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 ゲーミングデバイス特集第3回は、これからMMORPGを始めようという人のために「ゲーミングヘッドセット」について触れていく。トコトン楽しむためには没入感を得ることが重要であり、それを与えてくれるのは映像と音楽に他ならない。

 綺麗なグラフィックを楽しむためには、より高性能なPCパーツディスプレーが必要だ。しかし音もまた重要であり、良い音質を得るためには高性能なヘッドセット必要不可欠だ。

 また、時には友人やゲーム内の仲間たちとボイスチャットコミュニケーションを取りながらプレイし、高難易度ダンジョンやボスに挑むことが最近のプレイスタイルとして多く見られる。

 そのため、マイク機能の付いているヘッドホンを使用することも必要になってくるので、必然と「ゲーミングヘッドセット」を選択する必要がある。

 ヘッドホンからヘッドセットに表記が変わるのはマイク機能の有無によるものなので、ゲーミングヘッドホンと表記されることもあるし、どちらでも間違いではない。なお本稿では、市場での表記が多いほうに合わせてゲーミングヘッドセットと統一して表記する。

 そして今回はそのゲーミングヘッドセットを使ってプレイしたいMMORPGも合わせて紹介する。

遅延を嫌うなら有線接続
ケーブルを嫌うならワイヤレス接続

 ゲーミングヘッドセットを選ぶ際にまず注目したいのが、使用する際の接続方法だ。「有線接続」と「ワイヤレス接続」の2種類があり、両タイプともメリットデメリットがある。

 まずはそれについて解説していくので、どちらが自分のプレイ環境に合っているか考えてほしい。

 有線接続は、電池残量を気にしなくて良いのが最大のメリットだ。バッテリーが非搭載なので本体を充電する必要がない。

 デメリットは、ケーブルの長さの範囲でしか使用できないので、画面から離れて使いたい人には不向きだ。また、コードが絡まる可能性もあるので断線のリスクもある。

 ゲームをする際の自分の行動範囲が決まっていて、何時間も連続でプレイする人におすすめの接続方法だ。

 一方ワイヤレス接続は、受発信用の無線USBアダプターで接続するためケーブルが不要なので絡まる恐れがない。無線通信の範囲内であれば離れての使用が可能だ。

 また、現在は「aptX-LL」という低遅延のワイヤレスシステムがある。この技術はプレイステーション4コントローラーなどにも使われており、同規格のアダプターとヘッドセット同士、または同等の受発信USBアダプターとヘッドセット同士であれば低遅延での使用が可能だ。

 デメリットは、バッテリーを搭載しているため有線のものに比べて本体が重くなることだ。当然充電が必要なのでワイヤレス接続での連続使用時間が限られている。充電しながらの使用も可能だが、基本的にはコードレスの便利さを体感したい人におすすめの接続方法だ。

 どちらの接続方法も一長一短なので、単純にどちらの接続方法を使いたいかで製品を選ぶといい。

サラウンド機能も重要
付属のソフトウェアにも注目しよう

 次に注目すべき部分はサラウンド機能だ。一般的に、5.1chや7.1chのような表記があるヘッドセットがサラウンド機能搭載モデルであり、チャンネル数が大きいほどリアルサウンドで聞ける。

 サラウンドとは「囲む」という意味で、スピーカーなどで囲むような技術的機能のことをサラウンド機能と言う。

 たとえば、映画館ホームシアターのサラウンド機能は物理的な多数チャンネルスピーカーによるものなのに対し、サラウンドヘッドホンヘッドセットは人に錯覚を起こさせるソフトウェア的なサラウンド機能だ。

 チャンネル数が多いほど臨場感が増す仕組みになっており、臨場感と立体感のある音を体感できる技術を「バーチャルサラウンド」という。特に7.1ch対応のヘッドセットは、後ろからの音も立体的に再生できる。

 そのため、聞こえ方に個人差はあるものの、通常のステレオヘッドホンなどに比べると音が360度から聞こえるように感じられ、音源の位置もはっきりと認識できる。

 また、付属のソフトウェアで各方向の音の強弱を変えられるなど、カスタマイズできるものを選ぶのも大事になってくる。プリセットが用意されていればその中から選んでもいいし、完全に自分の好みに調整してもいい。

 加えて、気になる周波数帯域を調節してさらに没入感アップにつなげられるイコライザー機能もあるといい。これもプリセットが用意されていればその中から選んでもいいし、自分好みに調整してもいい。

