子供の夢を応援出来る大人、意外と少ないのかもしれません

8月18日放送の「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系)で、「ビッグダディ」として知られる林下清志さんの元妻、美奈子さんに密着した「新・漂流家族2019夏~美奈子と夫と8人の子供~後半」が放送された。番組では、やりたいことを見つけられず、アルバイトをしても長続きしない長男(19)の葛藤が取り上げられた。

同番組を視聴した有吉弘行さんは、18日の「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN系)で、「俺は(長男には本当は)夢があるんじゃないかなって思うんだよ」と心中を推察し、子供が夢を語ることの難しさを語った。(文:石川祐介)

テレビカメラが回っている状況では言えない夢もあったはず


「親に自分の夢を話すのって恥ずかしいだろ。例えば、あの子はゲームが好きみたいだから『ゲームのプログラマーになりたい』とか『eスポーツのプロプレイヤーになりたい』っていう夢があっても、たぶん言えない」

「夢があるか?」という「イエス」「ノー」の二択を迫り、そこで「ノー」と言ったからといって、簡単に"夢を持っていない人"とレッテルを張るのは可愛そうだと話す。テレビカメラも回っている状況であるため、自分の夢を話すことに照れがあった可能性を示唆した。

「夢を叶えたことのない大人が言うセリフは1つだから。どうせ『そんなことできるわけない』って言うんだよ」

夢を叶えたことのない大人は良くも悪くも現実的に物事を考える。そのため、子供が夢を語っても否定する確率が高い。「夢を叶えたこともないやつに何がわかるんだよ」と、こうした大人に反発心を持った子供は、何を言っても理解されないと考え、自分の夢を簡単には話してくれなくなるケースもあるだろうと語った。

「なぜその夢を目指したいのか?」子供の話に耳を傾けることが大事

学研ホールディングスが小学生を対象に実施した「将来就きたい職業」に関する調査結果によると、1位「パティシエ(ケーキ屋)」、2位「プロサッカー選手」、3位「YouTuberなどのネット配信者」だという。

一方、保護者が「子供に期待する職業」は、1位「専門職」、2位「教師・公務員」、3位「大企業の社員」。子供と大人には、大きなギャップがあることが伺える。

もちろん、子供の将来を案じて、現実的な理想を掲げる保護者が多かったのだろう。それでも、子供には自由に夢を持つ権利がある。「子供のためを思って」と口にする保護者は多いが、子供の話に一切耳を傾けず、夢を簡単に否定することが"子供のため"になるとは限らない。むしろ、保護者に対する不信感を強め、健全な成長を阻害するリスクさえある。

夢を応援するかどうかは保護者の自由だ。全ての夢を受け入れる必要もない。しかし、「なぜその夢を目指したいのか?」「夢を叶えるためにはどういう努力が必要なのか?」という掘り下げくらいは一緒にしてほしい。そうすれば、有吉さんが指摘するような「恥ずかしくて夢を話せない」子供も少なくなるだろう。