雨上がり決死隊・宮迫博之さんの反社会勢力からのギャラ授受問題が発覚して以降、しばらくは彼の出演部分をカットして放送されていた『アメトーーク!』(木曜夜11:20~、テレビ朝日)。8月1日の放送からは宮迫さん不在で収録された回のOAが始まりました。



アメトーーク! DVD44



◆宮迫なしで成り立つのか不安だったけど…
アメトーーク!』は15年以上も続く人気番組です。業界内視聴率ナンバー1番組と言われ、有吉さんや博多大吉さんなど、この番組を機にブレイクした芸人さんも多数います。


 しかし、6月に闇営業問題が発覚し、心配されたのが宮迫さんの代名詞的番組『アメトーーク!』の今後。クセの強い芸人さんたちを、時には強いツッコミで番組をひっぱっていく宮迫さんの存在は『アメトーーク!』になくてはならないものです。進行と聞き手が主の相方・蛍原徹さんだけでは番組が成立しないだろうという不安の声が多数ありました。




 事実、宮迫さん出演部分をカットして放映された『アメトーーク!』はどこか物足りなく、むしろ少しだけ映っていた体の部分が話題になるなど、宮迫さん存在せずとも存在感を見せつけたのでした。


◆フタを開けてみると…意外な好評の声
 8月に入り、宮迫さん不在のまま通常編集で『アメトーーク!』は放映されるようになりました。彼がいた席には、助っ人として有吉弘行さん、陣内智則さん、千鳥の二人など、ツッコミ役がこなせる中堅芸人が座り、蛍原さんサポートしています。




 今まで『スポーツ推薦芸人』『もっと売れたい芸人』などが放映されましたが、不安視もなんのその、つつがなく進行し、SNSなどではむしろ好評の声が多数上がりました。


「宮迫さんのキツイ突っ込みが苦手だったので、安心して見ることができた」
「噛んだり、言い間違えや弱点などをいじる場面がなくなったので、子供にも安心して見せられる」
「若手芸人がのびのびやっているように見える」


 以前から宮迫さんの、若手やいじられ役芸人の失敗に対するキツイ突っ込みが苦手だと言っていた視聴者からは、『嫌な気分をせずに笑うことができる』と、この降板劇をいい方に受け取る人も少なくありません。宮迫さんのファンだったという視聴者からも「主役はゲストの芸人なので、これはこれでいい」という声もあがっていました。


 最近では『ドッキリGP』や『運動神経悪い芸人』などの以前の企画の焼き直しや、芸人の失敗やリアクションを笑うだけ企画なども増えてきており、一部ではマンネリという声もささやかれていた『アメトーーク!』。そんな中でも、ケガの功名とも言わんばかりのいい風が吹き込んだと言えるでしょう。


◆“弱いものいじり”に頼らない、今の笑いが成立した
 昨今はコンプライアンスや多様性が重視され、また、いじめ問題の観点から、行き過ぎたいじりの是非が陰で議論されています。宮迫さんの生み出す笑いは、他人をきつくいじることが多いものでした。宮迫さんがいない『アメトーーク!』でも十分笑いが生み出せることが判明したことは、今後のお笑いを考える上で、ひとつのヒントになったのではないでしょうか。




 ただ、宮迫さんの司会の腕は確かですし、芸人さんの中ではいじられることを悦び「自分が道化になることで人が笑顔になるのであれば嬉しい」と考える人もいます。何もかも制限され、窮屈な制約の中で笑いが起きるのかは今後も議論の余地があるでしょう。


 現在、宮迫博之さんは各所で報道されている通り、吉本興業の処分は保留のまま、様々なボランティア活動に精をだしているようです。


 引退は公言せず、芸能界に戻る意志もあるとのことですので、もしその日が来たら、多くの人を笑顔に出来る、宮迫さん流の新しい笑いが届けられることを切に願います。


<文/小政りょう


【小政りょう】映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦



(画像:『アメトーーク!』公式ツイッターより)