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入札、74億円までヒートアップも

text: Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo: RMサザビーズ/Jack Schroeder

ポルシェ社では、1号車となるのは356-001と語られてきたが、ポルシェエンジニアリング的に見れば、会社設立以前の戦前に送り出されたビートルの原型となるKdFとタイプ64は歴史的に見落せないモデルといえる。その「ポルシェタイプ64」が、北米で開催されたRMサザビーズ・モントレー・オークションに出品されたのである。

今年のRMサザビーズが開催するモントレー・オークションは、これまでになく気合が入っており、8月15日から17日の3日間で189台が用意され、そのラインナップには希少なモデルが数多く並び過ぎて貴重に思えなくなるほどだった。

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ポルシェタイプ64」

事前に発表された予想落札額で100万ドル(約1億円)を超えるクルマは49台もあり、1000万ドル(約10億円超え)は5台が並ぶというスペシャルオークションで、ポルシェタイプ64はその中でも特Aクラスといえる扱いで用意された。

ポルシェタイプ64は最終日のラストから14番前となる本命として扱われ、自走で静々とステージに上がった。事前の予想落札額はホームページでは未発表だったが、AUTOCARのインタビューでは2000万ドル(21億3000万円)に達するだろうと語られている。

いざオークションが始まり予想落札額を上回る3000万ドルからスタートすると激しい入札が続き7000万ドルにまで上昇。日本円にして74億5500万という世界記録が見えてきたのだが……。

まさかの流札 その経緯は?

ポルシェタイプ64の入札はヒートアップし、7000万ドル(74.5億円)を超えるという歴史的な瞬間に立ち会えるかと思われた。しかし、ここでRMサザビーズ痛恨のミステイクが発覚。現在価格は1700万ドルと告げられたのである。

スタート金額は「サーティ(30)ミリオン」北米ドルではなく「サーティーン(13)・ミリオン」だったのである。最高値も同様に「セブンティ(70)ミリオン」改め「セブンティーン(17)ミリオン」だったのだ。

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ポルシェタイプ64」

現在のオークションは会場の直接入札のほか電話での入札も可能で、入札者の発音が訛っていたのか担当者の聞き違いかは不明だが、これに進行担当と表示担当の勘違いまで重なってしまったのである。このRMサザビーズの初歩的なミスから会場はブーイングの嵐になり、入札を予定していたビッダーも呆れて立ち去る者まで出る始末。

オークション界のリーダー格といえるRMサザビーズとは思えぬ失態によりオークション会場にはしらけた空気が漂い、ポルシェタイプ64は流札に終わってしまった。

現在はホームページで「販売中」と表示されている。興味のある方はRMサザビーズに問い合わせてみてはいかがだろうか。


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