 音というのは、どうしても人によって聞こえ方や好みが異なってくる。低音域が好きでよく聞きたい、高音域が好きでよく聞こえてほしいなどといった要望に最大限応えられるようなソフトウェアが付属していれば、プリセットから自分の好みに近いものを選び、そこから細かく微調整を加えていける。

 Windowsの設定でもできるのだが、設定画面を出すまでに手間がかかる上に出し方も分かりにくい。いざ設定しようとしてもゲーミング用途でプリセットの名前が設定されていないためわかりにくい。

 その点、付属のソフトウェアを使えば設定画面を即座に出すことができ、プリセットも最初からゲームジャンルごとに名付けて分けられているので、手間が省けたり迷うことなく使えるので非常に簡単で魅力的だ。ゲーミングヘッドセットを選ぶ際は、そういったところも踏まえて選びたい。

チームワークを高めるなら
ヘッドセットマイクベスト

 いきなり見出しを覆すようなことを書いてしまうが、高音質ボイスチャット環境を求めるのであれば、ヘッドセットマイクよりも個別にマイクを用意するほうがベストなのだが、これには大きな弱点が存在する。それは口とマイクとの距離が常に一定に保てないこと。

 たとえば、プレイしているときに細かい部分を確認しようと画面に顔を近づけたり、広範囲を見ようと遠ざけたりする。当然マイクは固定して設置するので、どうしてもマイクと口との距離が近づいたり離れたりする。

 マイクが遠ければボリュームを大きくする必要があるが、同時にマイクの周りにある環境音も拾いやすくなる。特にキーボードの打鍵音やマウスクリック音などが大きくなり、結果としてコミュニケーションが阻害されてしまう原因になる。

 ならば、マイクを口に近い位置で固定すれば自分の声を一番拾いやすくなるからと、マイクを自分の顔の前で固定すると今度はマイクが邪魔で自分のプレイに支障が出てくる。その点、ヘッドセットマイクを使えば口元で固定でき、プレイの邪魔にならない。

 また、個別にマイクを用意するとなると、それ以外にも出費がかさむ。たとえばマイクスタンドやアーム、マイクの種類によってはウィンスクリーンステレオミキサーマイクアンプなども必要になってくる。

 それらを買いそろえるだけでも、物によってはもう1つゲーミングヘッドセットが買えてしまうくらいの価格になる。それなら、マイクも一緒になっているゲーミングヘッドセットを使う方が非常に経済的だ。

 ヘッドセットマイクは、一般的には普通のマイクよりも性能は劣るが、最近の物は徐々に品質も良くなっておりコミュニケーションを取るには十分だ。なにより余計な配線作業で時間や労力を使うことなく使い始められる。

映像と音楽が没入感のカギ
最大限に楽しむならヘッドセットにこだわろう

 ここまで、ゲーミングヘッドセットを使うメリットについて解説してきた。ゲーミングヘッドセットで自身に合ったチューニングを施すことが、深い没入感を得てMMORPGプレイする上で非常に重要になる。

 また、チームワークコミュニケーションを円滑に取るためにも、ゲーミングヘッドセットをを使うことがベストだ。MMORPGなら多ボタンマウスマクロキー搭載のキーボードなどももちろん重要だが、ヘッドセットはそれ以上と言っても過言ではない。

筆者オススメのヘッドセット

 ここからは、オススメのヘッドセットを紹介していく。初めてゲーミングヘッドセットを購入する人や買い替えを検討している人は参考にしてもらいたい。なお、価格はすべて税込みで記載している。

USBサウンドデバイスが付属
ARCTIS 5 2019 Edition

メーカーSteelseries
●価格:1万8000円前後

 ゲーマー向けの無料ボイスチャットサービスDiscord」のベストゲーミングマイク認定を受けたヘッドセットマイクを搭載した密閉型の7.1chバーチャルサラウンド対応ゲーミングヘッドセット

 イコライザーの微調整やマイク設定、ゲームごとの構成の作成などをSteelSeries Engineというソフトウェアを使って設定できる。

 接続コネクタータイプUSBか4極3.5ミリプラグ。マイクは格納式になっているため、不要な時は収納しておくとよい。

 また、ChatMix Dial(チャットミックスダイアル)という簡易ミキサー機能付きのUSBサウンドデバイスが付属している。接続し設定することでゲーム用とボイスチャット用の2つの独立したオーディオデバイスとして表示され、双方の音量バランスを手元で調整できる優れものだ。

