中国は日本やドイツにも勝る世界第2位の経済大国ながら、労働コストの上昇や人口ボーナス期も終了したと言われ、製造業で生み出せる付加価値も今一つだ。日本の製造業は高い競争力を持ち続けているが、なぜ日本は製造業が強いのだろうか。中国メディアの今日頭条は16日、日本の製造業はどのような分野で「米中両国を焦らせている」かを紹介する記事を掲載した。

 まず、記事が紹介したのは「工作機械」だ。この分野で日本は米国を抑えて世界一となっており、有名企業も多く、技術も利益も世界最高水準だと称賛した。また、「自動車」分野においても、中国で日系車と人気を二分するドイツ系でさえ、自動車の部品は日本製が多いと指摘している。他にも、「材料」の分野や高速鉄道にも使われている「絶対に緩まないねじ」のような部品でも、日本は他の追随を許さないと感心している。

 ねじに関しては、簡単そうに見える小さな部品だが、中国国内では実現できない細かさを再現できるようだ。あるねじは、中国では5.974ミリから5.794ミリの間と定められ、0・18ミリの誤差が認められているにもかかわらず、日本企業の許容範囲は0.06ミリとまさにけた違いの厳しさであるという。

 日本の得意とするのはこうした職人技で、簡単には模倣できないことから、「米中を焦らせている」と言ってもいいだろう。それにしても、なぜ中国は日本のようにできないのだろうか。記事に対して、あるユーザーは「手っ取り早く大金が手に入る不動産と金融」で味を占めてしまったことを一因にあげた。地味に働くことがばからしくなってしまうということのようだ。

 別のネットユーザーは、機械好きで将来はものづくりをしたかったが、「収入も地位も低く大変な仕事」だと母親に反対されてしまった、と中国でありがちな話を紹介している。中国が日本のように製造業を発展させたいなら、職人が魅力を感じるような社会づくりも必要だろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本の製造業、米中を焦らせる「模倣ができない職人技」=中国メディア