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 運命の出会いというのは、たいていが思いもかけない時に起こるものなのだろう。アメリカのある地質学者の男性が、ニューヨークの自宅から離れたペンシルベニア州での仕事中、1匹の子猫と出会った。

 当時、特に猫を飼いたいとも思っておらず、ペットを探してもいなかったという男性。しかし、子猫を見つけた瞬間から心を奪われ、今では深い絆を育む親友同士になったようだ。

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Geologist chosen by a kitten

ワークキャンプ場で発見された「小さな黒のモフモフのボール」

 8月初旬、地質学者のトニーさんは、作業のためペンシルベニア州のワークキャンプに滞在していた。

 ある日の朝6時頃、か細く小さな鳴き声を聞いたトニーさんが様子を伺うと、ワークキャンプの駐車場に小さな黒のモフモフしたボールのようなものがあり、それが子猫だと気付くまでに時間はかからなかった。

 子猫は小さな脚を懸命に動かして、トニーさんの傍に駆け寄り、あっという間にその体によじ登ると、トニーさんの肩に鼻を摺り寄せ、抱きしめてほしそうな仕草を見せた。

 そこで、トニーさんがそっと腕に抱きかかえると、子猫は安心したのか眠ってしまった。

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子猫はファームハウスから迷い出てしまった猫だった


 トニーさんたち作業員が滞在していた場所は、辺鄙で農地以外には民家もないところだった。

 果たして、この子猫がどこから来たのか。トニーさんは、最初にその子猫を見つけたという同僚から話を聞いた。

 その同僚は、数日前に道路の真ん中で疲れ切って眠っていたその子猫を、運転していた車でまたいでしまったそうだ。

 慌てて子猫が無事かどうか確認し、その後、彼はペンシルべニア州の動物保護施設に子猫を連れて行こうとしたが、施設にはスペースがなく拒否されてしまった。

 仕方なく、ワークキャンプ場まで子猫を連れて行き、誰かに拾ってもらえることを望んでいたという。

 それを聞いたトニーさんは、作業現場から少し離れた場所にあるファームハウスを訪れた。もしかすると、子猫はここから迷い出てしまったのではと思ったのだ。

 しかし、子猫のことをファームハウスの経営者に尋ねると、経営者は特に子猫を無事に連れ戻してくれたトニーさんに感謝する様子もなく、「持って行って。要らないのなら小屋に戻して。生命力があるのなら生き延びるだろ」と言い放った。

 ファームハウスの小汚い小屋には、30匹ほどの猫がおり、生活環境があまり良くないことを知ったトニーさんは、子猫を引き取る決心をした。

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猫の名を「スパッド(Spud)」と命名


 その後、トニーさんは一番近くの店まで車を走らせ、猫用のトイレと餌を購入。ワークキャンプへと戻り、早速子猫の世話をし始めた。

 他の作業員らもトニーさんも、キュートな子猫にすっかり心を奪われたようだ。猫には、「スパッド(Spud)」と名付けた。

スパッドは、初めてのエリアを掘削ドリルで掘ることを指します。発見した場所がワークキャンプだったことから、その名がふさわしいと思いました。(トニー)

 オス猫スパッドは、現場のラボにある椅子の上に枕と毛布を敷いてもらうと、気持ちよく眠り、また餌をもらうと旺盛な食欲をみせた。

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 トニーさんが作業から戻ると、すぐに駆け寄り甘えて傍を離れたがらないという。

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 どうやら、スパッドはトニーさんの顎ひげの下に体をうずめて眠るのが好きになったようだ。

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スパッド、ニューヨークにあるトニーさんの自宅へ


 スパッドを発見してから数日間は、ワークキャンプで作業をこなしていたトニーさんだったが、やがて自宅のあるニューヨークバッファロー市に帰る日が来た。

 スパッドは、他の作業員や現場の関係者らにもとても可愛がられていたため、みながスパッドとの別れを惜しんだ。

 自宅へとスパッドを連れ帰ったトニーさんは、早速お風呂でスパッドを綺麗にしてやり、獣医院にも連れていった。

 現在では、すっかりニューヨークでの新しい生活に慣れたスパッド。窓際で鳥が飛ぶ姿を見るのがお気に入りになっているという。

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別に猫が欲しいとも思ってなくて、探してもいなかったんだ。でも、スパッドに出会ってすっかり虜になってしまったよ。自分は、普段タフガイで通しているけれど、この子にはメロメロだね。

 このように語るトニーさん。突然のスパッドとの出会いは、きっと運命だったのだろう。安定のヒゲメンだし。

 今はまだ小さく、母猫が恋しいに違いないが、スパッドはトニーさんという永遠の親友を見つけたようだ。これからも仲良くね!

References:Love Meowなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52278306.html
 

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