社自体少なく確実に成功するとは限りませんし、成功報酬も平均20万円超と安くない」

 死後は被害の把握も、対処も難しいデジタル遺品。今後はますます注意が必要だ。

「キャッシュレス化の促進、情報銀行の創設、アプリによる治療推進で、スマホに蓄積される個人情報や資産が増えるのは確実です。しかし、キャリアもスマホメーカーも死後対応には積極的ではなく、ロックされると手出しできない状況は変わらないと思われます。パスワードは生前に書き出して、保管しておくことを強く勧めたいです」

 デジタル遺品を無事“成仏”させるため、生前に“お札”を用意してもらおう。

【古田雄介氏】
デジタル死生ライター。元葬儀社勤務の記者として、長年終活事情を取材。10年前からデジタル遺品の調査を続けている。著書に『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)
―[老親のお金を守れ!]―


デジタル遺品会社をもってしても、ロックされたスマホの壁を破るのは難しい。また、成功しても巨額の費用がかかってしまう