手錠・脱走(Rupert Weidemann/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

たびたび繰り返される事象だが、病院から犯人が逃走する事件が起きてしまった。今回は、どのようないきさつがあったのだろうか。しらべぇ取材班は、その概要を追った。

■治療した後に…

警視庁によると、18日午前6時45分ごろ、窃盗容疑で現行犯逮捕された後に治療のためいったん釈放されていた韓国籍の60代の男が、入院先の東京警察病院(東京都中野区)から逃走。

男は13日、開店準備中だった中野区の飲食店内から現金を盗もうとし、気づいた店員に取り押さえられた。その際、転倒するなどしてあばら骨や鎖骨を骨折し、同病院に入院。22日に退院予定で、警視庁はその後、改めて逮捕する方針だった。

ところが、男は早朝警察病院の5階にあるトイレに行った際、警戒のためにトイレの外に配置されていた中野警察署の警察官2人のうち1人が目を離したすきに逃げたという。

中野警察署には、発生からおよそ15分後の午前7時03分に連絡が入り、その後、警視庁本部には午前7時47分に通報された。

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■男の身なりは…

男の身長およそ180cmほどで、逃走した際、白色のTシャツに青っぽい色のズボンを身に着けていた。病院1階から外に出て、南東に約600メートル離れたJR中野駅方向に歩く姿が、防犯カメラの映像から確認できているという。

警視庁は、男の容体が回復次第、窃盗事件について男から再び事情を聴くことにしていた。

■過去にも同じような事例が

事件の容疑者や被告が医療機関から逃走するケースはこれまでにも起きている。2018年5月には放火の疑いで逮捕された容疑者の男が精神鑑定のために留置されていた名古屋市内の病院から逃げ出し、22時間後に確保されて逃走の疑いで逮捕された。

病室には換気用の窓があり、逃走防止のためセンチ以上開くとアラームが鳴る仕組みになっていたが、センサーに細工をしていたという。2014年6月には、強盗事件で逮捕、起訴され精神鑑定のために福岡市内の病院に留置されていた男が逃走し、およそ5時間後に身柄を確保された。

■警察の失態が目立つ

ネット上では、逃走事案が頻発しすぎているという批判の声があがっている。

「逮捕してから逃走される失態が続いていますね。警察は緩んでいるのではないでしょうか?」

「大変危険です。一刻も早く捕まえて欲しい」

「警察関連の不祥事が、毎日のようにニュースになっていますが、何か組織に問題や欠点があるのではないですか」

早急に確保されないと、市民生活にも影響をもたらす。こういった失態を繰り返さないシステムづくりが、今、世間から求められている。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

東京警察病院から韓国籍容疑者が逃走 白Tシャツ・青ズボンの60代男はどこに