本体自体のカスタマイズが可能
Duel Modular Gaming Headset

メーカーAIAIAI×Fnatic Gear
●価格:3万3000円前後

 デンマークヘッドホンメーカー、AIAIAI(アイアイアイ)が世界でもトップクラスの実力を持つプロゲーミングチーム「Fnatic」(フナティック)が監修するゲーミング機器ブランド「Fnatic Gear」(フナティック・ギア)とコラボレーションしたモデルだ。

 ベースになっているのは「Duel TMA-2」というヘッドセットで、スピーカーユニット(耳当てにあたる部分)やヘッドバンド、イヤーパッドケーブルがそれぞれ数種類ずつあり、ユーザーが自由に組み合せて購入できる「モジュールシステム」を採り入れたユニークな製品だ。

 同梱のパーツを組み替えればオーディオ用のヘッドホンとしても使用できるとしており、そのポテンシャルは高い。

 密閉型構造で、接続端子は3.5ミリオーディオプラグと3.5ミリマイクプラグ。7.1chバーチャルサラウンド対応だが、付属のソフトウェアがないのでイコライザーの設定などはできない。サイズ180(W)×95(D)×200(H)mmで、重量は約275g。

有線でも無線でも使える
G933s

メーカーロジクールG
●価格:2万3500円前後

 ワイヤレスと有線、2つの接続方式を使いわけできるヘッドセット。2.4GHzのワイヤレス通信を使用し、屋内範囲で15mまで離れて使用できる。離れて使う際には、間に障害物があると途切れてしまうことがある。有線接続はUSBケーブルを使用し、ワイヤレス接続はUSBアダプターを使用する。

 サウンドオーディオエンジンは次世代のDTSサラウンドと呼ばれる「DTS HEADPHONE: X 2.0」を使用しており、7.1chを超えるサラウンドと言われている。

 オーディオチューニングは「G HUB」というソフトウェアを使って自分好みにサラウンドやイコライザーなどの設定ができる。

 また、G HUBでは同社製品のマウスキーボードでも、対応しているものであれば一括して管理できる。それぞれのデバイスLEDイルミネーションを同期することも可能だ。

 密閉型構造で、イヤーパッドは取り外しできる。洗えるので清潔に保てるのはありがたい。サイズ188(H)×195(W)×87(D)mmで、重量は379g。

この夏絶対プレイしてほしい
超オススメMMORPGタイトル

 最後に、ここまでで紹介したゲーミングヘッドセットを使ってプレイしてもらいたいイチオシのゲームを紹介したい。

黒い砂漠
●開発:Pearl Abyss
●日本運営:株式会社ゲームオン(Pmang)
●価格:基本プレイ無料

©Pearl Abyss Corp. All Rights Reserved. ©GameOn Co., Ltd. All Rights Reserved.

 ゲームオンが運営する「黒い砂漠」は、非常に高いクオリティーグラフィックで描かれているMMORPGとして高評価を受けているが、合わせてBGMも非常にクオリティーが高い。

 2018年8月22日グラフィックサウンドがリマスタリングされ、新たなグラフィックオプションの「リマスターモード」「ウルトラモード」が追加されクオリティーが向上している。

 サウンドに関しても同様に、戦闘BGMから地域ごとのBGなど約220曲がオーケストラBGMにリマスタリングされたため、クオリティーが向上している。

 そのため、高画質高音質を実現できる環境でプレイするほうが没入感を得やすく、ゲームの世界を堪能できるので、先述で紹介したゲーミングヘッドセットを使って是非体感してみてほしい最大のポイントだ。

©Pearl Abyss Corp. All Rights Reserved. ©GameOn Co., Ltd. All Rights Reserved.

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 ソロプレイ要素が強い印象の黒い砂漠だったが、2019年7月10日には新コンテンツとして「血の祭壇」というパーティーコンテンツが追加された。

 「血の祭壇」は段階ごとに出現するたくさんのモンスターとボスモンスターから遺物を守るディフェンスゲームだ。

©Pearl Abyss Corp. All Rights Reserved. ©GameOn Co., Ltd. All Rights Reserved.

