被害者の車に車載されたドライブレコーダーが捉えた白いSUVの執拗な“あおり”。その車からガラケーを片手に降りてきた女性、さらに怒鳴りながら物凄い剣幕で近寄ってきた男の様子、その後の被害者に対する暴行の様子が日本列島に驚きと怒りを与えた。

 18日、茨城県守谷市内の常磐道で24歳男性にあおり運転をして無理やり車を停車させ、顔を血が出るまで複数回殴った疑いで全国に指名手配されていた住居・職業不詳の宮崎文夫容疑者(43)が大阪府内で逮捕された。宮崎容疑者が使用していた白いSUVは代車で、その車を使って静岡県愛知県内でも、同様のあおり行為を行っていたとみられている。殴打はもちろん、高速道路内での停車は危険極まりない行為であり、今後の捜査の行方に注目が集まっている。

 宮崎容疑者の人柄について、同容疑者が現在所有しているマンションを以前管理していた男性は「普通の人であれば威圧されるような感じを受ける。自分より弱いものに対しては上から来ます。短気なところで爆発したときはものすごい。暴れ方が異常」と話している。

 一方、“ガラケー女”として話題になった同乗の交際相手の女性(その後に犯人蔵匿・隠避の疑いで逮捕)が罪に問われる可能性について、元千葉県警交通捜査官の熊谷宗徳氏は「車の前に立ちふさがった。犯罪を止めるどころか撮影をしている。さらに被害者に車のドアを開けようとしている。この3つを組み立てて(傷害)ほう助にしていけるかどうかという捜査は行っているだろう」と今後の展開について予想すると、現在の法律の問題点についても「あおり運転をした挙句ケガをさせたら危険運転になるが、ケガをしなかったら危険運転にはならないというのが現状の法律。“未遂罪”のような法律を新設すべきだ」と指摘した。

 18日にAbemaTVで放送された『Abemaニュースショー』では、この事件について議論が行われた。最初に意見を求められたお笑いコンビドランクドラゴン鈴木拓は「ネット上ではこの件が一気に拡散された。それに対して逮捕状が出るまでが遅い。根本的にもっと早く逮捕できるように見直すべきだ」と憤りを隠せない様子で語ると、元衆議院議員の金子恵美氏は「ここまでひどくなくても、同じような怖い思いをしている人もいただろう。証拠として映像を残すのは重要だ」と被害者目線で続いた。

 また運転する側が注意すべき問題について持論を展開したのは国際政治学者の舛添要一氏だ。舛添氏は「宮崎容疑者が酷いのは言うまでもない。ただ自分もよく運転をするが、高速道路の追い越し車線をゆっくり走行する車が多すぎる。ドイツアウトバーンでは速い車しか追い越し車線にはいないし、速い車が後ろから来たことを認識したら自動的に下がる。一方、日本の高速は何をやっても動かないことが多い。これは道路交通法違反だ。追い越し車線は用事(追い越し)が済んだらすぐ戻らないといけないのに、なぜ警察はスピード違反ばかり取り締まって、このようなドライバーを取り締まらないのか。あおり運転を誘発するドライバーも取り締まるべき。どんどん(追い越し車線のノロノロ運転も)逮捕するべきだ」と述べ、日本の高速道路事情における問題点に言及した。

 鈴木拓が問題視した「逮捕(逮捕状が出る)までが遅い」という点についてジャーナリストの堀潤氏は「迅速な逮捕という話が出たが、その他の都道府県においても、宮崎容疑者によるあおり運転が指摘されているので“兆候はあった”ということ。議論を呼ぶかもしれないが、データベースを作って、各都道府県にあるあおり案件のデータを共有できるような仕組みを作るべきだ。車のナンバーの登録はもちろん、ドライブレコーダーデータクラウドへの集約などを、そろそろやってもいいのではないか」と、“あおり撲滅”に向けた建設的な提案を行った。

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舛添氏「“あおり”を誘発するドライバーも取り締まるべき」 日本の交通事情と警察の対応に苦言