夏はアニメ映画が多く上映される季節。7月19日に公開がスタートした新海誠監督の『天気の子』は、興行収入78億円を突破(8月11日現在)する大ヒットとなっています。

 あなたの会社も、映画に出資することがあるかも……? 今回は映画業界の業界用語を見ていきましょう!

PG12

Q. 年齢制限「PG12」とは?

「PG12までレイティングを下げたいんだけど」

 社会人にはもう関係ない?

A. 12歳未満の鑑賞には親・保護者の助言・指導が必要

 日本の映画館では、映倫(映画倫理規程)を管理する「映倫管理委員会」の審査を通った作品しか上映できません。

 審査は、5名の管理委員と、映画の各分野出身者7名によって行われます。映画の内容によって、未成年の鑑賞に対する年齢制限が設けられており、これを「レイティング」と呼びます。

 最新のレイティングは、

「G(一般)」…年齢制限なし
「PG12」…12歳未満の鑑賞には親・保護者の助言・指導が必要
R15+」…15歳未満は鑑賞禁止
R18」…18歳未満は鑑賞禁止

 となっています。性的な表現や、暴力や殺人、反社会的な描写が多いと、レイティングが上がります。映画会社としては、動員数を増やすためには、レイティングをできるだけ下げなければいけません。

 残酷なシーンや、性的に過激なセリフを削除すれば下げることができますが、作品として必要な要素であれば、簡単に削除することはできません。映画製作において、表現とレイティングのバランスは悩ましい問題なのです。

Q.「スローシネマ」とは?

「この作品はスローシネマ方式で上映します」

 何がスローなのでしょうか?

映画
※画像はイメージです(以下、同じ)

A. 各地域の上映会で数年かけて上映すること

 地域ごとに映画上映の実行委員会を立ち上げ、全国各地の公民館や公共ホールなどで数年をかけて上映を行う上映方式を「スローシネマ」と言います。

 近年では、映画のDVD化やネット配信などが製作費回収の大きなウェイトを占めており、映画館以外で鑑賞する方法が多様化しています。そのため、「スクリーンで大人数で映画を見る」という映画文化がますます希薄になっているという側面があります。

 スローシネマは、地域の人が集まって上映会をすることによって、映画文化を守り、映画を通じて「地域コミュニティの再生」に貢献することを目的にしています。

 近年では、地方都市が映画祭や映画関連のイベントを主催したり、映画のロケ地を観光資源としたツアーを企画するなど、映画が地域振興に活用されることが増えています。

Q.「バジェット」って何?

ビッグ・バジェットの映画は好きじゃありません」

 どんどんビッグになっています。

カメラ

A. 映画の製作費

 ビジネスシーンで「予算」「経費」などの意味で使われることのある「バジェット」ですが、映画業界では「映画の製作費」を意味します。

 ハリウッド映画などで「製作費200億円の超大作」などと宣伝されていますね。ちなみに、アメリカでは製作費が1億ドル(約1063038万円)以上の映画は「ビッグ・バジェット」と呼ばれ、スター俳優が出演する超大作となっています。

 製作費2000万ドル(約21億2607万円)前後の映画は低予算映画とされていますが、邦画で制作費が約20億円の作品は、なかなかの大作。ハリウッド映画との製作費の差が大きいことが分かります

 ちなみに、ハリウッド映画の製作費歴代1位は『パイレーツ・カリビアン/ワールドエンド』の約375億円。邦画の製作費歴代1位は、スクウェア・エニックスハリウッドが手を組んで製作した『ファイナルファンタジー』で、製作費はなんと約150億円です。

 しかし、後者は興行的には大失敗したため、記憶している人は少ないかもしれません。昨年大ヒットした邦画『カメラを止めるな!』は制作費300万円。映画の面白さはバジェットの大きさでは測れないことを証明した好例となりました。

TEXT/都田ミツコ モデル/東山美紗(SPA!DOL)>

※参考:『最新映画産業の動向とカラクリがよ~くわかる本 第3版』

【都田ミツコ】

編集者ライターエッセイスト。日課は今朝計った体重を妹にラインで送りつけること。