 第1幻想~第10幻想(階数のようなもの)が存在し、難易度は高めに設定されており、段階が高くなるほど強力なモンスターが押し寄せてくる。

 参加プレイヤーたちは、遺物が破壊されないように守りながらモンスターと戦い、クリアした段階によって報酬が配られ、その中からは低確率だが希少な装備も手に入ることがある。

 こういったパーティーコンテンツは、難しくなるほどテキストチャットでは意思疎通が困難になってくるため、ボイスチャットを使うほうが有効だ。

 品質の良いヘッドホンコミュニケーションを取るためのマイクが必要になってくることを考えると、ここも選択肢として最良なのはゲーミングヘッドセットだ。

 そのほかのコンテンツに関しても豊富で、PvPコンテンツや料理、釣り、貿易など非常に多岐に渡る生活や生産コンテンツも用意されている。

 戦闘システムは、ノンターゲッティング系でアクション性が高く、スキルなどはコマンド入力で発生させる。ショートカットキーでも発動が可能で、それによりコンボなど自分なりの戦闘スタイルが構築できる奥深さを加えている。

 キャラクターメイクも非常に自由度が高く、骨格からカスタマイズ可能なほか、髪型や髪色、目の大きさや角度、瞳孔の大きさと色、耳の大きさ、唇の大きさから口角の上げ下げなど、とにかく細部に渡ってカスタマイズできるので、自分だけのオリジナルキャラクターを作成できる。

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 プレイキャラクターも18種類と多く用意されており、個性も豊かだ。ウォーリアやウィッチウィザードニンジャやクノイチなど、RPGならではのキャラクターから、空を滑空できる「ラン」という特殊なキャラクターも用意されている。

 2019年6月26日の最新アップデートでは新たなキャラクターとして「シャイ」が追加され、戦闘よりも生活生産コンテンツや戦闘補助向きのクラスになっており、自分のプレイスタイルに合わせたキャラクター選択ができるようになった。

©Pearl Abyss Corp. All Rights Reserved. ©GameOn Co., Ltd. All Rights Reserved.

 とくに最近では、2019年2月26日リリースされたiPhone/Androidアプリ黒い砂漠MOBILE」をプレイして、PC版を始めたというプレイヤーゲーム内で多く見られる。そういった新規のプレイヤーでも物怖じせず、ゲーム内でガンガン質問しまくっているので安心してもらいたい。

 ある程度プレイに慣れてきたらギルドに加入し、ギルドならではの様々なコンテンツにも参加してみることをオススメする。特にギルド単位で挑む強力なボス戦などは、白熱するのは間違いない。

 加えて、PvP要素の内の1つでもある「ギルド決戦」が用意されており、メンバーと協力して自身のギルドの名を挙げていくのもいい。

 黒い砂漠に限らずだが、こういった場面でもボイスチャットを使っていたほうがコミュニケーションは十分に取れるため、やはりゲーミングヘッドセットは必要だ。特に集団で行なうPvPコンテンツでは、より有利に働くのは間違いない。

 クオリティーの高い音楽を聞き没入感を深く得ることと、素早く円滑にコミュニケーションを取ることが重要な場面がMMORPGでも増えてきており、黒い砂漠はその最たる例だ。ソロプレイイメージが強かった黒い砂漠でも、パーティーコンテンツギルド単位でのコンテンツが増えてきている。

 今後も拡大していくことを考えると、テキストチャットで十分という時代は終わり始めており、ゲーミングヘッドセット必要不可欠になりつつあることは間違いない。

RPGの世界で深く楽しむためには
ゲーミングヘッドセットがないとダメ!

 今回はゲーミングヘッドセットとオススメのMMORPGを紹介してきたが、今回に限らずまだまだ語り切れない。それくらい、ゲーミングデバイスというものは奥が深い。だが、しっかりとデバイスを揃えればそれだけでテンションも変わってくるし、何よりもプレイの品質や環境が劇的に向上する。

 まだゲーミングヘッドセットを使ったことのない方は、これを機会に是非手入れてみてほしい。そして、しっかりと自分好みにチューニングして使ってみてほしい。そうすれば、今までのRPGの世界が一味も二味も変わることは間違いない。

 令和初の夏休みは、是非みんなで一緒にゲームでアツくなろう。新しいゲーム、新しい仲間、新しい世界に踏み出すためのツールとして、まずは自分に最適なゲーミングヘッドセットを手に入れよう。

この夏オススメのMMORPG向けゲーミングヘッドセットとゲームタイトル